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  1. 大田区議会 2017-11-30
    平成29年 第4回 定例会−11月30日-02号


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    最終取得日: 2021-10-03
    平成29年 第4回 定例会−11月30日-02号平成29年 第4回 定例会 平成29年第4回定例会 大田区議会会議録 第16号 11月30日(木曜日)  出席議員(48名)   1 番 田中一吉       2 番 松原秀典       3 番 高瀬三徳   4 番 安藤 充       5 番 岸田哲治       6 番 大森昭彦   7 番 松原茂登樹      8 番 伊藤和弘       9 番 塩野目正樹   10 番 押見隆太       11 番 鈴木隆之       12 番 伊佐治 剛   13 番 深川幹祐       14 番 長野元祐       15 番 渡司 幸   16 番 高山雄一       17 番 松本洋之       18 番 岡元由美   19 番 勝亦 聡       20 番 広川恵美子      21 番 秋成 靖   22 番 玉川英俊       23 番 田村英樹       24 番 大橋武司   25 番 小峰由枝       26 番 椿 真一       27 番 田島和雄   28 番 末安広明       29 番 大竹辰治       30 番 清水菊美   31 番 藤原幸雄       33 番 菅谷郁恵       34 番 黒沼良光   35 番 金子悦子       36 番 福井亮二       37 番 荒尾大介   38 番 山崎勝広       39 番 黒川 仁       41 番 松原 元   42 番 岡 高志       43 番 荻野 稔       44 番 三沢清太郎   45 番 犬伏秀一       46 番 野呂恵子       47 番 奈須利江   48 番 湯本良太郎      49 番 北澤潤子       50 番 馬橋靖世
                   ――――――――――――――――――――  欠  番    32 番  40 番                ――――――――――――――――――――  出席説明員   区長            松原忠義    副区長           川野正博   副区長           清水耕次    企画経営部長        市野由香里   未来創造研究室長      須藤常好    総務部長          玉川一二   危機管理室長        井上隆義    地域力推進部長       鴨志田 隆   観光・国際都市部長     近藤倫生    スポーツ・文化担当部長   町田達彦   区民部長          木田早苗    産業経済部長        川上立雄   福祉部長          中原賢一    福祉支援担当部長      西山正人   障がい者総合サポートセンター所長                 青木 毅    健康政策部長        杉坂克彦   保健所長          渡邉洋子    こども家庭部長       後藤 清   まちづくり推進部長     黒澤 明    都市開発担当部長      飯嶋清市   空港まちづくり本部長    白鳥信也    都市基盤整備部長      齋藤浩一   環境清掃部長        畑元 忠    会計管理者         青木重樹   企画経営部企画課長     山田良司    企画経営部財政課長     谷口 祐   総務部総務課長       今井健太郎   教育長           津村正純   教育総務部長        水井 靖    教育総務部教育総務課長   森岡 剛   選挙管理委員会事務局長   佐藤一義                ――――――――――――――――――――  出席事務局職員   局長       佐藤惠美子        議事担当係長   三上浩史 議事日程第2号  平成29年11月30日  午前10時開議  第1   第92号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例   第93号議案 大田区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例   第94号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例   第95号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例   第96号議案 大田区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例   第97号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例  第2   第74号議案 平成29年度大田区一般会計補正予算(第4次)   第75号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例   第76号議案 大田区特別区税条例の一部を改正する条例   第88号議案 仮称大田区立勝海舟記念館(旧清明文庫)増築及び改修工事請負契約について   第89号議案 特別養護老人ホームたまがわ空調設備改修その他工事請負契約について   報告第26号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について   報告第27号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について   報告第28号 大田区立東六郷小学校校舎取りこわし工事及び体育館改築工事請負契約の専決処分の報告について   報告第29号 大田区立仲六郷保育園改築工事請負契約の専決処分の報告について  第3   第77号議案 大田スタジアム条例を廃止する条例   第90号議案 大田区立平和の森会館の指定管理者の指定について  第4   第78号議案 大田区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例   第79号議案 大田区住宅宿泊事業法施行条例   第80号議案 大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例の一部を改正する条例   第91号議案 大田区立大森東福祉園の指定管理者の指定について  第5   第81号議案 大田区営住宅条例の一部を改正する条例   第82号議案 大田区民住宅条例の一部を改正する条例  第6   第83号議案 大田区児童育成手当条例の一部を改正する条例   第84号議案 大田区ひとり親家庭の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例   第85号議案 大田区立児童館条例の一部を改正する条例   第86号議案 大田区子ども家庭支援センター条例の一部を改正する条例   第87号議案 大田区立保育園条例の一部を改正する条例  第7   議員提出第8号議案 大田区乳幼児及び義務教育就学児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例  第8   宮城県東松島市議会親善訪問に伴う議員の派遣について  第9   29第55号 平和島駅周辺の「自転車等放置禁止区域」の範囲拡大に関する陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜                     午前10時開議 ○岡元 副議長 議長にかわり、副議長が議長の職務を行います。  ただいまから本日の会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岡元 副議長 昨日に引き続き質問を行います。  まず、42番岡 高志議員。                  〔42番岡 高志議員登壇〕(拍手) ◆42番(岡高志 議員) おはようございます。たちあがれ・維新・無印の会、岡 高志でございます。本日は会派を代表いたしまして、区長並びに教育長に質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、ナッジという言葉をご存じでしょうか。スペルはNUDGEでございます。今年のノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学教授のリチャード・セイラー先生が生み出した言葉で、「肘で軽く突く」、そんな意味です。行動経済学の分野における人間の行動を変える戦略手法のことで、イギリスのキャメロン政権で税の徴収に効果を発揮したことが例として挙げられます。  ナッジとは、暴力的な何かではなくて、リバタリアン・パターナリズム、そんな説明があります。経済合理性を軸に、自由に行動する現代人に対しての何かしらの政策実行手法であると思います。松原区長にとってのナッジの行く先は何でしょうか。そんな思いで質問をしてまいります。簡潔明瞭なご答弁をお願いいたします。  地域力と国際都市、このキーワードで区政発展に取り組んだことと理解しています。地域力というと、町会・自治会に寄り過ぎた政治姿勢とやゆされることもありますが、町会・自治会、商店街を軸に大田区の活力を高めようと努力された。そして、それだけでなく、区長と一般区民の対話集会を企画するなど、区民の多様性を理解する姿勢も見られます。また、近年は事あるごとに記者会見を行って大田区の発信力も強めておられ、マスコミュニケーションにも挑戦されておられます。今後の区の広報広聴のブラッシュアップによっては、全員参加型の地域力の理想が実現できるのではないでしょうか。  国際都市、このキーワードについては、羽田空港の再国際化が実現して、国際都市イベントも積極的に実施、組織的には観光・国際都市部を設置し、国際交流協会も立ち上げます。在住の外国人も観光客の外国人にも安心していただけるまちづくりができたのではないでしょうか。今後の外国人住民増加を受け止める下地ともなると思います。  伺いますが、このように区長は大田区政にナッジを投げかけてきたと私は理解します。今後はどのようなナッジを投げかけるのか、区長、お聞かせください。よりよい方向へと導くナッジを考えていきましょう。  今年度の新しい動きの一つが、福祉部の法人指導監査担当課の設置だと思います。私も3年前、議会の場で図表とともにお示ししたことがあるんですが、社会福祉の担い手たる社会福祉法人が、利益率が高く、内部留保が多額になっている現実があります。単年度の利益を利用者や従業員にどう分配するのか、内部留保をどのように活用していくべきかを社会福祉法人は検討しなければならない、そんな趣旨で発言いたしました。公共の担い手の一翼を担う社会福祉法人をはじめとした福祉事業者への指導監督が重要になってきます。  伺いますが、福祉部の法人指導監査担当課の実績と課題をお示しください。  公民連携の切り口で言うと、社会福祉法人とのかかわりは、福祉分野における公民連携の中核です。社会福祉法人という民間会社が公共サービスを脈々と担っています。ここにおいて区役所の役割は、公共サービスの提供者たちのマネジメントです。  公民連携の財政面での手法としてPFIがあります。先の決算特別委員会の総括質疑で、私はPFIの活用を申し上げましたら、大田区におけるPFIの先行事例として、伊豆高原学園改築・運営をお示しいただきました。伊豆高原のPFI事業者の提案価格は36億円余で、区の提示に比較して5億円余、15%の経費削減につながったと当時の所管委員会で説明されています。  伺います。大田区におけるPFIの先行事例である伊豆高原学園改築・運営についてのPFIをどう評価するのかお聞かせください。  今後の区内での学校改築を含めた複合施設整備にも活用できるかもしれないと思っていました。今月20日に大田区立赤松小学校及び仮称大田区北千束二丁目複合施設改築事業プロポーザル実施要領、これが公表されています。この事業は、公募型プロポーザルにより選定した事業者が、設計業務及び建設・工事監理業務を一括して行うデザインビルド、DB方式により実施されます。赤松小学校が東急大井町線に近接するため、鉄道軌道の近接施工や擁壁改修を伴う複雑な切り回し計画など、多くの関連工事を同時に行う必要があるが、学校運営への影響を最小限に抑えるために早期の竣工を目指し、工期内の確実な履行完了を要求するためにDB方式を採用した。事業の予定価格は、設計業務費1億4500万円、建設業務費50億円、工事監理業務費5800万円とプロポーザル実施要領にあります。  さて、鉄道に近接することの影響を小さくすることは、鉄道事業者であれば容易だろうと思います。だけど、一般の受注業者に求められることなんでしょうか。また、プロポーザルの審査基準では、工事価格への評価点は100点満点中、わずか5点なんです。見積額、工事費低減の方針を内容としたのみです。一方で、鉄道に近接することへの配点としては、評価項目として、近接施工能力9点、工程計画8点、施工計画12点の計29点も配分されます。つまり、建設業務費50億円を縮減することよりも、鉄道軌道の近接施工をうまく行えることが赤松小学校及び複合施設改築事業のプロポーザル選定で大きく重視されています。5点対29点、この条件が有利に働く事業者として思い浮かぶのは、東急電鉄グループの東急建設ですよ。特定の会社が有利になるような大田区立赤松小学校及び仮称大田区北千束二丁目複合施設改築事業のプロポーザル選定との疑念を持たれかねないと思います。  価格競争こそが公共事業の透明性の要諦だと我々は考えます。区長のご見解を伺います。  次に、まちづくりについて伺ってまいります。  新空港線「蒲蒲線」については、第2回定例会の代表質問で申し上げています。大田区で最も影響を受けるだろう多摩川線沿線住民からでさえも、各線乗り入れによる利便性低下を不安視する声が聞こえます。区が税金を投入しようという事業ですから、そのような状況は看過できない。大田区としてどのように費用便益を把握しているのでしょうか。  国土交通省鉄道局が2012年7月に作成した鉄道プロジェクトの評価手法マニュアル、これに基づいて大田区も費用便益を検討しています。いわゆるB/C分析。その結果、プロジェクト全体のB/Cを1.5と算出して、よいプロジェクトであると評価しています。  大田区にとっての便益はどうなのか。B/C分析の算式によれば、便益とは利用者の時間短縮の便益、供給者の便益、環境改善の便益及び存在効果の便益の総和の現在価値です。利用者の時間短縮の便益は、全ての発着地ペアの便益を足し合わせたもの。例えば羽田空港と大田区外の発着地ペアの便益を控除すれば、大田区にとっての利用者の時間短縮の便益がわかります。  そこで伺います。区長、利用者の時間短縮の便益のうち、大田区にとっての便益の比率はわかりますでしょうか。  私は、3割にも満たないのではないか、そう推定します。区長は先頭に立ってこのプロジェクトを推進する、きのうもおっしゃっていました。そうした具体的なことを議会の場でお示しいただかないと、大田区がこのプロジェクトを推進する意義が判断できません。はっきりとお示しください。  続いて、路上喫煙禁止地区の拡大を求めて質問いたします。  大田区では、平成16年から変わらず蒲田の東西の駅前広場しか路上喫煙禁止地区には指定されていません。他区の路上喫煙禁止地区の数は多いんですよ。世田谷区であれば12地区、品川区は5地区。大崎、五反田、大井町、武蔵小山、青物横丁の各駅周辺地区で5地区です。川崎市は7地区、足立区では、北千住、綾瀬、西新井、竹ノ塚、梅島、五反野と順次拡大して6地区。大田区であれば、蒲田だけではなくて、大森、平和島、大森町、梅屋敷、糀谷、池上、御嶽山、長原あたりが路上喫煙禁止地区指定されているべきではないかと思うんですね。  そしてまた、ほかの自治体の路上喫煙禁止地区って広いんですよ。例えば品川の五反田は、五反田駅前から大崎広小路駅前まで広く一帯、あの五反田エリア全体を路上喫煙禁止地区にしている。川崎であれば、川崎駅前は、駅から市役所通りなど目抜き通りを第一京浜まで路上喫煙禁止地区に指定されています。これを蒲田に当てはめれば、京急蒲田から蒲田、さらに蓮沼駅前まで路上喫煙禁止地区にしたっていいのではないかと思うんですよ。(発言する者あり)雑色もやってほしいという声もありますし、ぜひいろんな地域でやるべきではないかなと思います。実際は、蒲田東西の駅前広場部分と本当に狭い範囲しか路上喫煙禁止地区に指定されていません。  区長、教えてください。大田区の路上喫煙禁止地区がほかの自治体と比較して著しく狭い、この路上喫煙規制が著しく緩い、この彼我の違いは一体何でしょうか、教えてください。ぜひとも大田区でスモークフリーに取り組んでほしいと思います。
     続いて、ギャンブル依存症対策について伺います。  自治体でギャンブル依存症対策に取り組む意義について、先の決算特別委員会の総括質疑で申し上げております。ギャンブル依存の入り口の一つはスマホゲーム依存です。スマホゲームという広い裾野が重いギャンブル依存につながっています。これは、ギャンブル依存症対策にかかわる専門家たちが同様の認識を示しています。また、小・中学生がSNSよりもゲームに時間をかけていると、この場で紹介したことがあります。内閣府の青少年のインターネット利用環境実態調査結果によって示された結果です。スマホゲームは課金の問題が取り沙汰されがちですが、ゲーム制作サイドからは、小・中学生のお財布はあまり当てにしていなくて、課金よりも課時間の傾向があると聞きます。広告視聴に時間を費やすことでスマホゲームを継続する課時間ゲームです。子どもの有限な時間が大量に課時間ゲームに消費されていくのは次世代育成にとって明らかに問題です。次世代育成の観点からも、ギャンブル依存症やゲーム依存症対策を担う部署を設けていただきたいと思います。  区長、ギャンブル依存症対策の担当課設置をしてはいかがでしょうか。  大人にとってのギャンブル依存の中心は、間違いなくパチンコです。パチンコ事業者ともこの間、意見交換しました。近年、パチンコは出玉規制が厳しい。短時間で大きく勝つこともなければ、大きくかけ金を失うこともありません。だから、長い時間パチンコ台の前に滞在して、お金を落とす層が新たなターゲット客層になっている。そうした時間のある人のイメージって、年金所得者や生活保護受給者なのでしょうか、支給日には駅前の宣伝活動もすごく活発になっている。皆さんもよく見られているかと思います。そうした時間がある人とお財布が、駅前のパチンコ店に吸い上げられていく。そんな構図がこの蒲田で示されています。ここでやるべき政策的なナッジは、パチンコ店の出店規制です。  区長、お伺いします。パチンコ店新規出店規制条例の制定について、ご興味はございますでしょうか。  さもなくば、区民を代表する我々議員の権限でパチンコ店の新規出店規制条例を制定しようではありませんか。  教育について次は伺ってまいります。  学校の運動会での組体操のリスクについて、平成26年あたりから、名古屋大学の准教授で教育社会学者の内田良先生がヤフーニュースにレポートを発表したことをきっかけに社会問題化していました。  そこで、私が昨年、大田区でも学校運動会での組体操の中止を明確にするべきと質問しましたら、津村教育長から、「大田区教育委員会では、平成28年4月に各校に対し、第1に、ピラミッド、タワーについては原則として休止する、第2に、安全対策の点検を行い万全の対応を図るとともに、学習指導要領の狙いを達成する観点から、各種目の必要性や妥当性について検討する、第3に、体力等の向上や危険予測・回避能力を育成するとの方針を示しております」との答弁をいただきました。  1年経ちまして、大田区の組体操事故の変化を確認しました。日本スポーツ振興センターが保険事故として処理した学校事故を把握しています。資料開示をお願いしたところ、大田区立小中学校で運動会の組体操やその練習で発生した事故、平成28年度は4件、その前の平成27年度が32件だったので、大幅に減少したことがわかりました。教育長のご判断が一定の成果につながったものと評価いたします。  そこで、組体操に限らず、学校全体の安全対策も分析するべく、日本スポーツ振興センターが把握する大田区立学校における学校事故の保険給付申請件数の開示をお願いしましたら、平成28年度は全体で2032件ありました。一方で、教育委員会指導課が学校から報告を受ける事故発生報告書の件数は41件しかないんですよ。教育委員会における学校事故把握として不十分だと思います。「安全対策の点検を行い万全の対応を図る」とするならば、保険請求するレベルの事故は、分析して安全対策を検討するのが妥当であろうと思います。  教育長に伺います。少なくとも保険事故として処理した学校事故については、各学校が事故発生報告書を作成して教育委員会指導課に報告するべきではないでしょうか。  教員勤務実態調査の結果が文部科学省から発表されたこともありまして、教員の超過勤務が今年の議会でも大きく話題になりました。必要な報告書類は作成していただきつつも、教員の労働環境が改善に向かうことを期待いたします。  一方で、教員が研修を受ける時間は少ないことも実態調査から明らかになっています。これでは教員の質が保てないのではないか。学力の向上などおぼつかないと思います。  伺いますが、教員の研修を効率的に行うために、eラーニングを導入してはいかがでしょうか。  最後の質問事項です。シェアリングエコノミーについて伺ってまいります。  民泊のマッチングサービス、Airbnbに代表されるように、今、世界ではシェアリングエコノミーに大変大きな注目が集まっています。コンサルティング会社のPwCによると、2025年の世界におけるシェアリングエコノミー市場は、2013年の20倍以上となる3350億ドル、日本円で37兆円になると試算しています。  シェアといっても、その対象は、空間、モノ、人のスキル、移動、お金など、実に様々です。これは経済の話であると同時に、新しい社会をデザインしていく話でもあると考えています。私たち現場を持つ自治体にとって特にスキル、空間のシェアは非常に大きな意味合いを持つと思います。一般論として、シェアリングエコノミーは地元の経済が強くなること、多様な働き方につながり、職住近接を実現しやすいことなどが特徴として挙げられます。例えば人が持つスキルには、家事代行だったり、介護、教育、子育てなど実に様々ありますが、スキルのシェアが進めば、子どもを持つ夫婦が子育ての段階に応じて働き方を柔軟に選択できるようになるでしょう。あるいは、子育てが一段落した女性がスキルのシェアを使ってキャリアを活かしながら地域で暮らしつつ、収入を得ることも可能になる。また、空間のシェアという意味で言えば、公園や学校、児童館など自治体が持つ公共施設は実に多様でありますから、このあたりのシェアの仕組みを工夫することで、地域が抱える課題を解決することも可能になるでしょう。  大田区は2015年に民泊条例を定め、全国的にも率先して取り組む姿勢を打ち出してきたところであり、もちろんまだいろいろと課題はあります。シェアリングエコノミーの先頭を走ってきた自治体と言ってもいい、僕は思います。  そこで、大田区におけるシェアリングエコノミーについて、いくつか具体的に提案、質問をさせていただきます。  まずは学校の教室の活用です。私が6年前の初当選以来、空き教室を活用した学校内学童保育の実施を提案してまいりまして、実施前は様々に課題が想定されたのかもしれませんが、今や実質的に全ての小学校で学童保育が実施されています。これは、教室を学校と学童保育事業者でシェアしていると言えます。  次に提案しますのは、学校給食のシェアです。高齢者の中には配食サービスに頼っている方もいらっしゃいます。人が各家庭に食事を届けるのは、それだけマンパワーが必要です。かといって、住宅地域においては外食の場所は限定的です。そこで、高齢者に近くの小学校に足を運んでいただいて、学校給食を食べる場を日常的に設定するのは、孤食の高齢者と地域をつなげることにより地域課題を解決できるシェアだと思います。今後、学校建て替えを複合施設化するに際して意義のある取り組みだと思いますが、いかがでしょうか。  伺います。学校給食を近隣の高齢者とシェアしてはいかがでしょうか。  もちろん、高齢者からは、食材費にとどまらず、必要経費分を含めた料金を負担してもらいます。その資金も活用して、子どもへ無料朝食が提供できるかもしれない。そして、子どもの学力という地域課題の解決につながる可能性があると思います。  次に、公園のシェアです。地方分権一括法の改正以来、国土交通省は、公園や河川、道路などかなり踏み込んだ規制緩和を行っており、国みずからが積極的にこれらの公共施設、公共空間を使って「稼げ」と言っています。日本全体で国や地方自治体が保有する公共施設の不動産価値は570兆円あると言われていますが、その実態は、不動産としてのポテンシャルはほとんど活かされていないのが現状です。今後、日本が徐々に縮退していく中で、公共もこれまでは行政だけが担っていた時代から、企業やNPOが担っていく時代に突入していきます。国が方針を示すように、公共施設の運営を民間に任せることで、より魅力的な場所に生まれ変わる可能性を十分に秘めており、都内ですと上野公園のスターバックスや豊島区の南池袋公園など、少しずつ成功事例も生まれています。南池袋公園は、公園の芝生を使って野外映画の上映会を開催したり、オープンウエディングを実施するなど、エリアの価値向上と公園の収益確保につなげています。  そういう意味では、大田区にも大きなポテンシャルを持つ公園として洗足池があります。地方分権一括法の改正時に公園条例の建蔽率は自治体のしんしゃくで変えられるようになっていますから、大田区がその気になれば公園にカフェをつくることは可能です。あるいはカフェでなくても、マルシェやアートマーケットを開催するなど、このエリアの価値をさらに高めるための工夫を公民連携で進めることも検討してはいかがでしょうか。  例えば横浜市は、今年に入って全ての都市公園を対象に、民間企業にサウンディング調査を行い、「どこの公園で、どんな民間事業を実施したいか、それに当たって公園管理や魅力向上にどういう寄与ができるのか」、そんな調査を実施しまして、実に80社近い企業から公園を使いたいという提案があったと聞きます。大田区でもまず、洗足池公園を対象にサウンディングをやってみるのも方法としてはあるかなと思いますが、いかがでしょうか。  今でも魅力のある洗足池公園ですが、これが公民連携によってさらに魅力が向上すれば、公園を訪れる人も増えるでしょう。そうなれば、周辺の商店街にもいい影響を与えると思いますので、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。洗足池公園、さらには東調布公園、整備計画中の田園調布せせらぎ公園などを対象に、民間企業にサウンディング調査を行わせてはいかがでしょうか。  区長、最後の質問です。公園活用の公民連携についてのご所見を伺います。  シェアリングエコノミーは、行政側からすると公民連携と読み替えることができます。シェアリングエコノミーの市場が拡大していく中で公民連携の取り組みは加速します。区役所は、行政サービスの提供主体にとどまるのではなくて、シェアリングエコノミーのエコシステムを整備すること、公共サービスの提供者へのマネジメントがこれから求められると思います。そのためにも大田区が未来のビジョンをどこまで打ち出せるか、大変重要だと思います。  以上で、大田区の未来を望む岡 高志、たちあがれ・維新・無印の会からの代表質問を終わります。どうもありがとうございます。(拍手) ○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 岡議員の代表質問に順次お答えをさせていただきたいと思います。  まず、今後区政にどのようなナッジを投げかけていくのかというご質問でございますが、議員お話しのように、ナッジとは、今年ノーベル経済学賞を受賞しましたリチャード・セイラー教授が提唱した行動経済学理論であると認識をしております。ナッジとは、人間は合理的ではないという前提に立ち、人々へ提示する選択肢を工夫することで社会をよりよい方向へ導くという考え方と理解をしております。このナッジの考え方に共通するのは、金銭が伴う経済的な誘因を用いていないということであります。行政からの視点で見れば、課税や補助、さらには法規制などによらずに、人々に正しい選択を行っていただくことが期待されます。区の事業でナッジに類似した例といたしましては、データヘルスに基づく保健事業において行っているジェネリック医薬品の差額通知が挙げられます。これは、ジェネリック医薬品への切り替えによります薬剤費軽減額が一定以上の国保被保険者へ通知を行い、後発品普及率の向上と医療費の適正化につなげる事業ですが、このように区民へ気づきを与え、よりよい選択を行っていただくことでコストを抑えつつ、大きな効果を得ることが可能になると考えております。従来の手法にとらわれず、ナッジのような新たな考え方も参考にしながら、引き続き効果的な施策を展開してまいります。  次に、指導監査担当についてのご質問でございますが、区が所管する社会福祉法人の指導監査と介護保険事業者等への指導強化を目的に設置いたしました。社会福祉法人の指導監査では、特に今年度は社会福祉法人制度改革に伴う改正社会福祉法への対応が各法人に求められることとなりました。このため、区では、所管法人を対象とした指導連絡会を開催するなど、国や東京都からの情報をわかりやすく提供する仕組みを構築したところでございます。また、具体的な実務への対応が困難な小規模法人に対しましては、職員が業務支援を行うなど、踏み込んだ対応を実施しました。介護サービス事業者への指導では、サービス需要に伴う事業所増加が見込まれる中、よりよいケアの実現と不適正な請求を防止するため、効率的で効果的な指導実施体制の実現が課題となっております。こうした中で、個々の事業所への実地指導においては、人員や運営基準等の遵守をチェックする従来の視点に加え、利用者への最適なケアマネジメントを事業所に理解・促進させる新たな手法を検討しております。さらに、全事業所を対象とした集団指導に加え、訪問介護や通所介護事業所など業種別の集団指導も実施し、介護保険制度への理解啓発や不正防止を一層浸透させる取り組みにも着手しております。今後とも、法人や事業者の育成・支援とサービス水準の維持向上とを両立できる実効性のある取り組みに向けて、きめ細やかな指導監査を実施してまいります。  次に、伊豆高原学園のPFIに関するご質問ですが、平成22年8月に実施した伊豆高原学園の民間活力の導入可能性調査において、公設公営の際の運営経費を推計しましたが、伊豆高原学園のこれまでの3年間の運営経費はこの推計額を下回っており、PFIによる事業効果は上がっているものと判断しております。PFIは、公共施設等の建築、維持管理、運営等において、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用できる一つの手法であると認識しており、今後も効果的な施設整備の手法を検討してまいります。  次に、公共事業における価格競争に関するご質問ですが、事業執行に当たっては、最少の経費で最大の効果をあげるために、一般競争入札による契約を原則としております。工事案件の中でも高度な知識及び技術を要する場合など、価格のみによる競争入札が適さない事業ではプロポーザル方式を導入しております。赤松小学校の敷地は、鉄道に隣接し、周囲に高低差があるという極めて特殊な条件下にあり、限られた工事期間で施工するためには、高い施工技術力が不可欠となります。そのため、赤松小学校の改築においてはプロポーザル方式を導入し、適切に事業者を選定いたします。今後も工事期間中の良好な教育環境を確保しながら、最少の経費での改築を進め、よりよい施設整備に取り組んでまいります。  次に、新空港線についてのご質問ですが、平成28年度に行いました調査により、時間短縮や乗り換えなども含めた利用者便益については、本年3月に開催した平成28年度新空港線「蒲蒲線」整備促進区民協議会において、図でお示ししております。また、本年9月に、小池都知事に15区長及び3市長で要望した際、知事は「皆様方のご意見をしっかり受け止め、課題を解決するように検討を進めていきたい」と発言されました。これを受け、都区間で課題となっております費用負担の割合等について現在協議を進めており、利用者便益の割合や利用者数等が費用負担割合を決める大きな要素となっております。したがいまして、都区間協議の重要な要素である利用者便益の数値については、現時点でお示しすることは困難でございます。  次に、路上喫煙禁止地区についてのご質問ですが、区は「清潔で美しい大田区をつくる条例」で、人の往来が激しく、吸い殻の散乱が著しいため、特に環境美化の促進を図る必要があると認める地区を路上喫煙禁止地区に指定して、喫煙する方々への啓発と指導を強化してまいりました。路上喫煙禁止地区の拡大については、地域ごとの状況を踏まえ、区民や事業者の多様なご意見もお聞きしながら検討する必要があります。現在、国や東京都において受動喫煙防止の観点から法令整備について様々な議論がされており、その動向も注視しているところでございます。区といたしましては、今後も喫煙マナーの向上のための啓発と指導を強化しながら、地元の方々と連携して環境美化の取り組みを進めてまいります。  次に、ギャンブル依存症対策の担当課設置に関するご質問ですが、現在、区では、関係各部が連携を図りながら的確な対応を行っております。こうした依存症対策を効果的かつ効率的に行うためには、様々な分野における多角的な対応が非常に重要です。引き続き、依存症を取り巻く社会情勢や国の法整備等の対応を注視しつつ、関係部局の緊密な連携のもと、適切な依存症対策に取り組んでまいります。  次に、パチンコ店の新規出店規制条例に関するご質問ですが、先ほども申し上げましたとおり、ナッジとは、選択肢を工夫し、社会をよりよい方向へ導くことができるという考え方と理解しております。選択を規制する条例とナッジの考え方とは直ちに結びつくものではないと認識しております。パチンコ店は法律により規制されており、東京都公安委員会の許可を受け、営業が行われております。今後も法令等の定める範囲内で所管官庁の方針を踏まえ、適切に対応してまいります。  公園活用の公民連携に関するご質問でございますが、現状、多くの公園は民間企業への業務委託により運営していますが、今後、公園をより魅力的で使いやすくしていくためには、公園の管理運営方法の見直しや公園づくりへの民間活力のさらなる導入が必要であると考えています。区といたしましては、洗足池公園や田園調布せせらぎ公園、東調布公園などの大規模公園での施設整備の機会を捉えて、近年、各自治体で取り組んでいるパークマネジメントの視点による公民連携の調査研究を進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎津村 教育長 私からは、教育に関する3点のご質問に順次お答えをさせていただきます。  まず、事故発生報告書についてのご質問ですが、区立学校では、すり傷等、けがが軽微な場合でも、念のため医療機関を受診させる場合が多く、治療費の保険給付申請を行っていることから、申請件数が非常に多くなっております。そのような軽微なけがについても詳細な報告書を作成することは、学校にとって大きな負担となります。そこで、重大な事故や負傷と判断される場合について、養護教諭の意見を聞いて学校長が判断し、教育委員会に報告する取り扱いとしております。なお、報告の有無とは別に、軽微な事故についても各学校において予防に努めているとともに、教育委員会といたしましても注意喚起を行っているところでございます。  次に、教員研修におけるeラーニングの導入についてのご質問でございますが、教員研修においては対面で子どもたちに教えていくための体験的な研修やグループ討議などが効果的であり、学校の内外で同一場所に会して実施することが有効と考えております。一方、多忙を極める教員にとりましては、みずからあいた時間を有効に活用して研修に励むことも大切なことでございます。eラーニングの活用もその一つであると考えられます。東京都教育委員会では、産休・育休中の教員や島しょ地区の教員などの自己啓発を支援するため、ホームページで研修動画の配信を行っております。この対象者や公開する研修の範囲を拡大することを申し入れてまいりたいと考えております。また、区教育委員会といたしましても、インターネット上に公開されている研修に有益なコンテンツ等について情報提供を行うなどして、教員の自己啓発を支援してまいります。  最後に、学校給食の高齢者への提供についてのご質問ですが、現在、区立学校では、地域の方々を招待して子どもたちと一緒に給食を試食していただく「招待給食会」を実施しており、まずは高齢者の招待を増やすなど、「招待給食会」の充実を図ることにより、複合化のメリットを追求してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。 ○岡元 副議長 次に、28番末安広明議員。                  〔28番末安広明議員登壇〕(拍手) ◆28番(末安広明 議員) 大田区議会公明党の末安広明でございます。  初めに、「行政課題の解決に民間力の活用を」というテーマで質問をさせていただきます。  本区が抱える課題の一つに、新たな財源確保という点があります。本区の財政については、現在、健全性は確保しているものの、今後、予算規模の大きな事業も数多く予定されており、長期的な視点で見た場合、決して安定的であるとは言えない状況がございます。また、ふるさと納税による本区税収の減収額は年々大幅に増え、今年度は13億6000万円とも想定されております。  そのような中で新たな財源確保に向けては、ふるさと納税やクラウドファンディング、ネーミングライツといったこれまでも何度も様々な議員の皆様がいろいろな角度で、いろいろな視点で提案を行っております。しかしながら、現状で新たな手法による財源確保の取り組みが積極的に推進されているとは感じられません。  そこでお伺いをいたします。本区では現在、封筒やデジタルサイネージ、バナー広告といった手法で財源確保の取り組みがなされております。どのような取り組みが行われ、それによってどれほどの歳入確保につながっているのか、また、直近で始まった新たな取り組み事例などありましたらご紹介願います。  財源確保という点では、もっともっと多くの分野で効果を発揮するための手法があると感じます。しかし、その推進には新たな発想が必要となります。行政として国や都の方針に従って仕組みを整備することや、今ある事業について効果をより高めていくことは得意ではございますが、全く新しい分野の事業や前例のない取り組みを形にしていくことは苦手な分野であると思います。また、行政の役割は民間でできないことを実施する立場であり、様々な課題に対して採算性でははかれないサービスの提供を行い、課題を解決していくことがその使命であります。そこに向けて最も知恵を出さなければならないわけであり、その上、財源確保に向けたアイデアをひねり出すことや、広告獲得に向けた動きをとることなどは本来の業務とは言えない分野であり、非常に難しいとも言えます。そこで力を発揮するのが「民間の力」ではないかと考えます。  ここで二つの事例を紹介させていただきます。文京区では、本年度より官民で協働して子ども宅食事業に取り組まれました。その財源確保にふるさと納税を充てる仕組みを打ち出しました。そして返礼品を出すのではなく、社会貢献の取り組み自体に賛同を得る手法を用いたことは、ふるさと納税のあり方に一石を投じることとなりました。一方、本区では、ふるさと納税については、返礼品競争により本来の目的からはかけ離れてきているとの理由から積極的には推進しないとの見解でした。ふるさと納税イコール地方の取り組みと単に捉えるのではなく、特別区でも知恵を使い、工夫次第で新たな財源確保をすることは可能である、このことを証明してくれた事例であったと思います。また、そこには民間企業や団体としっかり連携し、そのアイデアがふんだんに盛り込まれたことが一つの大きな要因であったと言えます。  もう一つ、横浜市の取り組みを紹介させていただきます。幼児向けの防災教材である「ぼうさいえほん」という冊子がつくられたそうです。一つの印刷会社が中心となり、企画、制作、デザイン、スポンサー集め、各施設への配布までをその企業が担い、結果、市内の幼稚園258園に通う園児の保護者全員に、数にして6万冊もの教材が無償で配布される形となりました。そして、市が携わったのは、内容監修と配布先の調整を行う業務のみであったそうであります。民間企業と連携し、行政でしかできない部分に特化したこの事例は、財源確保という視点だけにとどまらず、行政としての働き方改革のヒントにもできる事例であると言えます。  民間の力を活用すること、すなわち公民連携については二つの視点があります。一つは、区民や地域との連携です。本区では、松原区長が旗振り役となって「地域力」というテーマで区民や自治会・町会の皆様と行政がしっかり連携をし、防災や見守り、地域行事の開催など積極的に取り組まれ、着実な成果に結びついております。そして地域の様々な声を集め、取り組みを推進するために、会議体や出張所などがその要となっております。  一方で、もう一つの視点が企業との連携でございます。そこにはまだまだ課題があるのではないかと感じます。行政が一定の方向性を持ち、推進したいことを民間に担っていただくという連携については多く展開されておりますが、新たな取り組みや前例のない取り組みを進めるケースにおいて、企業との十分な連携が図れているとあまり感じられません。その場合、どこに相談すればよいのか、また、課題を一から議論し、形にしていくようなケースに対応してくれる窓口はありません。  そこでお伺いいたします。本区では現状、企業との連携についてどのように進められていますでしょうか。特に新たな課題の解決や前例のない事業について、企業などと十分なコミュニケーションが図れているとお考えでしょうか。ご見解をお聞かせください。  行政と一緒になって課題解決をしたい、また企業価値を高めたいという企業はあるはずです。昨今では企業が社会的に果たす役割も、CSR、「企業の社会的責任」からさらに発展し、企業が追及する経済的価値と社会的価値を両立するCSV、「共通価値の創造」という考え方にシフトしていると言われております。企業にとってはビジネスの開拓、拡大、行政にとっては施策効果の向上というウィン・ウィンの関係を築いていくことが公と民の連携を広く、深く、継続的にするための重要なポイントであり、そのような事例が多くの自治体で誕生しています。  大阪府では、行政経営課の中に公民戦略連携デスクをつくっています。民間企業との橋渡し役をワンストップで担う専門の部署で、民間企業の提案などを受けて、それを適切に庁内の各担当セクションにつなぐコンシェルジュ機能と、逆に庁内からの提案を民間企業や団体などと調整するコーディネート機能を兼ね備えたデスクとしています。ここでは様々なアイデアが形になっています。これを見ると、企業側も自社PRとして、またイメージ戦略やブランド戦略としても行政とのタイアップをした社会貢献に積極的である姿勢が伺えます。また、そこから生まれた事業は、行政単独ではなし得なかった事例であり、かつそこには楽しさやなるほどといった事例が数多く見られます。コンビニを高齢者雇用の場に活かした事例や防災訓練での商品の寄贈、おもしろいものでは記者会見する際のバックボードの提供といった事例もございます。平成28年度の公民連携による取り組み効果を仮に府が直接実施した場合に必要となる金額として積み上げると1億7000万円の効果につながったとしています。また、金額ではあらわせない効果として、子どもや教育、健康づくり、雇用など様々な分野で新たに可能となったサービスも実現できたとしています。そして、今後も府民、企業、行政にとっての「三方よし」を追求した公民連携の輪を広げていきたいとありました。  そこで提案となりますが、財源確保にとどまらず、行政資産の効果的な活用、行政サービスの向上、行政の働き方改革などの様々な視点で民間の力を積極的に活用していくための専門の窓口を設置し、民間の力を活用した行政改革を推進していただきたいと要望しますが、ご見解をお聞かせください。  また、このような窓口をつくって、成果を生み出すために最も重要なのは人材です。例えば本区には多くの部署において「経営計画担当」の係長が配置されております。その現状の役割はどのようなものでしょうか。お答えください。  今後、東京オリンピック・パラリンピックが開催された後の2020年以降、さらには団塊の世代が後期高齢層となる2025年以降、大きな社会変化が予想されます。その変化に対応し、持続可能な行政運営を図るためには、新たな発想で課題解決に当たらなければいけないと考えます。そのためには庁内と企業とのパイプ役として調整を図り、企業とも対等にコミュニケーションがとれ、さらには経営感覚を持ってお互いにウィン・ウィンの関係を築くことができる人材を今から育成すべきと考えます。そのような戦略を企てる人材は、一朝一夕につくれるものではありません。  そこで提案になりますが、先ほどの経営計画担当のポジションにしっかりと適切な人材を配置し、長期的に育成し、企画経営部などとも連携をとりながら庁内の意識変革の流れを構築していっていただきたいと考えますが、ご見解はいかがでしょうか。  ぜひとも将来に向けて、まさに今からその準備を進めていただきたいと要望し、次の質問に移らせていただきます。  第48回衆議院選挙が、去る10月10日公示、10月22日投開票のスケジュールで行われました。今回の選挙にはいくつかの特徴がありました。一つには、1票の格差を是正する目的で定数が削減されたこと、そして選挙区の区割りが変更された点です。また、選挙期間中の天候は、そのほとんどで雨が降り、当日は台風21号の影響もあるなど、悪天候の中での選挙でした。結果、投票率は戦後2番目に低い数値となりました。全国の投票率は53.68%、東京全体では53.64%であった中、本区では3区において57.21%、4区では50.74%となりました。全体の投票率が天候の影響も起因して低かった一方、投票日当日の天候が荒れるとの報道の影響もあり、期日前投票の投票率は大きく上昇しました。区内でも投票された方の約4割が期日前投票を利用したことになり、その数は前回と比較しても約1.6倍の伸び率となりました。このことからも、期日前投票が制度としてしっかりと根づいたことを証明した選挙であったとも言えます。より期日前投票が利用しやすい仕組みとなるよう、今後さらに工夫していくことが求められると考えます。  全国的には大型商業施設や駅前に期日前投票所を設置した事例も増えてきております。中でも、大阪府箕面市の取り組みが話題となりました。主要駅である箕面駅から徒歩1分の場所にある民間施設に期日前投票所を設置。そこでの投票時間を朝、夜ともに2時間ずつ延長し、朝の6時半から夜10時まで投票可能としました。朝一番乗りで18歳の女子高生が投票する姿はとても新鮮な気持ちにさせてくれました。なぜこのような投票時間の延長を行ったのか。それは、箕面市が大阪のベッドタウンであり、通勤に1時間弱要する方が多いため、単純に駅前に投票所を設置するだけでは利用しやすい環境とは言えず、通勤・通学者の利便性向上により配慮すべきと判断したためとのことでありました。また、箕面市では、昨年の参議院選挙の際、市内の大学で行われた夏祭りにあわせ、キャンパス内に1日限定の期日前投票所を開設した実績もあるそうです。こうした形で柔軟に市民のニーズに寄り添った対応をされていることに大変感銘を受けました。今回の大阪府全体の期日前投票の伸び率は、本区と同様の前回比1.6倍であった中、箕面市は2.2倍の伸び率であったそうです。  一方、本区の今回の期日前投票所の運営に目を向けてみますと、いくつかの課題も浮き彫りになったと思われます。本庁舎での期日前投票に行かれた方が、期日前投票最終日、約1時間近くの列をなして待たされたとのお声を伺いました。また、鵜の木地域においては、これまでは地域の全ての方が鵜の木出張所にて投票ができておりましたが、今回は、区割りの変更によって、鵜の木出張所は4区のみの期日前投票所となり、鵜の木二丁目、三丁目の方などは鵜の木出張所での投票はできなくなってしまいました。実際に誤って投票に来られた方は約150名程度いらしたとのことであります。また、数字にはあらわれていませんが、出張所でできなくなったことで投票に行くことを諦めた方もいらしたと思います。さらに、次回以降の選挙では再び鵜の木出張所が期日前投票所になるというのでは本当に紛らわしく、この点は大きな課題であると感じます。  そこでお伺いいたします。区としても急な選挙に対し様々な検討を重ねた上で臨まれたことと思いますが、今回の期日前投票所の様々な運営について、現段階でどのように総括されていますでしょうか。お答え願います。  過去に本区の選挙管理委員会に対し、期日前投票所の増設について伺った際、全体で19カ所あり、他区と比較しても多いほうであることや、仮に駅前やスーパーなどの場所で期日前投票所を新たに開設することは、独自の専用回線の設置に多額の経費がかかってしまうため、困難であるとの説明を受けました。  しかし、先ほど申し上げた箕面市に伺ったところ、大学内で設置した1日限定の期日前投票所については、経費総額で見ても約90万円、そのうち専用回線の設置については約56万円であったとの説明を受けました。また、国政選挙であったため、国費での負担となり、市の持ち出しはなかったそうであります。とすれば、本区においても、より期日前投票所を利用しやすくするための環境整備について、様々な工夫を行える可能性もあるのではないでしょうか。  そこでお伺いいたします。期日前投票所の設置について、今後、様々な手法の検討を重ね、よりよい投票環境の整備に努めていただきたいと提案しますが、ご見解はいかがでしょうか。  ぜひとも今回あった課題を今後の改善に確実に結びつけていただくよう強く要望いたします。  そのほかにも様々なご意見を頂戴しております。投票用紙の色がわかりにくい、また、比例票と最高裁裁判官の国民審査の票とが一緒に渡されたため、大変わかりにくいとのお声もいただきました。開票作業に私自身立ち会わせていただきましたが、現に比例票で無効票となったものの多くに、裁判官の国民審査の用紙にあった名前が記載されておりました。  また、高齢者の皆様からも、郵便による不在者投票を行いたいが、それが可能となる条件として、要介護5が必要となっております。しかし、それ以外の方でも投票所に足を運ぶことが大変困難な方がいらっしゃり、条件を緩和できないかとのお声も多くいただいております。これらの点については国や都の方針で定められているところであると思いますが、本区としてしっかりとそのお声を関係先へ届けていただきたいと要望しますが、いかがでしょうか。その点についてはよろしくお願い申し上げます。  最後に、現在進められている田園調布せせらぎ公園の施設整備について質問させていただきます。  平成32年度の開設に向けて、まずは文化施設の整備計画が順調に進められております。地域にとっては悲願の施設であり、毎回の説明会の参加者も大変多く、その期待度と関心度の高さが伺えます。また、文化施設とあわせて、平成34年度には運動施設の開設も目指す方針で整備計画を進める予定であり、この場所が文化とスポーツの一大拠点として生まれ変わり、地域の価値をより高め、地域交流の中心の場となっていくことを大いに期待するものであります。  しかし、もう一つ忘れてはならない視点として、この地域にとって地域防災の重要な拠点として意味を持つ場所であるということをここで強く申し上げたいと思います。説明会で配付された資料では、地域防災の拠点をコンセプトにはしているものの、その内容は「その他施設」と表現され、補完避難場所として備蓄倉庫等が置かれる予定との説明がありました。  田園調布地域はそもそも公共施設の数が少なく、東横線の線路で東西に分断され、施設の多くは東に集中をしております。西側エリアに至ってはほとんど公共的な施設がない状況であります。よって、このような大規模な公共施設の整備計画の際には、いかにそこに防災機能を設けることができるかという点に、地域住民の方の大きな関心が寄せられるわけです。また、いざ地震災害が起きると、この地は神奈川・川崎方面へのアクセス地点であり、中原街道をつなぐ丸子橋や東横線の多摩川橋梁もかかっており、車にとっても電車にとっても重要な地点であります。大きな地震で仮に橋が通行不能になってしまえば大量の帰宅困難者であふれかえってしまう可能性も想定されます。  この場所が防災上重要な拠点になり得るという点では、ほかにも理由があります。今回の計画においては、公園に隣接する富士見会館に区の出張所が移転される計画であり、さらには田園調布中央病院が近接地に移転される計画もあるなど、様々な連携に適していると言えます。このようなロケーションであるからこそ、ここを地域防災の拠点に活用しない手はないわけであります。本区にはそうした視点をしっかりと踏まえた上で、本計画の策定に当たっていただきたいと考えます。  特にこれから計画を具体化していく運動施設の整備については、その建物の配置、防災の拠点化に必要なスペースの確保、広場の設け方などが重要となります。また、非常用電源の確保といった点も大切となります。あわせて、公園全体の敷地は東横線が縦断していることや高低差が大きくあるため、公園にアプローチするための経路は限られております。災害時にトラックなどの大型車両がしっかりとアプローチできる経路を確保するためには、事前に想定しておかなければ全く意味をなさなくなってしまいます。  そこでお伺いをいたします。せせらぎ公園の整備計画については、「その他施設」といった扱いで防災機能を捉えるのではなく、しっかりと地域防災の拠点にふさわしい施設として整備する方針を位置づけ、機能整備を行っていただきたいと要望しますが、本区の見解をお聞かせください。  以上で質問を終わります。大変にありがとうございました。(拍手) ○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、ただいまの5問の質問にお答えをさせていただきます。  まず初めに、財源確保についての取り組みについてのご質問でございますが、広告収入事業につきましては、広告つき窓口封筒などのほか、大田区ホームページのバナー広告や防災情報、行政情報を発信するデジタルサイネージに広告を放映するなどの取り組みを進めてございます。一例を挙げますと、ホームページのバナー広告とくらしのガイドの広告収入として、昨年度は約400万円の歳入を確保いたしました。また、本庁舎1階には広告つき案内図、広告つき庁舎案内板を設置するとともに、本年4月からは自動証明写真機を設置し、来庁者の利便性を確保しつつ、歳入にも寄与する取り組みを行ってございます。自動証明写真機につきましては、4月から9月までに約25万円の歳入がございました。今後も引き続き様々な角度から検討を進め、財源確保に努めてまいります。  続きまして、企業との連携に関するご質問でございますが、区は、これまで区内産業団体との情報交換などを通じ、まちづくりにおいて民間企業との連携を図ってまいりました。また、帰宅困難者対策や物資の備蓄などの災害時対策、大規模民間開発における公益施設の設置などにおきましても、企業との協力体制を構築してございます。企業との連携の進め方の一例といたしましては、利便性向上や行政課題への解決を図っていく視点から、部局間連携の中で各部局が具体的な内容について企業と協議していく方法が挙げられます。企業とのコミュニケーションにつきましては、さらなる連携強化に向けて、一層密にしていくことが重要であると考えてございます。昨今、全国各地で地方創生の取り組みが深化する中で、経営的視点を取り入れた戦略的取り組みが多くの自治体で進められています。区といたしましても、今後、区民満足度の向上や区内経済の活性化などを図っていく上で民間企業のノウハウや資源を区政の幅広い分野で活用できるよう、公民連携をさらに推進していく必要があるものと考えてございます。  続きまして、民間の力を積極的に活用するための専門窓口に関するご質問でございますが、区民ニーズが多様化する中、限られた行政資源を活用し、さらなる区民サービスの向上を図っていくため、区民や民間企業などと連携・協働し、地域力、そして民間力を活かした区政運営を行うことが重要であると考えてございます。議員お話しの専門窓口の設置につきましては、民間企業等と区をつなぎ、両者の連携を促進する有効な手段と考えてございます。他自治体などの先進事例を含めた研究を行い、民間の力の積極的な活用につなげてまいります。  続きまして、経営計画担当係長の役割に関するご質問でございますが、まず、役割といたしましては、部の政策立案、事業執行方針、事業計画及び事業の進行管理に関すること、部の事務事業の改善、他部局との連絡調整などを担当してございます。現在、経営計画担当係長は、企画経営部の企画課や財政課の係長と各部の調査研究機能の向上と部局間連携の強化を図ることを目的に、定期的に連携会議を開催してございます。こうした企画経営部と各部の経営計画担当係長との緊密な連携を通じ、効果的・効率的な行政運営を推進してまいりたいと考えてございます。  最後に、せせらぎ公園の整備計画についてのご質問でございますが、(仮称)田園調布せせらぎ公園文化施設の整備計画では、そのコンセプトの一つとして「地域防災の拠点」を掲げてございます。また、現在、田園調布富士見会館は補完避難所となってございます。これらのことから、検討を進めております新たな施設につきましては、災害時に補完避難所として避難住民や帰宅困難者の安全を確保し、物資の備蓄・供給が可能な体制の構築を計画しているところでございます。今後、運動施設の設計や公園全体の整備を進め、地域防災拠点として必要となる物資、資機材等の搬入動線の確保につきましても、各部局と連携をいたしまして、施設整備に取り組んでまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。 ◎玉川 総務部長 私からは、経営計画担当のポジションを活用した人材育成に関する質問にお答えいたします。  経営計画担当には、高度な職務知識、職務遂行能力が備わった職員を、その適性や職務経験を踏まえ、各部に配置してございます。これらの職員は、部の政策立案、事業の進行管理、調査研究や他部との調整役を担ってございます。さらに、経営計画担当係長は、定期的な相互連携会議を通して必要な情報を全庁的に共有する作業を行っており、効果的・効率的な行政運営を支えております。このような役割を担う経営計画担当は、各種の関係機関との連携や戦略を構築するための土台となる重要なポジションでございます。このポジションに必要な能力、適性を持った職員を配置し、さらなる経営感覚を身につけさせることにより、庁内全体の意識改革につなげることができるものと考えております。区政を取り巻く状況の変化や増大する行政需要に的確に対応するため、職員の能力開発、そして育成をさらに強化してまいります。以上でございます。 ◎佐藤 選挙管理委員会事務局長 私からは、選挙に関する質問についてお答えをいたします。  まず、期日前投票についての総括でございますが、今回の選挙における大田区の期日前投票は、全体の投票者の約4割を占めるに至りました。投票日当日に台風による荒天が予報されていたためもあり、特に本庁舎においては期日前投票の最終日に長時間お待たせをしてしまいました。また、各地方において、それぞれの地域特性に合わせた投票の工夫を行っている例があることは、選挙管理委員会としても把握しているところでございます。大田区におきましても、安定した実効性ある期日前投票所の運営について検討を進めてまいります。小選挙区の区割り変更に伴う期日前投票所の変更につきましては、突然の解散による限られた準備期間の中での対応を強いられたところでございます。正確な数は把握できませんでしたが、雨の中、特に鵜の木特別出張所において多くの方々にご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思っております。これは、衆議院小選挙区のみで発生する問題点であり、ほかの選挙では取り扱いが異なるため、わかりにくい状態となっていると捉えております。今後、より円滑な投票に向けた対応策について検討していきたいと存じます。  次に、期日前投票所について、よりよい環境整備をとのことでございます。大田区における期日前投票所につきましては、その箇所数は、他の自治体と比較いたしましても遜色がないと考えておりますけれども、今回あった様々な課題を重く受け止め、今後とも投票環境のさらなる改善を目指してまいりたいと存じます。利便性の向上につきましては、投票の安全性を確保しつつ、ほかの自治体の実例や考え方なども踏まえて検討を進めてまいります。  最後に、国や都への要望をするようにとのことでございます。お話しのとおり、投票用紙の色及び投票の順序につきましては、国や都の執行計画に規定されているところです。投票環境の向上につきましては、国や都でそれぞれ検討会が設けられており、大田区が参加する検討会もございます。本件ご指摘につきましては、大田区にとどまらず、全体の問題として捉え、しっかりと声を届けてまいります。また、郵便投票の要件につきましては、法律で定められている事項であります。緩和の動きも伝えられているところから、国の動向を注視してまいります。以上です。 ○岡元 副議長 次に、26番椿 真一議員。                  〔26番椿 真一議員登壇〕(拍手) ◆26番(椿真一 議員) 大田区議会公明党の椿 真一です。通告に従い順次質問を行います。理事者におかれましては、明確な答弁をお願いいたします。
     高齢者を狙ったオレオレ詐欺などの特殊詐欺や送りつけ商法などの悪徳商法の被害は依然深刻な状況にあり、官民挙げての地域での見守りや啓発活動は、今後加速化する高齢社会にあってはますます重要と考えます。  このうち、オレオレ詐欺などの特殊詐欺について、警察庁より平成28年の被害状況が発表されました。これによりますと、特殊詐欺の被害金額は約406億3000万円で、前年比で見ますとマイナス15.7%、総額こそ減少しておりますが、犯罪件数は1万4151件と前年比ではプラス2.4%となり、全体的に増加している状況です。さらに、その手口別の被害状況を見ますと、件数、金額とも全体の約4割を占めているのが、依然として子や孫を名乗るオレオレ詐欺ですが、こちらは少しずつ減少傾向にあります。  その一方で、公的機関を装い、医療費などの過払い還付金があり、お金を受け取るために振り込ませる「還付金詐欺」が大幅に増え、その件数は3682件、前年比でプラス55%、被害金額は42億6000万円で、前年比プラス67.4%となっております。オレオレ詐欺は、単にお金を振り込ませるのに対し、還付金詐欺は、被害者がお金を受け取れると最初に告げられるため、言われたほうは思わず警戒心を解き、同時に思わぬ臨時収入が得られる喜びから相手の説明を素直に受け入れ、被害に遭うのが大きな特徴です。  本区において、昨年の特殊詐欺被害は105件、被害金額は2億6000万円と伺っております。また、その被害者の年齢別構成を見てみますと、70歳以上が全体の約90%を占め、ますます高齢者対策が重要であり、本区もその対策に取り組んできました。特に自動通話録音機の啓蒙については、他の自治体と比べても積極的に導入し、その効果など大きく期待しているところであります。  質問します。本区における本年の特殊詐欺被害状況についてと、その防止への取り組み、また、自動通話録音機の進捗状況についてお答えください。  次に、高齢者や障がい者への送りつけ商法などの悪徳商法について伺います。  注文した覚えのない健康食品などが一方的に送りつけられ、請求される「送りつけ商法」、金融庁のお墨付きと思わせ、未公開株などを買わせる「利殖商法」、無料で屋根や床下を点検しますと入り込み、うその現場写真を見せ、高額な修理費用を取られる「点検商法」、法律で義務づけされたと語り、高額な装置を買わせる「語り商法」、貴金属などを二束三文で強引に買い取っていく「買い取り商法」など、悪徳業者のやり口は、年々多岐にわたり巧妙化しています。  先日、本区在住の90歳になられる壮年の方より、北海道の原野を1000万円で買わされた話を伺いました。その方は奥さんもお子さんも亡くされ、どういうわけか悪徳業者から目をつけられ、打ちひしがれた心のすき間に言葉巧みに入り込んできたそうです。最終的に北海道の土地を買うという話に乗ってしまい、契約。銀行からお金をおろすときにはその悪徳業者も同伴で銀行へ行ったそうです。そこで不審に思った銀行員もとめに入ったそうですが、結局はその業者を信じ込み、お金を渡してしまいました。後日、おかしいと思われたその方は最寄りの警察署に相談され、そこから地域庁舎へ、そして地域包括へとつないでいただき、現在、取られた1000万円の一部でも取り戻すことができないものか法的に話を進めておられますが、厳しい状況だそうです。その方に残ったのは少しの蓄えと、評価価値のない北海道の原野です。爪に火をともすように一生懸命働いてためた財産をこのような形で奪われるのは残念でならない、涙を浮かべながらそうおっしゃっていました。独居老人は狙われやすい、それは間違いありません。判断力や認知だけでなく、心のすき間に入り込まれやすいということが挙げられます。  ここで、機器を取りつけることにより大きく改善された別の事例について紹介させていただきます。先日、本区在住の85歳になられる認知症のお母さんと2人暮らしの娘さんより、悪徳業者からの被害についてお話を伺いました。娘さんは一般的なOL。夜遅く帰宅するケースもあり、家族と同居といっても、お母さんはほとんど日中独居の状態です。後日わかったことですが、年金が振り込まれた直後を狙い、訪問し、必要のない羽毛布団や健康食品など、1社だけでなく、何社からも狙われていたそうです。ある日、お母さんの部屋に未開封の浄水器が二つもあったことに気づき、不審に思った娘さんがお母さんに聞いたところ、「とても親切な方と知り合いになった、すごくいい人よ。あなたも紹介するわ」とのことでした。立て続けに被害に遭ったことを受け、娘さんとその兄弟で話し合った結果、屋内用の見守りカメラを玄関とリビングに設置、兄弟4人のスマートフォンにその画像が常時転送され、見守ることとされたそうです。まだ設置して半年ばかりですが、その後の訪問被害はないとのことでした。娘さんいわく、「お母さんのプライバシーを考えると設置すべきか迷いましたが、もっと早くカメラを設置すればよかった。こんな民間のサービスに対しても補助制度があったらもっと被害防止につながると思います」としみじみおっしゃられました。  そこで、屋内カメラを備えた見守りについて、23区内で補助などがないものか調べたところ、葛飾区の高齢福祉課が高齢者見守りサービス助成という制度を設け、本年4月より高齢者支援課において初期設置費用の助成を行っているとのことで調査してまいりました。この高齢者見守りサービスとは、機器を自宅に設置することで、その家族がパソコンやスマートフォンなどを使って高齢者の日常生活を見守ることができるサービスで、現在、民間企業で販売されている様々な見守りサービスに着目し、その家族が高齢者の見守りに積極的にかかわっていくきっかけとして推進しているそうです。区は初期費用の10分の9を助成し、上限は1万3500円とのことでした。そこで、先ほどの85歳の事例を挙げ、助成の対象になるかを確認したところ、「目的が高齢者の見守りであれば助成します」との返事でした。ただし、「高齢者見守り型緊急通報システムとの併用はできない」とのことです。本区にも孤独死などを未然に防ぐ意味においての高齢者緊急通報システムを積極的に取り組んでいただいており、その意味においては安心しております。家族による小まめな見守りは、何かあったときにも相談しやすい環境となり、何よりも心の支えになると考えます。  質問いたします。民間企業の見守りサービスは日進月歩で開発が進んでいます。そして、その見守り方も様々です。本区の進めている高齢者緊急通報システムも効果があると思いますが、助成の対象を広く民間企業の見守りサービスまで広げることにより、お一人おひとりに合った見守りサービスが可能となり、家族や親族の積極的なかかわりも推進することにつながると考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、重要となってくるのが、地域においての見守りネットワークの構築です。消費者庁の発表によれば、昨年の消費生活相談の件数は88万7000件で、平成27年よりも若干下回ったものの、依然として高水準が続いています。さらに、相談件数を平成19年と比較いたしますと、20歳代と30歳代は減少しているのに対し、65歳以上は平成19年の15万1927件から24万4276件と約10万件弱も増えていることがうかがえます。これは、早目の相談を促す自治体からの啓発活動や高齢者に対する見守りの強化も増加の要因となっていますが、全体的には高齢者を狙った詐欺的手口の増加が大きな要因となっています。  本区においては、特殊詐欺や悪徳業者から高齢者や障がい者を守るため、積極的に地域においての見守り体制の構築に取り組んでいただいており、消費者生活センターにおいては見守りの輪、高齢者に対しては高齢者見守り・支え合いネットワークなど、区内警察との情報交換や高齢者対象の出前講座、巡回啓発など、それぞれの立場で積極的に取り組んでいただいており、高く評価するところであります。  そこで質問します。現在、防災危機管理課、地域力推進課、高齢福祉課がそれぞれ部分的に連携しながら取り組んでいただいている見守り活動ですが、それを強化する意味において横断的な一つの事業として立ち上げ、取り組んでいただいたほうが効果的で、取り組みやすいのではないかと考えます。区の考えをお聞かせください。  特殊詐欺や悪徳業者はそれなりの顧客名簿に基づきターゲットを絞り込み、犯罪行為や詐欺行為を行っており、その顧客名簿のことを業界ではカモリストと呼んでいます。この押収された顧客名簿は一般的な名簿などと違い、だまされやすい人が掲載されているという特徴があり、1人当たり15円から35円で売買されているともお聞きします。中には、過去の被害者名簿をもとに「取られたお金を取り戻してあげましょう」といって、さらにお金を取られる2重のカモリストも出回っていると聞きます。警察庁は、平成24年から消費者被害事件で押収した顧客名簿を警察内部に限定した情報として各都道府県警に配付し、注意喚起や被害防止に役立ててきました。また、消費者庁も悪徳業者を行政処分した際に、大量の顧客名簿を回収しております。本来ならば、この大量の押収した顧客名簿を次の被害防止に活用しなければいけないと思いますが、個人情報関連法により、警察庁や消費者庁は、自治体に対して押収した顧客名簿を提供することはできず、自治体はどの方が悪徳業者から狙われているかわからない状況が続いていました。  ところが、平成28年4月より施行された改正消費者安全法において、国は押収した顧客名簿を自治体へ提供できるようになりました。本区も見守りなど積極的に取り組んでいただいておりますが、その中でも、この方とこの方は注意深く見守りましょうという特に配慮を要する方々の名簿があれば、見守る上でその対象を適切に選定し、効果的な見守りができるのではないかと考えます。  そこで問題になるのが消費者安全確保地域協議会であります。消費者庁によれば、高齢者、障がい者、認知症などにより判断力が不十分となった人などの消費者被害を防ぐため、地方公共団体及び地域の関係者が連携した消費者安全確保地域協議会を構築とあり、押収した顧客名簿は、その協議会の要請により、協議会へ提供されることとなっています。そして、その協議会の役割は「構成員間の情報交換と協議」、また、その構成員の役割は「特に配慮を要する消費者と適当な接触を保ち、その状況を見守ることと、その他必要な取り組みを実施」と明記されております。さらに、その構成員ですが、消費者生活センター、病院、地域包括支援センター、介護サービス事業者、保健所、民生委員児童委員、警察、教育機関、金融機関等の事業者関係、そして町内会などとのことです。  消費者安全確保地域協議会は、この1年間で既に全国31の自治体で立ち上がっております。しかし、その状況は地域の消費者被害を共有する程度にとどまり、消費者庁に対して押収された顧客名簿を要請し、積極的に活用しているところは滋賀県の野洲市のみとのことで、野洲市の取り組みについて若干紹介させていただきます。  野洲市は人口約5万人の自然豊かなまちです。市民部消費生活センターが事務局となり、官民一体で構成された野洲市消費者安全確保地域協議会を立ち上げ、消費者庁に対して押収した顧客名簿の提供を要請、消費者庁から504件の情報提供を受けたそうです。そこで、死亡や転出などを精査した結果、430件の名簿ができ、協議会において、さらにその中から70名に絞り込みを行い、見守り対象のリストをつくり、希望した民生委員に対し、その学区に限定した名簿が提供され、見守り活動が行われております。なぜ民生委員さんかと伺ったところ、民生委員の方は、地域の実情に通じ、地域福祉に関する知識とネットワークをお持ちで、ふだんから顔の見える関係の民生委員に見守りをしていただくことで、見守られる側も信用されるとのことでした。そこで、見守るとはどういった行動なのかを具体的に確認したところ、郵便受けに郵便物がたまっていないか、外壁や床下の工事関係者が頻繁に出入りしていないか、訪問するたびに布団や健康器具が増えていないか、訪問したときに不動産関係のチラシや名刺などが置いていないかなど、何か特別なことを行うのではなく、日常生活の異変に気を配っているそうです。  もちろん、人口5万人の野洲市と72万人の本区とでは近隣との人間関係などモデルケースとして全てを参考とはできないと考えます。また、個人情報の管理や本区の民生委員さんに対してさらにこういった仕事を増やすことが果たして正解なのか、誰が押収した顧客名簿を管理するかなど、重要な協議は必要と思いますが、犯罪者や詐欺師が持っている顧客名簿を入手し、その方々に対してのアンテナを磨き、より見守っていく情報となるのは間違いないことです。また、先ほど紹介した野洲市に対し、全国の自治体からも視察の要請が行われているそうで、押収した顧客名簿に対する関心の高さが伺え、既に本年度は予約で埋まっているそうです。  そこで質問します。新しい取り組みとして今回の顧客名簿に対してのメリットとデメリットなど調査研究し、本区において顧客名簿の運用を行うには何が必要なのか、また何が問題なのか、都会に適した大田モデルなど検討の価値はあると考えます。押収した顧客名簿の活用について本区の考えをお聞かせください。  また、地域包括センターで勤務されている方々に対し、押収された顧客名簿に関しての感想を伺ったところ、「高齢者を守る最前線として役に立つと感じる」と前向きの感想もいただきました。本区の見解をお聞かせください。  本区内において、昨年の特殊詐欺だけで被害額は2億6000万円、それに悪徳商法の被害まで合わせると5億円とも10億円とも言われています。冒頭に申しました90歳の被害者の壮年など、高齢者の方々は今からが人生の総仕上げという大切な時期です。高齢者が詐欺に遭わないような、住み慣れたまちでさらに安心して住み続けられる本区になることを願い、次の質問に移ります。  家計相談支援事業について質問します。  貧困の連鎖を断ち切るため、平成27年4月より施行された生活困窮者自立支援法により、本区においても積極的な支援が開始され、就学援助等の世帯の中学生に対する学習支援や保護者に対する就労支援、就労するための資格習得支援、就労準備支援など多角的に支援していただいており、今後もその取り組みに期待するところです。生活困窮者の多くは相談する相手が少なく、孤立し、貧困から抜け出すために必要な情報を得られる手だてがわからず、ますます貧困状態に陥っていくケースが大半を占めています。  忘れてはならない事件の一つに、2014年9月、千葉県銚子市の県営住宅で母親が中学2年生の娘を殺害した事件があります。母親は身近に相談できる友人、知人がおらず、相談に行った銚子市役所の窓口で恐る恐る生活保護について伺ったところ、窓口の対応は、生活保護を管轄する社会福祉課の紹介にとどまり、生活保護制度について十分な説明を受けなかったとのことです。「本当は私が死ぬはずだったのに、こうなってしまう前に誰かに相談すればよかった」という母親の言葉が無念でなりません。  本区においては、生活再建・就労サポートセンターJOBOTAにおいて家計の見直しなどを行うのを目的に、家計相談支援事業が行われておりますが、相談者の多くは貧困や障害など複合的に問題が絡み合っているのが現状とお聞きしました。多くの相談者が家計にかかわる問題を抱えることを踏まえれば、みずからの家計の問題に気づき、みずから家計を管理しようという意欲、エンパワメントを引き出す家計相談支援はますます重要と考えます。  そこで、家計相談支援事業に積極的に取り組んでいる自治体の中に神戸市の事例がありましたので、ここでその取り組みについて紹介させていただきます。神戸市では、九つの区役所と二つの出張所の合計11カ所において家計相談支援の窓口を設け、そのうち九つの区役所には、同じフロアにハローワークの方が常駐しているそうです。家計相談を受け、問題点を分析、様々な支援へとつないでいき、一番多い就労支援が必要であれば、そのままハローワークに同行し、就労につなげているとのことです。「目の前にハローワークがあるので、以前より効率よく就労に結びつけられるようになりました」と支援員の方が申されていました。このように、家計相談支援事業とハローワークを一体的に考える動きが全国的に広がっております。  現在、本区においてのハローワークの配置は、大森駅東口のハローワーク大森と蒲田駅東口の蒲田ワークプラザの2か所があります。ここで注目したいのはハローワークの出張サービスですが、調布地域への就労支援として毎月第2・第3水曜日に、糀谷・羽田地域への就労支援として毎月第2・第3火曜日に相談会を出張で行っていることであります。身近な場所で相談できる環境は、相談者にとって何より安心でき、相談するきっかけの第一歩となり、重要です。ハローワークは国の事業に対し、JOBOTAは区の事業とそれぞれ違いはあるものの、どちらもその目的は貧困の連鎖を断つための積極的な支援であります。JOBOTAへの相談は就労支援の相談が一番多いと聞いていますし、「調布や羽田など、大森以外にもJOBOTAがあればいいのに」という声は多くの方からお聞きします。  質問します。身近な家計相談支援の窓口や相談を受けてハローワークにつなぐタイミングなど重要です。ハローワークが毎月行っている出張相談会にJOBOTAも控え、一緒に取り組んではいかがでしょうか。効率的にその場から寄り添うことができ、必要であればそのほかの支援へとつないでいけます。また、出張相談の日程が決まっていれば、相談する側も予定を組みやすいと考えます。JOBOTAの出張相談会に対する本区の見解をお聞かせください。  現在、母子家庭の半数以上が貧困状態にあるなど格差社会は避けては通れない環境の中で、弱い立場の人たちの声をいかに拾っていくかが重要です。地域においても相談しやすい環境が広がっていくことに期待し、質問を終了します。ありがとうございました。(拍手) ○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎井上 危機管理室長 私からは、特殊詐欺被害に関するご質問にお答えいたします。  まず、被害状況ですが、都内において被害状況がなかなか減らない状況が続いております。9月末の時点ですが、23区のうち20区において既に昨年1年間の件数を超えている状況です。しかしながら、大田区におきましては、9月末時点で被害件数は82件、被害金額が約1億6000万円、昨年の1年間の被害件数は105件、被害金額が約2億6000万円と被害件数、金額とも昨年を下回っている状況でございます。  次に、被害防止への取り組みについてですが、防災危機管理課では、各地区の地域力推進地区委員会に出席させていただき、被害防止の啓発をしたほか、地域包括支援センターや民生委員への協力依頼、シルバーパス更新時における注意喚起など、様々な機会を捉えて被害防止の啓発を行っております。  最後に、自動通話録音機の貸し出しへの取り組みの状況ですが、本庁舎、警察署の受付に加え、区内の防犯イベントにおいて出張受付ブースを設け、その場で貸し出しをするなど、積極的な取り組みを進めております。その結果、11月末の時点で調達した3000台のうち、約2000台の貸し出しにつなげております。引き続き、特殊詐欺被害根絶を目指し、被害防止への注意喚起、自動通話録音機の普及に取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎鴨志田 地域力推進部長 私からは、2問のご質問にお答えをいたします。  まず、防災危機管理課、地域力推進課、高齢福祉課の3課で横断的に一つの事業を立ち上げ、取り組んではとのご質問でございます。3課では、平成27年度から「消費者被害防止連携会議」を設置しまして、特に高齢者を対象とした消費者被害の未然防止、拡大防止のため、情報の共有化と連携事業に取り組んでおります。連携事業につきましては、消費者問題を考える展示、発表の場でございます大田区生活展におきまして3課連携のブースを設置し、詐欺被害防止の啓発活動を行うとともに、消費者講座におきまして、防災危機管理課によります被害防止のPR活動を行っております。また、地域包括支援センター連絡会及び介護事業者連絡会でのパンフレットの配布や民生委員によりますひとり暮らし高齢者の未登録調査の機会を通じまして、悪質商法の被害防止チラシの配布を継続的に実施しております。議員お話しの新規事業につきましては、次期「おおた高齢者施策推進プラン」に「消費者被害防止の推進」を掲げ、高齢者の消費者被害の防止、拡大防止のため、高齢者見守りネットワークの一環としまして関係機関との連携を図り、地域での見守り体制の整備を支援していくことを考えております。今後もこうした3課の連携と協力体制に工夫を重ねることで、高齢者の被害防止及び見守り活動の取り組みを強化してまいります。  次に、改正消費者安全法により自治体が入手可能となりました国が押収した顧客名簿についてのご質問でございます。消費者安全法第11条の2の規定によりまして、国、地方公共団体及び国民生活センターは、他の地方公共団体からの求めに応じて、消費者安全の確保のために必要な限度において消費生活上特に配慮を要する購入者等の情報を提供できることになりました。こうした情報の提供につきまして、消費者庁はガイドラインを定め、事務処理の指針を示しております。この指針によれば、法は、国等に住民に関する購入者等の情報提供を義務づけるものではなく、情報を提供するかどうか、情報を提供する場合に条件を付すか等の事項については、国等がそれぞれの事案に応じて判断することになるとしております。また、情報の提供に当たりまして、本人の同意を得る必要は必ずしも高くないが、それぞれの判断により、本人の同意を得ることを妨げるものではないとしております。取り扱う情報には機密性が高い個人情報が含まれるため、個人情報保護の観点から情報提供を求める地方公共団体には情報の適正管理の徹底が求められます。現在、情報提供を求めている地方公共団体は全国的にも限られており、区としましては、情報の安全管理や適切な見守り体制の構築等におきまして、今後、調査研究すべき課題もあると認識をしております。このため、現時点におきましては、他の地方公共団体の取り組みの動向を注視してまいりたいと考えております。私からは以上です。 ◎中原 福祉部長 私からは、2点の質問にお答えいたします。  まず、民間の見守りサービスを活用した家族や親族のかかわり方についてのご質問でございます。区は、高齢者の見守りにおいて、生命と安全を守ることが最重要課題であると考えております。現在、自助の取り組みとして、非課税の高齢者世帯には無料で緊急通報システムの設置を行っております。また、大田区社会福祉協議会において、区内の65歳以上の全ての高齢者を対象とした緊急通報サービスの紹介事業を実施しております。さらに、高齢者の消費者被害や特殊詐欺等の未然・拡大防止については、家族や親族はもちろん、警察、民生委員、地域の企業や商店街、ご近所の方などからなる見守り支え合いネットワークを活用するなどの対策を講じ、被害を防止する地域づくりを推進しております。加えて、区は、民間事業者が提供する見守りサービスについても情報を収集し、高齢者の総合相談窓口である地域包括支援センターにおいて、一人ひとりの高齢者の状況に応じ、必要な支援につなげていくことができるよう努めております。今後とも、地域ぐるみのネットワークにより高齢者を見守り、支え合う地域づくりに取り組んでまいります。  続きまして、地域包括支援センター職員における高齢者を狙った消費者被害等防止の取り組みについてのご質問です。地域包括支援センターは、介護保険法に基づく高齢者や家族の総合相談窓口です。地域包括支援センターは、その基本的な業務の一つに、消費者被害等の防止を含む「権利擁護業務」が位置づけられており、センター職員は積極的な姿勢で取り組んでおります。これまでも地域包括支援センターにオレオレ詐欺等の相談があり、警察、消費者センター等と連携をとり、自動通話録音機の情報提供や設置などの対応を図っております。また、認知症が疑われる場合など、状況に応じて大田区社会福祉協議会成年後見センターへの相談につないでいます。今後とも、地域包括支援センター職員のこうした取り組みと一体となって高齢者の消費者被害防止に取り組んでまいります。以上でございます。 ◎西山 福祉支援担当部長 私からは、JOBOTAとハローワークをはじめとした関係機関との連携についてのご質問にお答えいたします。  JOBOTAへの相談にお見えになる方は、失業などによる経済的な問題だけでなく、病気や住まいなど複数の課題を抱えている方が多くなっています。JOBOTAでは相談者の話を丁寧に伺い、相談者とともに課題を整理し、課題解決に向けてハローワークなどの関係機関と連携して、包括的な支援により自立を促しているところでございます。家計相談支援事業では、多重債務や家計管理が困難な方に対し、JOBOTAの支援員が寄り添いながら、みずから家計管理ができるよう支援することで生活の再建に効果を上げているところでございます。相談では家計支出などプライバシーに関することを詳細にお伺いする必要があること、また、家計状況の改善を図るためには継続的な支援が欠かせないことなどから、出張相談での対応は課題もございます。議員お話しのとおり、支援を必要とする方々が相談窓口にお越しの機会などタイミングを適切に捉え、相談内容に応じてJOBOTAや関係機関への支援に確実につなげることが重要な視点と考えており、引き続き効果的な支援方法を検討してまいります。私からは以上でございます。 ○岡元 副議長 次に、43番荻野 稔議員。                  〔43番荻野 稔議員登壇〕(拍手) ◆43番(荻野稔 議員) たちあがれ・維新・無印の会の荻野 稔です。一般質問に立たせていただきます。理事者の皆様、明確なご答弁よろしくお願いいたします。  まず、動物愛護について伺います。  飼い主のいない猫について、大田区では、地域猫対策についての啓発活動に加え、猫の去勢不妊手術の一部助成などを行ってきました。地域猫対策とは、飼い主のいない猫問題を、地域の合意のもとに地域に暮らす方々が力を合わせて取り組む地域の環境改善活動であり、具体的には、猫に去勢・不妊手術を行うことにより、望まない猫の繁殖を制限することや、餌やりとふん尿の適切な管理及び周辺の清掃を行うことによって、猫による被害を少なくしていきます。  地域猫対策を進めることは、人と猫との共生社会を実現し、環境美化、公衆衛生の観点からも区民の利益向上に結びついていきます。昨今の動物愛護意識の高まりや社会的な潮流もあり、対策を進めようとする方が増えてきた一方、そうでない方との間で見解の相違によるトラブルが生じているとも聞いています。さらに、地域猫対策といっても、明確な場所、時間、方法などのルールが統一されておらず、個人個人が自身の思い描くように活動されていることや、また、地域猫活動が住民の理解を得られていないことなどから、誤解なども起きていると聞いています。  こうした飼い主のいない猫にかかわる活動は、既に東京23区の別の自治体でも実例があり、地域猫対策に取り組む登録ボランティア制度を採用している練馬区等の自治体や地域猫の対策に地域として取り組みたいとの要望を持った町会や自治会等を行政が支援している品川区等の自治体があります。特に地域ごとの特色、違いの大きい大田区では、問題が発生している地域に対し、区が住民と協力してその解決を図っていく地域ごとの問題解決型の制度が適しているように考えます。地域団体、地域に住む方々によるグループが住民の理解と協力のもとに進めていく活動であれば、個人的な費用などの負担は少なく、さらに地域活動への理解者、協力者を新たに発掘していくメリットもあり、まさに松原区長の掲げる「地域力」を活かした上での人と動物との共生社会の実現のための一つの施策となるでしょう。また、東京都の補助金のような制度もあわせて活用するためにも制度化は必要であります。  大田区もこの間、飼い主のいない猫対策についての啓発、広報や他区の事例研究を行ってきたことは聞き及んでおりますが、今後は飼い主のいない猫にかかわる問題等が発生している地域を支援するために、具体的な地域猫対策の制度化に向けて検討を進めていくべきではないでしょうか。地域における飼い主のいない猫対策の制度化についての区の見解をお示しください。  東京2020オリンピック・パラリンピック大会に向けて各地で準備が進んでいますが、一方で、様々な懸念も指摘されています。  一例を挙げますと、ビッグサイト問題、オリンピック会場問題と言われる問題があります。これは、東京ビッグサイトという首都圏の最大の展示会場が、オリンピック期間とその前後に使用できなくなることから生じる問題であり、都は近隣に仮設会場を建てる計画をしていますが、こちらもオリンピック期間中の使用はできず、東京都開催であるのに、民間における展示、産業、交流における会場を失う、本末転倒となる事態を呼びかねない問題です。試算によれば1兆円規模の経済損失も起こり得ると言われており、「オリンピック倒産か」と中小零細企業から悲鳴も上がっております。ビッグサイトの代替施設については、羽田空港にも隣接した、空の日イベントなどで大田区も使用している、国有地ですけれどもこれは、空港跡地ゾーンに仮設施設をつくることになれば、アクセスもよく、大田区のにぎわい、PRにもつながっていくのではないかと考えます。  首都圏最大の展示場が使えなくなる問題は大田区にも波及するおそれがありますが、それだけではなく、都内施設、区内施設がオリンピック・パラリンピックによって使用できなくなる懸念もあり、大会の競技会場やビッグサイトのメディアセンターのように既に使用が決まっている施設のほか、今後新たに区内施設に対して協力を求められる可能性もあるのではないでしょうか。大田区産業プラザPiOや文化、スポーツなどの多くの区内利用施設を東京2020オリンピック・パラリンピック大会の開催に伴い、都や組織委員会が利用することで区民利用が妨げられることも考えられます。区としてどのように対応をしていくのでしょうか。  これは、施設を持つ都内自治体の共通の懸念であり、東京2020大会において、産業、文化、スポーツ、区民利用施設について、区民や経常的な利用者の利用についてどうしていくのか区は考えなければなりません。また、施設だけではなく、区職員や区内団体、地域、学校などへの何らかの協力、負担をオリンピック・パラリンピックに伴いお願いすることも出てくると考えられます。オリンピック・パラリンピックが大田区にとって与える影響は、区、区民、地域全体にとっても重要な課題であると考えます。見解を伺います。  最後に、多様なまちづくりについて質問します。  健常者にとって判別可能な色の違いが小さく感じられ、判別が難しくなること等から色覚異常と呼ばれる特性があります。特に男性に多く、日本人では20名に1人いると言われています。学校での健康診断の必須項目から色覚検査が削除され、2003年からほとんどの小学校で色覚検査が実施されなくなりましたが、一部の進学や職業選択の機会において現在も色覚による制限があり、色覚検査が義務から外れたことによって、自身の特性を全く知らないまま、突然就職や進学の場でその事実を知ることによって混乱を招き、苦しむといった懸念は残り続けていました。  2013年には日本眼科医会から現状に懸念を示す報告が行われ、色覚検査、色弱の方への配慮、支援の必要性が改めて見直され、大田区では28年度から学校の健康診断で色覚検査に対する検査票の配付が行われるようになりました。学校現場で10年以上にわたって啓発、検査が実施されなかったことは、色弱・色覚異常についての社会的理解を停滞させてしまい、そうした課題があることへのアプローチの機会がこの間失われてしまっていたことを指します。  葛飾区では独自のガイドラインも作成していますが、この空白を社会全体で取り戻すためには、学校だけではなく、様々な機会における普及啓発などにもかかわる区の案内誘導サイン整備ガイドラインにおける記載や、区職員、地域への啓発も重要です。平成29年3月に作成された大田区案内誘導サイン整備指針に基づく「案内誘導サイン整備ガイドライン」の中でカラーユニバーサルデザインについての記載が行われました。どういった視点からカラーユニバーサルデザインの導入となりましたでしょうか。案内誘導サインにおける見解をお示しください。  以上で質問を終わります。ご回答よろしくお願いいたします。(拍手) ○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎町田 スポーツ・文化担当部長 私からは、オリンピック・パラリンピックに関する2問のご質問にお答えをいたします。  まず、大会開催に伴う施設利用に関するご質問ですが、東京都及び大会組織委員会は、大会実施や気運醸成に向けて、使用する施設については早い段階から確保を図っております。それでも急な利用の打診があった場合には、その申し出の必要性や既存の利用者への影響、区民にとって有効、効果的なものかを検討した上で総合的に判断してまいります。また、このような区民に影響のある事項については、特別区のオリンピック・パラリンピック担当部長会などの場を通じて東京都及び大会組織委員会にできるだけ早い時期での情報提供を求めてまいります。  次に、大会開催に伴う区民等への影響に関するご質問ですが、今後、大会準備が具体化していく中、ボランティアや聖火リレーなど区民の参加する機会は増えていくことが想定されます。区民が世界最高峰のスポーツイベントであるオリンピック・パラリンピックにかかわることは、参加への喜びや感動を得る貴重な経験となることから、区としても絶好の機会と捉え、広く区民に参加を促してまいりたいと考えております。  今後も都や組織委員会が実施するイベント等の情報をできる限り速やかに入手し、区民の参加を促すため、積極的な広報・啓発に努めてまいります。以上でございます。 ◎渡邉 保健所長 私からは、飼い主のいない猫対策に関する質問にお答えいたします。  これまで、区では、地域に赴き、それぞれの地域の実情に応じた方策を行うよう努めてまいりました。今後は、飼い主のいない猫に係る問題は、その地域の課題であるとの視点に立ち、住民が主体となって地域の関係者の理解と協力のもとで行う猫の管理活動の仕組みづくりについて検討し、人と猫の適正な地域共生を推進してまいります。以上です。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 私からは、カラーユニバーサルデザインについてのご質問にお答えいたします。  議員お話しのとおり、区は、平成29年3月に、誰にでもわかりやすいサイン整備を推進していくための「大田区案内誘導サイン整備指針」を策定いたしました。また、同時期に、この指針に基づく整備基準といたしまして、「案内誘導サイン整備ガイドライン」を策定し、今後は区が案内誘導サインを設置・更新する場合、本ガイドラインにより整備することといたしました。ガイドライン策定に当たりましては、ユニバーサルデザインの視点で障がい者団体や学識経験者などとともに検証を行っております。本ガイドラインは、誰もが見やすくわかりやすいサイン整備を進めていくための区職員向け手引書として位置づけております。ガイドラインでは、カラーユニバーサルデザインの考え方に基づき、視覚障がいの方に配慮した整備をすることが必要である旨、記載しております。具体的には、明度、形状の違い、文字、記号などの併記により、色に頼らなくても情報が得られる工夫や見分けやすい色の組み合わせ等についてサイン整備の具体例を挙げて記載しております。本ガイドラインは、区民・関係者等に広く知っていただくため、現在、区ホームページに掲載しておりますが、カラーユニバーサルデザインの視点、整備方法等につきまして、今後も様々な機会を捉え、周知を図ってまいります。以上です。 ○岡元 副議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。                      午前11時54分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後1時開議 ○大森 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続けます。1番田中一吉議員。                  〔1番田中一吉議員登壇〕(拍手) ◆1番(田中一吉 議員) 自由民主党大田区民連合の田中一吉でございます。質問通告に従い順次質問してまいりますので、明快な答弁をよろしくお願い申し上げます。  今年のカレンダーも、早いもので残りあと1枚となりました。平成29年、この1年は、長年の懸案であった2020年概成を目指す羽田空港の跡地のまちづくりに着手したこと、40年にわたる中央防波堤埋立地帰属解決に向けた大きな動きがあったこと、福祉の面では、子ども貧困対策に向けた具体的な取り組みが始まったことなど、大田区にとっては極めて重要な課題が動いた年でもあり、区制70年の中でも激動の1年であったと存じます。  また、大田区は、本年、国際都市宣言を行い、国際都市として新たなスタートを切りました。現在、大田区に在住する外国人の数も増えると同時に、区内に宿泊される外国人の方も増加していると伺っております。そして、多くの訪日外国人が訪れる2020年の東京オリンピック・パラリンピックも残すところ1000日を切り、967日、2年と8か月あまりとなりました。  本年、日本を訪れた外国人旅行者の数は、11月4日に既に昨年の2404万人を超え、過去最高になるなど、国際化、グローバル化が大きく進んでいるものと考えています。本区に存する日本の空の玄関、24時間国際拠点空港である羽田空港の乗降客も大きく増えています。こうした中で空港の持つポテンシャルを活かしたまちづくりや訪日外国人を受け入れる体制づくりが強く求められていると思います。羽田空港への公共交通アクセスに関して言えば、本区、首都圏はもとより、我が国にとっても重要な課題と考えています。また、国家戦略特区制度を活用した民泊の取り組みも地域にとってはもちろんのこと、利用する訪日外国人にとっても安心・安全を提供できる環境づくりを前提としており、受け入れ体制の充実を図っていくことも重要であると考えています。  そこで、本区にとって羽田空港の跡地とともに、長年の懸案であった新空港線の整備について及び特区民泊、民泊新法への対応等について伺ってまいります。  新空港線が高い評価を受けた答申第198号の公表から早いもので1年半が過ぎました。東京都が策定した2020年に向けた実行プランの中でも、交通政策審議会答申において事業化に向けて合意形成すべきとされた6路線について、具体化へ向けて検討を実施する旨が明記されるなど、新空港線整備に対する期待が区内外において高まってきていると感じています。本年9月に松原区長が中心となって東京都知事に新空港線の早期整備着手に関する要望書を提出した際、関係する17もの自治体の首長が連名したことからもわかるように、新空港線は整備区間こそ短いものの、その効果は広域にわたり、大田区はもとより、沿線自治体の地域の活性化に寄与するものと考えています。既に大田区、国土交通省並びに鉄道事業者との合意はできていると聞いておりますが、大きな鍵を握る東京都との合意形成が重要と考えています。東京都も新空港線以外にも検討すべき鉄道路線があるとは思いますが、羽田空港の現状を考えれば、羽田アクセスの強化は待ったなしであると考えます。最近、蒲田駅を中心に、東西口で都市基盤の整備が着実に進められており、地域の皆さんも新空港線の整備とあわせて、まちが変わることに対して大きな期待を持っていらっしゃいます。  そこで、区長が都知事と面会して要望書を提出した9月以降、新空港線整備に関して都との協議は続いているのか、また、国等の動きはあったのか。現在の本区の対応と今後の取り組みについて、わかる範囲でお答えをいただきたいと存じます。  新空港線が整備されますと、特に整備区間となる二つの蒲田駅周辺及びその一部が地下化される多摩川線の沿線は、新空港線の開通によって相互直通運転が可能となり、新たな人の流れやニーズが生み出されることが期待されます。そうしたことからも、新空港線の整備を契機に沿線のまちづくりを進めることで相乗効果を発揮させることが重要であります。また、新空港線事業によって交通拠点としての役割が一層高くなる蒲田駅周辺地区を誰もが暮らしやすく、魅力あふれるまちにするため、新空港線整備と一体的に駅周辺のまちづくりを検討することが必要であると考えています。  蒲田駅周辺は、戦災復興の土地区画整理事業で現在のまちがつくられてきましたが、既に長い時間が経過しており、その機能更新が求められています。現在、区が駅前の基盤を先行して整備を進めておりますが、あわせて民間の開発誘導も行っていくことが重要であります。駅周辺では再開発の動きはありますが、新空港線の整備をきっかけに考えたいという思いを持った地権者の方もいらっしゃいます。特に大きなポイントは、JR、東急駅ビルの機能更新、建て替えであり、東西通路の再整備などとあわせた機能更新を進めていくことが肝要と考えています。ぜひJRや東急に働きかけていただきたいと存じます。  また、多摩川線内でも乗降客が蒲田駅に次いで多い下丸子駅は、地元の我が会派の高山雄一議員が指摘をさせていただいておりますとおり、現在、朝夕の時間帯に通勤・通学客が駅周辺にあふれ、駅前の踏切付近は大変危険な状態になっています。また、多摩川線とガス橋通りが交差する踏切についても、時間帯によってはガス橋から環状八号線まで渋滞しています。これらのことから、高山雄一議員指摘のとおり、地域からも「早く踏切の解消をしてほしい」という声が聞かれ、新空港線の整備とあわせた踏切の解消が望まれています。  そこで伺います。今年度から新空港線沿線まちづくり担当の副参事が新たに創設され、新空港線整備と一体となったまちづくりを進めていく姿勢が伺えますが、今後、大田区がさらに発展するために、蒲田駅周辺のまちづくりや下丸子駅周辺のまちづくりをどのように進めていくのか、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。  新空港線の早期整備着手及び沿線のまちづくりに向けて、今後とものご努力をいただきますように強く要望しておきたいと存じます。  次に、特区民泊並びに民泊新法に関連して、観光や本区のPR施策にも触れながら伺いをしていきたいと存じます。  先の決算特別委員会においても、私は本区の民泊施策のあり方、活用策について質問をさせていただきました。民泊を取り巻く環境は、まさに現在進行形で動いており、住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が来年6月15日に施行されることも先月決まったところであります。新法に関しては、この間、国からの情報提供が遅くなり、大田区をはじめ、多くの自治体で対応に苦慮されていることが報道などを通じて聞こえております。  本区においては、全国に先駆けて実施した国家戦略特区制度による、いわゆる特区民泊施策を遂行するに当たっての大きな課題として、この民泊新法との制度の重複であることを私は前回の委員会でも申し上げました。また、大田区議会としても民泊新法に対する懸念を含め、意見書を提出させていただいたところであります。理事者からは、「既に安全・安心で実績のある特区民泊制度の規制項目を民泊新法の制限内容にどのように反映できるのか検討していく」との適切かつ心強い答弁をいただきました。  大田区の特区民泊は、住居専用地域など、ホテル、旅館が建てられない用途地域での民泊営業を制限しており、住環境、生活環境が維持されるようになっています。また、安全・安心な民泊営業のためには、その地域に受け入れてもらうことが不可欠であり、特に区が特区民泊条例に盛り込んでいる事前の近隣住民への周知義務は非常に効果的な役割を果たしていると評価しています。一方、民泊新法は区域制限がなく、届出のみで営業が可能となることから、近隣住民とのトラブルや質の悪い施設の増加を懸念しているところであります。この民泊新法では、第18条において、自治体は区域を定めて実施期間を制限できると規定されていることから、その制限内容について、区は先日パブリックコメントを行いました。本定例会において提出される予定の特区民泊条例の改正案と住宅宿泊事業法施行条例案は、パブリックコメントに付した内容を見る限りにおいては、これまでの議論や意見を踏まえたものとなっていると考えています。  そこでお伺いします。大田区としては今後の民泊施策をどのように考えているのか、そして今回提出予定の二つの民泊条例案の内容にはどのような狙いが込められているのかお伺いをしたいと思います。  安全・安心な特区民泊条例を進めるために、最低宿泊日数が6泊7日であったものが、2泊3日以上に緩和することが今回の特区民泊条例改正の内容であります。大阪市など他の特区民泊を実施している自治体では、取り組み当初から2泊3日からの営業が実施されており、多くの方に利用されていると聞いています。本区においても羽田空港へのアクセスが非常によいことから、滞在日数制限の緩和後は、特区民泊認定件数、利用者数ともに大きく伸びていくことが十分考えられます。先ほど申し上げましたとおり、2020年に向けて羽田空港の乗降客数も、大田区内の外国人宿泊数も右肩上がりに増えていくと予想される中、この追い風を地域活性化へいかにつなげていくか、まさに本区の観光施策の手腕が期待されるところであります。ともすれば、特区民泊は、既存のホテル、旅館と客を奪い合うという視点になりがちですが、大田区の受け入れ環境は羽田空港に最も近く、かつ多様な宿泊施設が用意されているという、他の地域にはない優位性があります。宿泊先としての大田区の認知度が向上すれば、相乗効果として区内の宿泊需要全体の底上げにつながるわけであります。単に宿泊が目的だとしても、それに付随して区内で飲食、買い物をしていただければ、また観光スポットや史跡、名所などに足を運んでいただければ、地域経済への効果はより大きなものとなります。日本の文化といえる銭湯との連携もその一つであると存じます。  ところで、以前より私は、区内のホテル、旅館事業者の方々と広く意見交換をしてまいりました。その中で最近よく耳にしますのは、区内に大規模ホテルが建設され、中小事業者の経営環境が大分厳しくなっているということであります。  そこで伺います。羽田空港周辺の宿泊需要を見込んで多くのホテルがつくられている状況に鑑み、本区としてこれまで頑張ってこられた地場のホテル、旅館事業者に対し、どのような対応を考えているのかお聞かせいただければと存じます。  先ほど区の認知度の向上について少し触れましたが、これに関連してシティプロモーションについて伺います。  近年、自治体間競争というものが激しくなっています。日本の総人口が減少していく中で、自治体や地域が活力を維持して魅力あふれるまちづくりを続けながら存続していくためには、まず住民の方々には住んでいる地域により愛着を持っていただくこと、二つ目は、訪れた方々に「また来たい」、「他の人にもぜひ紹介したい」という気持ちになっていただくこと、そして、大田区のよさを実感していただくことが大変大事なことと考えています。全国各地の自治体は既に人口減少にさらされており、選んでもらえるように、魅力を感じてもらえるように様々な手を打っています。本区の将来人口は今後もしばらくは増加傾向にあるという予測が示されているところでありますが、この数値に安住し、待ちの姿勢となってはならないと思います。全国各地から、そして世界各国から、多くの方に行ってみたい、大田区に住みたいと思っていただける大田区ならではの魅力を発掘し、うまく発信していくことが重要であります。  先ほど申し上げたように、大田区は世界的にも有数の国際空港があります。黒湯に入れる銭湯があります。高度なものづくり工場があります。おいしいものもたくさんあります。古墳から全国に名だたる高級住宅街、そして臨海部まで、まさに日本の縮図と言われるゆえんであります。我々がいつも当たり前のように捉えている要素を束ね、大田区のイメージ戦略をつくり上げていく必要があると思います。
     こうした中、区は、シティプロモーション戦略に関する予算を計上しています。この取り組みは、私が今申し上げた問題意識と通じているところだと考えております。  そこで伺います。区は、シティプロモーションを通じてどのような効果を期待しているのか、また、今後のまちづくりにおいてどのような活用をお考えかお聞かせいただきたいと存じます。  次に、要支援改善の居場所づくり、介護予防事業の拡充について伺います。  我が国の人口構成が大きく変化する中で、全国的に高齢者の割合が増加しています。我が国は2025年、団塊の世代が75歳を超え、さらなる要介護者の増加に向き合うことになります。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計」によりますと、単独または夫婦のみの高齢世帯数は、世帯主が65歳以上の高齢世帯の約7割が単独または夫婦のみの世帯との予測もされています。このことは単に支援が必要な高齢者の増加にとどまらず、単身世帯、高齢者のみの世帯増加により、比較的早い段階から生活支援サービスの必要性が高まってくるものと考えます。  こうした在宅介護や生活支援ニーズの増加が見込まれる中、それを支える専門職の確保が課題と聞いており、2025年に向けた地域包括ケアシステムの構築は、増加するニーズへの対応と専門職の不足という二つの課題に直面することになると言われています。今後、専門職が提供するサービスは、中度者や重度者を中心としたサービスにシフトしていくことが予想され、専門職による軽度者へのサービス供給量は限定的にならざるを得ないことが想定される現状に鑑み、本区における介護予防・日常生活支援総合事業は、「それぞれ自立した生活に向け、サービスからの卒業を目指し、地域でつながること」を利用者、事業者、ケアマネジャー、保険者の共通の目標として掲げています。要介護状態の要因で最も多いものは、脳卒中など脳血管疾患であると聞いておりますが、同時に年齢を重ねるにつれ、認知症や関節疾患、転倒、骨折などの生活機能の低下によるケースも増加すると伺っております。さらに、要介護認定者は介護に対する依存度が高いだけではなく、元気高齢者と比較すると、より医療に対する依存が強いとも言われています。医療費適正化の観点からも、生活習慣病予防や介護予防による自立した生活の維持は、今後ますますその必要性が高まるものと考えます。  現在、本区では、膝痛・腰痛ストップ体操、いきいき公園体操、ポールdeウォークなど様々な介護予防を展開しておりますが、元気な高齢者、フレイル該当者、要支援者など利用者は多岐にわたっている現状であり、症状が改善に向かっている状態や要支援の状態から卒業した後などの場面で、その努力と効果を維持し、身体機能が低下しないよう、その受け皿を一層拡充すべきと考えますが、所見をお聞かせいただきたいと存じます。  関連して、高齢社会を支える地域づくり、生活支援体制づくりの拡充について伺います。  国民生活白書では、約3割の人が10年前と比べて地域のつながりが弱くなっていると考えており、地域社会の支え合い機能の低下につながる状況にあると考えます。こうした機能低下は、防犯、防災などの安全・安心の確保や、ひとり暮らし高齢者や認知症高齢者の見守り、子育て世代の支援など、地域の抱える課題への対応力への影響も懸念され、支え合い機能、互助・共助機能を維持・発展させるためには、本区が保持する地域力を最大限に活用する必要があると考えます。また、国民健康保険制度の改正が検討されておりますが、医療費は年々増加し、制度そのものに与える財政的な影響が懸念されます。  こうした状況を鑑みますと、まず取り組むべきは高いポテンシャルを持った元気高齢者の活躍を一層促すことと考えます。本区の65歳以上人口のうち、約8割以上の方が介護保険の介護認定を受けていない元気な高齢者であります。若者や生産年齢層が高齢者を支えるという従来の発想に加え、今後は高齢者同士の横の支え合いや次世代育成などの世代間交流による支え合いなどの柔軟な発想が必要と考えます。退職後の人生を豊かに過ごす、こうした活躍は、まさに高齢者本人の生きがいづくりと地域の活性化のウィン・ウィンの関係となります。さらに、地域で活発に活動している自治会・町会、シニアクラブ、ボランティア団体やNPO法人などの活躍を一層促し、豊富なマンパワーをより有効に活用しながら、時代の要請や地域の実情に応じた柔軟な取り組みを進めていくことが重要と考えております。  このような住民主体、地域主体の支援体制の構築は、「福祉で地域づくり」として政策の中核をなす重要な課題であり、時間をかけてつくり上げていくものと認識をいたしております。ボランティアなどの担い手を発掘、養成するとともに、高齢者のサロン活動や自主的な介護予防活動など、地域資源の開発やネットワーク化などを担う人材の育成はまさに本区の急務であり、すぐにでも取り組むべき課題と考えます。本区では、現在、嶺町・田園調布・糀谷地区で地域住民が主体となって運動教室を運営するボランティアの育成や、運動、栄養、社会参加の3要素を地域に働きかける健康教室、介護予防にかかわるボランティア会議の開催による地域課題への対応など、まさに地域ぐるみで介護予防の取り組みを進めてきております。まさに地域全体で支える地域共生社会への道筋であり、地域づくりの核となる取り組みと考えますが、これまでの総括した本区の見解をお伺いして、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、シティプロモーションに関するご質問にお答えをさせていただきます。  まず、シティプロモーションに期待する効果でございますが、「大田区ならではのもの」、「大田区らしいもの」、「大田区が誇れるもの」などを具体化し、より一層区の魅力を高めることが期待されます。そこで、大田の魅力を戦略的にプロモーションしていくための検討を進めているところでございます。区の誇れる魅力を総合的にブランディングし、区のイメージの明確化や認知度の向上、地域の回遊性の向上、区民の地域への愛着心を高めることで、定住化の促進や地域経済の活性化につながるようプロモーション活動を進めてまいりたいと考えてございます。  次に、シティプロモーションを今後のまちづくりにどのように活用していくかでございますが、空港や臨海部のスポーツ施設、多摩川の自然環境などは地域資源としてのポテンシャルを有していると考えており、シティプロモーションを検討するうえでまちづくり分野との連携は欠かせないものと考えてございます。本区におけるシティプロモーションの検討は、まず、区の魅力や価値をあらわす文章、言葉、マークなど、ブランドを可視化できる戦略を策定する予定でございます。その後、各部局の既存事業と地域資源の要素とを組み合わせた推進計画の策定を検討してございます。引き続き各部局と連携しながらシティプロモーションの取り組みを進め、「暮らしてよし、訪れてよし、地域力あふれる 国際都市おおた」の実現を目指してまいります。私からは以上でございます。 ◎近藤 観光・国際都市部長 私からは、地元のホテル、旅館事業者に対しどのような対応を考えているかというご質問についてお答えをさせていただきます。  訪日外国人客数が過去最高を更新いたしまして、引き続き増加している中でございます。議員お話しのように、羽田空港隣接エリアから周辺の蒲田駅、大森駅周辺には新たな宿泊施設の建設も見られます。こうした状況から、区内において従前からホテル、旅館を営む事業者の皆様を取り巻く環境にも変化が生じていることと存じます。  本区のようにホテル、旅館をはじめ、全国に先駆けて始めた特区民泊など、多様な宿泊施設の中から個々の滞在目的に応じて利用施設を選択できることは、大田区を訪れる観光客などにとっては魅力的なことであり、我が国最大の国際空港を擁する本区だからこそ実現できることだと考えております。宿泊を伴う滞在は、飲食、回遊等の消費行動につながることが見込めるため、宿泊事業者のみならず、様々な事業者にもメリットがあると考えております。  こうしたことから、観光振興の観点では、主に本区を宿泊地として選択していただくための情報発信が重要であると考えております。「羽田空港が所在し利便性が高く、おいしいものを食べ、銭湯でくつろげる」というような強みを活かして、より多くの方に大田区を宿泊地として選んでいただけるよう、区の認知度向上に一層取り組んでまいります。2020年に向けての受け入れ環境整備を進め、宿泊者の満足度を高めるとともに、さらに需要を喚起するために、MICEの視点からの誘客促進等の取り組みも検討してまいります。これらのことは、いずれも地元で観光の振興、発展に貢献してこられた事業者の皆様との連携が重要であります。区としましては、今後も引き続き連携をさせていただきながら取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。 ◎中原 福祉部長 私からは、高齢社会への対応について2問の質問にお答えします。  まず、介護予防に関連いたしまして、自立維持のための地域の受け皿の拡充についてのご質問です。区は、平成30年1月から新しい介護予防・日常生活支援総合事業をスタートいたします。「はつらつ体力アップサポート」、「生活力アップサポート」などの事業を通して、健康で自分らしく暮らせることができるよう、利用する方々の自立を支援してまいります。今後より一層この自立支援の取り組みを推進していくためには、総合事業の結果、改善に向かっている状態や要支援の状態から卒業した後も自立した状態を維持していくための介護予防に資する継続的な「通いの場」が必要であると認識しております。この介護予防に資する継続的な「通いの場」として、高齢者が誰でも通える身近な場所にある老人いこいの家などを中心に、自立支援から元気維持まで多岐にわたる利用者の状況に応じてきめ細かく対応できる受け皿づくりを進めてまいります。  次に、介護予防を通じた地域づくりの区の見解についてのご質問です。  区は、高齢者が住み慣れた地域でいつまでもいきいきと暮らせるよう、「いきいき公園体操」や「介護予防ボランティア養成講座」など、多彩な一般介護予防事業を展開してまいりました。さらに、平成28年度からは、高齢者のフレイルを予防する取り組みとして、運動、栄養、社会参加への働きかけを地域ぐるみで進めていく「元気シニア・プロジェクト」を推進しています。モデル地区である嶺町・田園調布・糀谷地区では、毎月地域の方々による「コミュニティ会議」を開催し、まさに地域ぐるみの介護予防を進めています。これらの事業を総括として、介護予防の取り組みは個人の力で行うことに加え、地域ぐるみで話し合い、地域の力が一体となって支えとなることで、取り組みの継続性と参加の広がりとが実現できると認識しております。また、地域における介護予防の取り組みを通じて利用者同士の交流も促進され、地域とのつながりが深まるとともに、地域の方が取り組みの中心となることで、居場所や支え手の創出につながってまいります。さらに、地域ぐるみの介護予防を通じて「高齢者にやさしいまちづくり」を推し進めることが、「子どもにやさしいまちづくり」、「障がい者にやさしいまちづくり」にもつながり、地域共生社会の道筋になると考えております。私からは以上でございます。 ◎杉坂 健康政策部長 私からはまず、今後の民泊施策についてのご質問にお答えをさせていただきます。  区政の2大柱の一つである「国際都市おおた」を推進している区といたしまして、区民が外国人との交流を拡充させることが重要であると考えてございます。そのため、ものづくり施設であるとか、例えば銭湯など庶民的な日本のよさや魅力を感じ取っていただいた訪日外国人のリピーターの方、こういった方々の滞在先の受け皿となりますホテル、旅館、簡易宿所をはじめといたしまして、安全・安心な特区民泊など、多様な宿泊施設を選択できるよう推進しております区といたしまして、民泊施策にもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、今後の狙いでございます。特区民泊では、条例のほかに、大田区独自の規制やガイドラインを策定いたしまして、近隣住民と滞在者双方にとって安全・安心な特区民泊を提供できるようにしてまいりました。この特区民泊の最低滞在日数を短縮することによりまして、安全・安心を確保する仕組みが整備をされております特区民泊、これを大田区の民泊のスタンダードにしてまいりたいと考えております。そして、民泊新法での届出を考えている事業者を特区民泊に誘導していきたいと考えてございます。住宅宿泊事業法につきましても、特区民泊と同様に、ホテル、旅館の建築可能な用途地域のみで実施可能といたしまして、対面でのハウスルールの説明や緊急時の体制整備、近隣住民に対する届出前の周知の規定を設けることによりまして、特区民泊と同様に安全・安心な民泊を運営していっていただきたいと考えているところでございます。なお、特区民泊の最低滞在日数の短縮に関しまして、国の制度、政令が改正されたため、区も条例改正をしなければならなくなったと、そういったお考えの向きもあろうかと存じますが、そのようなことは全くないということを申し添えて、私からの答弁とさせていただきます。以上でございます。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 私からは、新空港線に関する2問の質問にお答えさせていただきます。  まず第1に、新空港線の現在の対応と今後の取り組みについてのご質問ですが、本年9月の都知事要望以降、この間、東京都とは費用負担割合等の課題について鋭意協議を進めているところでございます。また、東京都は、平成30年度国の予算編成に対する提案要求の中で、「今後の羽田空港のさらなる機能強化に的確に対応するため、交通政策審議会答申第198号で位置づけられた空港アクセスの強化に資する路線の実現に向けて、財源の確保等必要な措置をとること」を国に求めております。また、この間、東久留米市、小平市、東村山市、清瀬市、西東京市で構成される多摩北部都市広域行政圏協議会の会長の東久留米市長が東京都を訪れ、「多摩北部協議会としても新空港線整備は有意義であり、その動向を注視していく」とコメントされております。新空港線整備が多摩地域の自治体にとっても意義のあることが改めて示されたものと考えております。これらのことから、今後、関係自治体とより一層連携しながら、一日も早く整備着手できるよう、スピード感を持って関係者合意に向けた協議を進めてまいります。  次に、新空港線整備と沿線まちづくりについてのご質問ですが、議員お話しのとおり、区のさらなる発展のためには、鉄道新線の整備とまちづくりは一体であり、新空港線整備を契機として沿線駅周辺のまちづくりを進めることが重要と考えています。特に蒲田駅は新空港線の整備によって複数の路線との相互直通運転が可能となり、区内外から人が集まる交通結節点としての機能が一層高まることから、その周辺は新たなにぎわい創出が期待できるエリアとなります。これを好機と捉え、整備に当たっては駅機能を十分発揮させるとともに、より便利で魅力的なまちになるよう地域の皆様方と話し合いながら、まちづくりの方向性を定めてまいりたいと考えております。また、下丸子駅周辺にある2か所の踏切は、本年1月に改正踏切道改良促進法に基づく改良すべき踏切として国に指定されましたので、抜本的な対策計画を5年以内に策定することが求められております。踏切問題の解消が図られるよう、新空港線整備を契機として、今後、関係者間で検討してまいります。このように、新空港線の整備とあわせまして、地域課題の解決を含め、沿線のまちづくりを進めてまいります。 ○大森 議長 次に、4番安藤 充議員。                  〔4番安藤 充議員登壇〕(拍手) ◆4番(安藤充 議員) 安藤です。2問ほど質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  羽田空港の機能強化と安全対策について質問いたします。  地元で暮らしている私たちとしては、羽田空港と共存共栄を目指したまちづくりを進めていくという区長の考え方に共鳴するところではありますが、前々から申し上げているように、滑走路の運用方法やそれに伴う騒音の影響、航空機や落下物をはじめとする空港全般の安全対策など、空港に関して心配していることも少なからずあります。  このような中、11月1日に京急蒲田駅改札口外のコンコースで行われた国土交通省主催の住民説明会は、私も現場を見に行かせていただいたのですが、大変多くの方が説明を受けているのを目の当たりにいたしました。後日、確認したところ、参加人数は約240名とのことでした。今回の説明会について、国は、この大田区での説明会を皮切りに、来年2月にかけて飛行経路の見直しに影響のある自治体を中心に、16か所で開催するとしています。ところが、非常に重要な事柄でもあるにもかかわらず、一番影響の大きい本区において開催が1日のみとなっています。所管官庁である国土交通省もそれなりに努力していることは理解しますし、今回の提案は東京だけでなく、神奈川、埼玉と影響の及ぶ範囲が広く、開催場所が多くならざるを得ない事情は酌むべきものであるとしても、空港の所在する本区において1回だけというのは、やはりいささか少ないのではないのではないでしょうかと思います。この点について本区の見解をお伺いいたします。  次に、落下物についてお伺いいたします。  今回の国の提案によれば、南風運用時は15時から19時の間の実質的には3時間程度、都内の人口密集地の上空を通過して、羽田空港のA滑走路、C滑走路に着陸するルートとなっています。国によれば、この時間帯は国際線の需要が集中するとのことであり、これに対応するためにあくまで時間を切って滑走路の使い方を変えていくことだと理解しています。しかしながら、9月には航空機からの部品落下が相次いで発生したこともあり、当然ながら心配する声も上がりました。私も先の決算特別委員会で落下物対策が必要であるとの考えで質問させていただいたところであります。私の質問に対し、区からは「現行対策の徹底実施とあわせ、落下物対策の早急な具体化を引き続き国に求めていく」という答弁をいただきましたが、こうした中、10月27日に、国は航空機の落下物対策にかかわる新たな対策を発表しました。報道でもその動向が伝えられ、ようやくとはいえ、具体的な対策が動き始めたのは何よりだと思います。  そこでお伺いいたしますが、この国の新しい落下物対策について、具体的な内容とどのような効果が期待されるのか、区がつかんでいる範囲でお答えください。  また、最近は落下物に限らず、航空機や空港に関するトラブルの報道が目につきます。例えば羽田空港に限ってみても、11月に入ってからも全日空機が着陸後に誘導路上で自走できなくなり、滑走路を一時閉鎖したとか、このときのゴーアラウンドは約3回ほど私たちのまちの上空を飛んだという事実もございます。また、離陸直後のエールフランス機が機器の不具合で羽田空港に引き返したりといったニュースが耳に飛び込んできました。結果として大事には至らなかったとは言いながら、やはり空港のお膝元で暮らしている私たちにとっては非常に心配になる出来事だというほかありません。言うまでもないことだが、機能強化の提案以前に、現状においても部品落下は当然のこと、事故などにつながるようなトラブルが発生しないような整備が求められているところです。区としては、このことについてどのように考えているかお尋ねいたします。  また、9月30日に行われた羽田連絡道路の起工式が開催されましたが、第2ゾーンの環状八号線でも工事が進んでいます。大田区が長年望んでいる国道357号線について、たしか羽田連絡道路工事と同時着工と言われていましたが、一昨年、川崎側多摩川河口に357号線の工事の進捗状況について視察に行ったとき、基本設計をしていますとの返事でした。今後の357号線の早期完成を目指しての対応をお伺いいたします。  最後に、羽田空港との共存共栄という区の考えについてお伺いいたします。  羽田空港の所在自治体である大田区としては、繰り返しにはなるが、羽田空港と共存共栄の関係を築いていくことが重要なことであります。大田区議会でも平成10年6月には「羽田空港の国際線拡大に関する決議」を議決し、「空港問題にかかわる歴史的な経過や騒音などの環境問題を踏まえ、国際化に対応する」よう強く求めた経過もあります。関心を持ち続けているところですが、機能強化が実現するしないにかかわらず、現時点においても海外からの訪日外国人は増加の一途をたどっており、国際的な交流を支えるに当たって空港のあることの意義は大変大きいものがあります。また、国内線の乗降客数については、ここのところ、横ばいから微増で推移しているようですが、羽田が国内航空のネットワークの要であることは動きません。このような側面からは、社会的な資源としての空港を活用していく視点もやはり大変重要です。跡地第1ゾーンの整備を進めている区として、今年5月に事業予定者が決定し、土地区画整理事業の起工式が行われました。また、8月に基本協定が締結され、大きく前進した年となったと認識しています。これからの取り組み方は、また、今後の羽田空港との共存共栄はどうあるべきか、区のお考えをお聞きします。  次に、防災まちづくりについて質問いたします。  戦後の歴史的な経緯と1964年の東京オリンピックを迎えた羽田地区は、まちを二分する高速道路が走り、絶えず振動と騒音にいまだに悩んでいるところでございます。2020年のオリンピックでは羽田地区のまちづくりが進んでいます。まちとして期待し、実現に向かって進んでいるということについて、地域としては大変喜ばしいことだと喜んでおります。この計画が必ずや実を結ぶということを強く望んでいるところでございます。  木造住宅が密集している羽田地区について、私は平成22年に防災まちづくりの勉強会を始めたときから、この地区における燃えないまちづくりの重要性を訴えてまいりました。平成23年からは、羽田の防災まちづくりの会が発足し、道幅が狭く、行きどまりが多いなどの現状から、災害時の避難や消火活動が難しいこの地区特有の危険性や課題などについて、今まで以上に活発な意見交換が行われるようになりました。今年の8月21日に開催された防災まちづくりの会で通算28回目となりました。こうした会合を重ねる中で、自分たちのまちを自分たちで変えていこうという熱い思いを闘わせてきたところです。会の活動を通じて区と地域が協力してまちづくりを進めることが重要だと改めて感じています。この会が平成25年3月に区に提案した内容をもとに、区は羽田の防災まちづくりの整備計画を策定し、重点整備路線の拡幅などに取り組み、現在の防災まちづくりにつながっています。この羽田の防災まちづくりですが、現在では、一歩進んだ取り組みとして、建て替えの際のルールとして地区計画の導入を検討しています。羽田地区の燃えないまちづくりにつながる地区計画について、今年3月の予算特別委員会で、私は地域の方と話し合いを進めていくことの重要性を述べてきました。その後、町会に向けた出前型説明会を計12回行うなど、区がこれまでに関係者の方たちに防災まちづくりの考え方を地道に浸透させてきたことは評価に値します。  こうした地区計画の考え方を一歩進め、区は9月に羽田地区防災街区整備地区計画素案をまとめました。9月の都市整備委員会では、今後この地区計画について賛否を問うアンケートを行うとのことでしたが、地区計画導入に当たり、地元の方々に自分たちの地域のルールであることを意識してもらい、ルールづくりに参加していただくことが重要です。そのため、アンケートは区が一方的に行うのではなく、地域の方と協力して取り組むことで、地域の課題である火災危険性の高い密集市街地をみずからの力で安全なまちに変えていこうという機運を高めることができると思います。  最終的には地域ルールとなる地区計画導入の賛否を問うアンケートについて、地域と協力して取り組むことに対する区の考え方と今後の見通しについてお教えをいただきたいと思います。  将来的に建て替えを機に少しずつ燃えないまちづくりが進む羽田地区の地区計画導入に加え、道路幅が狭く、消防活動や避難を円滑にすることが難しい羽田三丁目、六丁目では、3本の重点整備路線の拡幅を進めています。この路線の整備は、関係地権者の理解を得た上で早急に進めていく必要があります。  今年度からこの重点整備路線の用地交渉を公益財団法人東京都都市づくり公社に委託しています。委託業者に用地交渉を任せるうえで、ご協力をいただける方から順に用地を取得していくという修復型のまちづくりを進めてきたこれまでの経過を踏まえ、区と委託業者がどのような役割分担のもとで事業を進められているのかお尋ねいたします。  私も個人的には何件かのご相談をいただき、その都度地元の不動産、また、大田区のまちづくりに相談しながら進めてきており、少しずつですけれども、まちとしては新しいまちの形を求めて進んでいるという実感を今つかんでいるところでございます。これを大きく発展させていくためには、区としての協力体制をしっかりと築き上げていただきたいことを要望し、お尋ねいたします。  道路拡幅部分の地権者の方の中には、敷地が狭く、道路用地を提供してしまうと残った敷地で建て替えができないという方も少なからず出てきます。こうした場合、区が残地を取得し、地域の方々に有効に利用してもらう方法もあるのではないかと思いますが、いかがですか。この点についてもお尋ねいたします。  また、道路拡幅の地権者の方々には様々なご事情をお持ちの方がおられます。用地を提供してしまうと建物が小さくなり、生活再建が難しくなるといった方の中には区で代替地を用意してほしいという声や安心して住める賃貸住宅があれば紹介してほしいといった声もあります。区は、こうした地権者の方々の切実な願いに応えられるよう丁寧な対応をしていただくよう、改めて強く要望しておきます。  昨年12月に協定を締結したUR都市機構は、密集市街地において残地などを活用しながら様々な手法を使って共同化や道路、公園の整備を進めた実績があるとのことです。羽田地区にある小さい公園が集積する街区での整理、統合などにより、大きな公園にまとめてもらい、延焼火災の防止や災害時の一時避難に役立つ広く安全な施設にしてもらいたいと考えています。いかがでしょうか。お願いいたします。  区の防災まちづくりは、地区計画のような規制による方法や道路幅のような区の直接整備による方法、さらには助成による誘導等の手法を組み合わせることで促進されます。外部機関なども有効に活用しながらこの手法を効率的に組み合わせることにより、羽田地区の延焼危険性が早期に改善されるよう、区のスピード感ある取り組みを期待しております。  今、羽田地区は建設ラッシュで、土地や建築費などがかなり高騰しています。土地バブル、建築バブルとも言えるようなタイミングだという認識を持っております。海外の企業や外国人が土地を買っています。ここはやはりそれだけの魅力があるということで、今、まちの人たちは何を考えているかということは、オリンピックが終わった後、羽田のまちはどうなっていくんだと、そういうようなことも心配の種だと伺っております。  続いて、先ほど私どもの田中一吉議員からもありました新空港線の延長線上での要望になります。  京急空港線穴守稲荷駅の乗降者数は、羽田クロノゲートが完成した平成25年以降、年々増加しています。羽田空港国際化の浸透や羽田クロノゲートビルの就業者の増加等に伴い、連日多くの方が利用する穴守稲荷駅ですが、その安全性に対して大変大きな疑問を感じています。  その穴守稲荷駅では、2014年5月、車椅子に乗った女性がホームから転落する事故が発生しました。幸い救出されて無事でありましたが、穴守稲荷駅の危険性の高さを物語る事故であります。この間、地元は京急に対し改善を要望してきましたが、京急電鉄は緊急対策工事を実施したものの、ホームの拡幅やホームドアの設置といった抜本的な工事はされていません。私どもも地元の皆さんと穴守稲荷駅の建て替え、もしくは地下化等、いろんな形で要望しているところですけれども、いまだに何らの返事がないという状況が進んでいます。  穴守稲荷駅の現状をお話しすると、現行ホームの最少幅員は1.63メートルです。国土交通省の認可基準である最少幅員1.5メートルを少し満たしていますが、余裕幅は13センチだけです。これでは車椅子のお客様が現行のホームを利用する際、点字タイルを通過、滞留することになり、非常に危険な状態です。さらに、車椅子同士ではすれ違うことができないのが現状です。  さて、平成10年の現国内線ターミナル駅開業時から現在に至るまで、京急空港線において加算運賃を導入しています。私は、区民に負担を強いている加算運賃については、これまでも早期撤廃を訴えてきました。また、地元としても、この加算運賃についてはかなり強い反発があります。また、区議会としても、加算運賃撤廃を求める要望書を京急電鉄に提出していますが、いまだに解答がない状況です。同様に加算運賃を導入している京王電鉄相模原線では、来年の3月、平成30年3月末に加算運賃を引き下げることを公表しました。一方、京急空港線の加算運賃の回収率は、前に比べるとかなりアップし、71%だと聞いておりますが、いまだ加算運賃の廃止や運賃の引き下げには至っておりません。このように区民に負担を強いている以上、地域の貢献を一層行うべきではないかという意見と矛盾が地域には満ちあふれています。  区からの情報では、京急電鉄も穴守稲荷駅の危険性は認識しており、駅ホーム拡幅等の安全対策を検討していると伺っております。羽田空港の再国際化に伴い、穴守稲荷駅周辺の位置づけはさらに重要になります。今後、穴守稲荷駅の利用者は一層増加することが予想されます。一刻も早いホームの実現と、最終的には踏切解消に向けた穴守稲荷駅の地下化等、誰でも安心して利用できる駅の早期整備を私の意見として強く要望して、質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 私からは、国道357号多摩川トンネルの整備状況についてのご質問にお答えいたします。  区はこの間、国と随時連絡をとり、その進捗状況を把握しておりますが、それによりますと、平成28年2月から本年2月まで行った地質調査結果を受け、現在、トンネル設計を行っており、あわせて関係機関との事前協議を進めているところでございます。多摩川トンネルの建設箇所は、厚さ40メートルを超える軟弱地盤の埋立地であり、首都高浮島ジャンクションにある橋梁の基礎ぐい等の中を通過するため、トンネル構造や施工方法について詳細な検討が必要と聞いてございます。具体的には、近接構造物への影響や羽田・浮島側の道路との接続形態、構造の検討が鋭意行われているとのことでございます。国道357号の完成は、区内の渋滞解消はもとより、首都圏の暮らし、経済を支える動脈として極めて大きな効果が期待されるところです。区は、今後も引き続き東京都と連携しながら、国に対して国道357号多摩川トンネルの早期完成を強く働きかけるとともに、その進捗状況を詳細に把握し、随時お伝えしてまいります。 ◎飯嶋 都市開発担当部長 私からは、羽田地区の防災まちづくりに関するご質問4点についてお答えをさせていただきます。  まず、地区計画導入のアンケートと今後の見通しに関するご質問でございますが、議員お話しのとおり、地域の実情に合わせ、独自のルールを定めた地区計画を導入するに当たり、その趣旨などを地域と共有することは重要と認識しております。そうした考え方をもとに、この間、地域の皆様が気軽に参加できるよう、町会ごとの出前型説明会を行ってまいりました。現在、最終的な導入の賛否を問うアンケートを区が配布し、郵送による回答をお願いしているところでございますが、未回答の方については、町会の役員の方々を通じて回答の勧奨及び回収のご協力をいただいております。このようなアンケート調査のサポートを町会にお願いする取り組みによりまして、地域のお一人おひとりにアンケートの趣旨をより一層ご理解いただけるよう努めているところでございます。地域の協力のもと進めさせていただいております今回のアンケート調査実施後、地区計画の導入について多くの方々の賛同が得られた場合には、来年度にかけて都市計画法に定める説明会などを行い、地区計画の早期導入を目指してまいりたいと考えております。  次に、区と委託業者の役割分担に関するご質問でございますが、道路拡幅事業の主体はあくまでも大田区であり、道路を拡幅して安全な避難路を形成していく事業の重要性は、区が責任を持って地域に説明してまいります。一方で、188区画ある用地の取得を進めるには、地権者の皆様お一人おひとりの事情に応じた相談業務など、丁寧な対応が必要となります。こうした個別の相談業務については信頼性の高い専門機関に委託をし、きめ細やかな相談に応じることにより、地権者の方も納得された上での用地の売却につながるものと考えております。事業全体の説明責任は大田区、個別の地権者に対する専門性の高い相談業務は、豊富な実績とノウハウを有する委託業者が担うことによりまして、地権者の皆様の不安感を解消し、円滑な事業進捗につなげてまいります。  次に、道路拡幅部分の残地の取得に関するご質問でございます。こうした残地につきましては、公共施設としての利用が見込める場合に限り、取得するのが原則となっております。羽田地区におきましては、残地を活用して公園や広場などの空地を確保することで、延焼防止の効果を高めることが期待できます。また、避難路となる重点整備路線とあわせて沿道の公園や広場として整備すれば、一時的な避難スペースとしての活用も想定できます。一方で、不整形な土地の場合は見通しが悪くなることや無断駐車の増加を招くなどの弊害も考えられます。今年度、区では重点整備路線沿道の見通しの悪い交差点において、歩行者の待避スペースにも活用できることから、残地を含めた土地を1画地取得いたしました。今後も一時避難に利用できる広さがあることや主要な交差点付近にあるなど、防災まちづくりに資する場合には、残地の有効活用を検討してまいります。  最後に、小さな公園が集積する街区での公園の整備、統合に関するご質問でございます。公園や広場は、平常時においては地域住民のコミュニティを形成する場としての役割を有しており、災害時には地域の防災拠点に避難するための集合場所のほか、延焼火災を抑止するなどの様々な役割を有しております。議員お話しのように、防災上の効果の高い公園を整備するためには、規模の大きな土地の確保が必要でございますが、羽田地区において単独で大きな敷地を確保することは困難な現状がございます。そのため、狭小な公園が集積する街区におきまして、それらの公園を集約し、規模を大きくすることは有効な手法でございます。しかし、敷地の移転や土地交換、共同化等の手法を組み合わせる必要がございますので、密集市街地整備の知識や経験は不可欠と考えております。こうした密集市街地における公園整備など豊富な実績を有しますUR都市機構の専門性を活かし、防災上効果の高い公園整備が進むよう、区として様々な方法を検討してまいります。私からは以上でございます。 ◎白鳥 空港まちづくり本部長 私からは、空港対策等に関する四つのご質問にお答えさせていただきます。  羽田空港の機能強化に関する国土交通省主催の説明会についてのご質問です。国土交通省は、羽田空港機能強化の取り組み状況を説明するとともに、平成28年7月に公表した「環境影響等に配慮した方策」の進捗について最新情報を提供するとして、この11月から平成30年2月までの間に首都圏16会場でフェーズ4の説明会を始めております。11月1日に全体のスタートとして京急蒲田駅改札口外のコンコースで当区における説明会が開催されており、国土交通省からは約240名の参加者があったと聞いてございます。議員お話しのとおり、当区内ではこの1日の開催となっておりますが、全ての会場においてどなたでも自由に参加できるものでございます。また、国は、平成29年1月に羽田空港第1ターミナル内に常設の情報発信拠点を開設し、パネル展示のほか、飛行映像や音が体験できるサウンドシミュレーター等が利用できるよう整備したほか、今後も引き続き丁寧な情報提供を進めるとしております。区としましては、国による羽田空港の機能強化提案については、広く住民の皆さんに正しい情報を知ってもらいたいとかねてより考えております。開催する回数や場所などを含め、様々な手法による説明会の設定を今後も強く国に求めてまいります。  国による新たな落下物対策の内容と期待される効果についてのご質問です。区は、落下物対策の具体化を含む総合的な対策を進めるよう、従前より国に対して強く要望しておりました。とりわけ、平成28年6月、平成29年5月の2度にわたる国土交通大臣宛ての要望書においては、現状でも大変重要である航空機の安全対策とあわせて強く要請していたところ、10月27日に、国は新たな対策を公表いたしました。具体的には、落下物未然防止のために航空会社が遵守すべき基準を検討するため、落下物防止等に係る総合対策推進会議を開催し、「落下物防止対策基準」を策定することとしております。また、外国航空会社を含む航空機の部品欠落の報告制度を拡充するとしております。この制度拡充については、今月9日から既に運用されております。これらに加えて、「新たなチェック体制の構築」、「航空会社に対する処分等の検討」、「万が一の場合の補償制度の充実」など、従来の制度の強化も示されております。未然防止策を中心にしたこのような総合的対策により、国のみならず、航空機メーカー、内外の航空会社等関係機関が協働し、より徹底した対策が実施されるものと見込んでおります。区としましては、航空の安全を重視する立場から、引き続き関連する情報の収集を行うとともに、国や関係機関の対応を注視してまいります。  航空機の整備についてのご質問でございます。議員お話しのとおり、空港所在自治体である区としましては、落下物対策のみならず、そもそも航空機及び空港の安全がしっかり確保されなければならないと常々考えているところでございます。このような中、最近は航空機や空港に関するトラブルが報道されており、極めて残念に思っております。まずは整備の現場における日々の安全点検の着実な実行が求められます。一方で、法律に基づき設置された運輸安全委員会が航空機事故等の原因究明を進め、調査結果に基づき、国や関係者に必要な施策や措置の実施を求めるという仕組みも整えられているところでございます。いずれにしましても、関係機関が原因究明を徹底して行うとともに、防止に向けた対策を進めることが何より重要と考えております。区としましては、国、航空会社など関係機関に対し、適時の情報提供とともに、落下物をはじめとしたトラブルの未然防止に向けた対策の推進を引き続き繰り返し強く要請してまいります。  空港跡地第1ゾーン整備の進め方についてのご質問です。議員のお話にありましたとおり、本年は跡地第1ゾーン整備・運営の事業予定者が決定するなど、これまで様々なご意見を伺いながら積み上げてまいりました「羽田空港跡地まちづくり推進計画」や「羽田空港跡地第1ゾーン整備方針」等でお示ししたまちづくりの構想が具体化に向けて大きく動き出す節目の年となりました。引き続き、「新産業創造・発信拠点」の形成をより確かなものにしていくため、国をはじめとした関係機関等と連携しつつ、適時に定例会や特別委員会等でご報告をしながら、一歩一歩着実に進めてまいります。  また、今後の羽田空港との共存共栄についてのご質問でございますが、これまでも申し上げているとおり、終戦直後の連合国軍による進駐に伴う強制退去や騒音被害などの過去の経緯を踏まえつつ、空港と共存共栄の関係を築いていく必要があると考えております。他方、羽田空港の乗降客数は、昨年、国内・国際合わせて8000万人を超え、今後さらなる伸びも見込まれているところでございます。このような空港のポテンシャルを区内に波及させていくためには、ハード面のまちづくりのみならず、高度な区のものづくり技術の発信はもちろんのこと、文化産業や歴史など区の特色を活かしたソフト面の施策もあわせ、空港側の協力も求めながら進めていく必要があります。跡地第1ゾーンは、このような共存共栄の具体的な展開のための拠点としての機能を持っていると考えております。引き続き跡地第1ゾーンの整備にしっかり取り組み、羽田空港との共存共栄をさらに力強いものにしてまいります。私からは以上でございます。 ○大森 議長 次に、3番高瀬三徳議員。                  〔3番高瀬三徳議員登壇〕(拍手) ◆3番(高瀬三徳 議員) 久しぶりの登壇をいただきまして、中長期的な視点から、大田区の10年、20年、30年後を考えて質問させていただきますので、心のこもった歯切れのよい答弁をよろしくお願いいたします。  まずは大田区の農業に関連して伺います。  馬込のシクラメンは今ピークを迎えております。品質のよさが自慢のシクラメン農家があり、遠くからも買い付けに来る方がいるほど有名であります。この根強い人気を誇る馬込のシクラメン農家をはじめ、大田区での営農者は、都市化と高齢化、市街化区域内農地の宅地並み課税と生産緑地制度などにより、都市部での営農継続をめぐって難しい判断を迫られてきました。ご先祖から譲り受けてきた農地、水、土地と緑、生産を待つ顧客、農業への愛着、様々な精神的重圧と向き合いながらも、区内では2.32ヘクタールが生産緑地として農業生産を続けております。ネギ、コマツナ、大根、ジャガイモ、ホウレンソウなどの野菜、シクラメンをはじめとした花卉、植木などの出来具合を見れば、苦労も忘れると言います。  先日の文化の森で開かれた野菜と花の品評会にお邪魔しましたが、作品を拝見すれば、手塩にかけた生産者の気持ちを察せるものでありますし、大勢が列をつくり、野菜、花を求める区民の期待というのも伝わってまいります。自然との共存というか、天候との闘いで育てた作物を見たとき、小さな子どもたちにも体験をさせてやりたくなる。農業とはそんな気持ちにさせてくれるものであり、人の心を和ませてくれるものと思います。ですから、農業というすばらしさを身近に残し、多くの人に伝えることを大切にするべきだと思っております。  そこで伺います。このような中で、都市農業の安定的な維持を目的に都市農業基本法が2年前に制定され、生産緑地法も改正され、都市農業振興基本計画が定められました。この動きを受けて、生産緑地指定面積の下限を300平方メートルにするには条例制定が必要になりましたが、大田区での対応についてどのようにお考えか、お伺いいたします。  また、農業振興には担い手の確保が欠かせませんが、大田区の実情からどのようにお考えか、お伺いいたします。  次に、国際化についてお伺いいたします。  最近、区内商店街や地元イベントなどでまちを歩いておりますと、外国人と思える方々の行き交う数が本当に多くなってきたなと感じております。蒲田でのランチタイムには、中国語を話すビジネスマンが食事をしている姿と日常的に出会います。店舗も台湾・香港・北京料理やタイ・ネパール、カレー屋さんですが、このような国旗を掲げた看板が目立つようになってまいりました。区長も会合などで、世界各国の料理が食べられる国際色豊かなまちとして話されていたことを聞いたことがありますが、本当にそう思います。  一方で、賃貸住宅への外国人入居希望者も増え、入居の手続きやごみ出しマナーをめぐって大家さんとのトラブルも増えていると聞きます。こうした区民生活の実際の場面で課題をどう解決し発展させていくかを考えていく中で、区民は国際化ということについて感じていくのだと思います。事業経営者も高齢化と人手不足で悩んでいる方もおり、「外国人の方に期待していくしかないかな」という話を伺うこともあります。着々と生活の中に国際化が問われてきているということだと思います。  そこで伺います。大田区の国際化の現状と将来についてどのように捉えているのかをお伺いいたします。  辞書によれば、国際化とは、「複数の国家が相互に結びつきを強め、経済的・文化的に影響を与え合うこと。」とあります。もっとも、今では急速な技術の発展と国家の枠を超えた経済的な結びつきが強まり、人・モノ・情報の流れが地球的な規模に拡大してきており、諸外国との交流は地域レベル、草の根レベルの交流が重要になってきたと言われております。つまり、国際化には、区民一人ひとりが異文化の理解など諸外国との相互理解を一層進めることが求められており、その過程、プロセスが地域のアイデンティティーを明確にし、魅力ある地域づくりにつながるということです。地方自治体で、大田区で国際化を進める意義がここにあると思います。  これは、国、総務省でもそのように言っているわけですが、大田区の魅力を高めるためには、産業や文化、スポーツをはじめ、教育、福祉、環境など様々な行政課題に国際化の網をかけ施策を推進していく、そのプロセスを通じて地域に活力を生んでいくことだと私は思っております。例えば、総合体育館での国際スポーツ大会の開催やコンベンションホールでの国際医療会議の開催などは、国際化の進んだ国際都市としての魅力が高いと評価されれば、世界からの参加者が羽田空港を使い、区内で宿泊し、食事、買い物などを行い、消費行動の好循環を生み出し、経済的な効果が大いに期待できると思います。また、もう一つは、外国人区民の増加と活躍できる機会づくり、労働力としての期待ではないかと考えております。  そこでお伺いいたします。一時滞在でも定住を志向する外国人に対してでも、まずは大田区に来訪してもらうことだと思いますが、そのためには、羽田空港を活かした大田区の魅力のアピールということが非常に大切です。魅力ある大田区をつくっていくための海外に向けてのポイントをどのように考えているか、お聞かせください。  昨日、区長も申しておりましたが、都市の魅力という点では、都市戦略研究所の調査「世界の都市総合ランキング」で、主要44都市中、東京は第3位であったとの高評価があります。経済や研究開発、文化交流、居住や環境、交通アクセスなどの項目で評価をしたものですが、海外からの訪問者数、国際線直行便就航都市数が総合スコアを上げた要因と分析されております。つまり、羽田空港が東京の魅力を牽引し、大田区の魅力を引き上げるものだと思います。  魅力づくりが先か国際化が先か議論もありますが、日本の玄関口である羽田空港を介して国際化社会が進展した魅力的な大田区をつくっていく、まさしく国際都市づくりだと思います。そのためにも、区役所の各部局間の十分な連携は当然であり、区民、事業者、行政が一体的に取り組んでいく姿勢が大変重要であると考えています。空港があることの利点を活かしていくという、しっかりした政策の方向性を持っていけば、国際都市の建設に向かって着実に前に進むものと思いますので、よろしくお願いしておきます。  さて、今年は区制70周年式典で「国際都市おおた宣言」を行いました。このような宣言は全国でも例がないと伺っていますが、大田区のアイデンティティーを示すためにも大変よいことだと思っております。  そこで伺います。改めて、この宣言に込めた思いと、その宣言実現のために国際交流協会に大きな役割を持たせようとしているのだと思いますが、設立の理由と産業振興協会や観光協会との違いは何かをお伺いいたします。  次に、海外友好都市との関係について伺っていきます。今年は6月にセーラム市から訪問団をお迎えし、昨年受賞したジョン・セイヤー賞の賞状がピーター・ドーラン氏から区長に手渡されました。これはボストン日本協会からセーラム大田クラブが頂戴したものですが、日米の相互理解の発展に寄与した大田区とセーラム市に対するもので、25年という長きにわたり積み重ねてきた区民交流の証でもあると思っております。本当に関係者の継続した交流の努力に感謝する次第です。  また、大田区議会では、中華人民共和国との友好関係の促進を目指し、日中友好議員連盟を組織しております。私も微力ながらその議連会長という職を仰せつかり、友好発展のその一端を担わせていただいております。先頃も、議会の同意をいただき、今月6日から10日まで、北京市朝陽区と遼寧省大連市を訪問し、友好・親善とともに、福祉、教育などの都市問題について視察調査を行ってまいりました。派遣の報告については別の機会に譲りますが、改めて感じることもありましたので、一言申し述べさせていただきます。  それは、議員先輩諸氏の継続した友好交流の実施が友好都市と中国との相互の信頼関係を築き、その礎の上に立って、これからの日中関係の未来を志向していくべきだということです。フェイス・ツー・フェイス、顔と顔を合わせ、握手をすることがいかに大切か。そして、区民の負託を受けた議員だからこそ、市民交流やビジネス交流の基礎をつくっていく、先鞭をつけていく役割があると思っております。  その一つが大連市との友好関係でございます。今年5月には、大連市旅游局からの招請を受け、大連アカシア祭りに議長ともども出席してきたところです。この祭りには大連市との友好関係にある諸都市の市長などトップと日中の旅行業をはじめとした経済界の代表が出席され、浪漫の都を舞台に観光に関するハイレベルフォーラムも開催されたというものです。まさに関係者が友好都市に集い、互いの発展について語り合うよい機会であり、シティセールスにもうってつけのチャンスだと思っております。  そこで伺います。大連市側からは松原区長の訪問を強く希望する言葉をたびたび耳にいたします。来年は大連市と友好協力関係を始めてから10年目に当たります。新たな友好関係の進展に向けて、区長ご自身が近いうちに訪問やアカシア祭りへの出席を期待するものですが、これから中国との関係や大連、朝陽区との交流について何か考えがありましたら松原区長にぜひともお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、国際人材の育成について伺っていきます。先日、テレビを見ていましたら、外国人同士の争い・事件に関係して、裁判所での通訳確保に難儀していると報道がありました。国籍が違い、母語も違う中で、意思表示と記録の難しさに直面する場面が多くなってきているというものでした。人権にかかわることでもあり、国際化の進行に伴って今後も増加するであろう深刻な課題です。多言語を話す人材の育成とともに、このような場面で当事者の立場に立てる豊かな心を持つ人材の育成が急務との報道だったように思います。国際化とは、このような身近な外国人同士が、あるいは日本人と外国人の間でのトラブルなど負の側面を持ち、これまでの日本社会が経験したことのない場面に次々に遭遇させていく一例と思います。その解決のためには、難しいことですが、関係者の真心、誠実さが大切だと改めて考えさせられる場面でした。  また、今月の大連市訪問の際にも、国際都市建設には次代を担う若者を中心とした人材育成が不可欠との認識のもとで、大連大学で日本語を学ぶ中国人の様子を視察してまいりました。歴史的に親日的な大連市ではありますが、日本語を学び、その学習を活かすために、日本への留学や日系企業での労働を希望している様子がうかがえます。区内建設関係者が、中小企業の人手不足の状況や人口の高齢化問題を考えたとき、「外国人人材に大きな期待を感じざるを得ない」と語ったことを思い出します。幸いにも、区内では日本工学院専門学校が多くの留学生を受け入れていることから、様々な可能性について意見交換を行ってきました。
     もう一つ、私の友人は海外で日本語教室を開いており、日本での留学や技術習得を希望する若者をJAPAN Expoというイベント主催を通して応援しています。自己の利得だけではなくて、日本のためになる外国人材の活用を考えてのことです。社会問題解決のため、外国人材を活用していくことが必要と思います。  そこで伺います。日本に在籍する留学生数は約24万人、2020年には30万人にしようという国の計画もありますが、大田区での現在の留学生に対する取り組みや外国人材の活用についてどのようにお考えか、聞かせてください。  次に、国際感覚を育む職員育成についてお尋ねします。「事業は人なり」とは松下幸之助氏の言葉ですが、どんな経営でも適切でふさわしい人を得て発展していくものです。チャレンジ精神が大切と私は思います。「国際都市おおた宣言」を発表し、内外に国際都市としてふさわしい振る舞いをし、魅力ある地域をつくっていくためには、そのまちのプロデューサーである職員の力が重要です。2年前からイギリス人の方を国際交流員という非常勤職を採用されて、地域や学校での活躍する姿を拝見しますが、職員同士の語学力向上にも一役買っていると聞きます。発展途上国やアジア諸国から、我が国のごみ処分方法やエコロジカル活動、衛生管理、産業支援など、自治体の取り組みが注目を浴びており、各部局でも海外からの視察などを受けていることと思います。そうした経験などを通して国際感覚も育まれていくものですが、国際都市として、また自治体間競争も意識しなければならない中で、職員自身の研さんの範囲は国際的にならざるを得ないと思います。海外の事情に明るい職員を採用すればよいというものではなく、育てていくことが肝要と思います。  そこでお伺いいたします。国際都市おおたを支える職員像をどのように捉えておられるか、お伺いします。  また、国などの制度活用や大田区独自の海外研修制度を設けるつもりはないか、これまでの取り組みの実績と育成方針についてお伺いいたします。  国際都市おおたは東京の玄関口に当たります。この表玄関である蒲田の真ん中を流れる呑川は、長年にわたり悪臭と黄土色の景観が悩みの種となっております。今は亡き故水井達興区議会議員がこの川を清流にすることをライフワークにされ、その根本原因を追究・解明されてきました。根本的な原因は下水道の合流式という方式にあります。トイレの汚水と屋根に降った雨水とを合わせて1本の配管で汚水処理場に送る方式がとられています。そこで、大雨のときには処理場があふれてしまうため、汚水と雨水を呑川にいわば逃がす仕組みとなっているのです。呑川流域には世田谷区、目黒区の下水も含まれております。その解決方法は非常に単純なことであり、貯留管、貯留槽をつくるということであります。きれいな川になれば、パリ・セーヌ川のように遊覧船が多くの観光客を乗せて羽田空港と蒲田を船で結び、玄関に最も近い奥座敷にすることも夢ではありません。  このたび、東京都は、環境問題の解決を目指した環境債、グリーンボンド債と名づけられた債券を200億円発行すると10月11日に発表いたしました。その資金の使い道である充当予定事業の中に合流式下水道の改善事業として、貯留施設等の貯留量150万立方メートルということが記載されておりました。  そこで伺います。これまで東京都の計画では、呑川の貯留施設建設にはどのぐらいの経費がかかり、何年度に着手、完成させる見込みなのでしょうか。それを、このたびのグリーンボンド債の発行を踏まえ計画年次を繰り上げ、早めることを東京都に強く求めるべきと考えます。呑川に下水を放流している地域、すなわち世田谷区、目黒区、大田区において、呑川を清流に戻すため必要となる貯留施設を設置する計画、この着手を早める取り組みを行うお考えは区にあるでしょうか。あるとしたら具体的にはどのように取り組まれるのか、ご見解を伺います。  以上、国際都市おおたの観点から、大田区の持つポテンシャルを最大限に高め、区民はもとより世界中の人々から選ばれる都市となりますことを願いまして、質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 これからの中国の関係や朝陽区、大連市との交流についてのご質問でございますが、中国は恐らく近い将来、世界最大の経済大国になる見通しで、日本の貿易相手国としてもますます重要な地位を占めてまいります。また、本区に居住する中国人は、2万2000人の外国人のうち7800人と国別では最大であり、日常生活の中でも密接な関係にあります。このような中で、友好都市、友好関係協力都市であります朝陽区と大連市と交流をしていくことが国際都市おおたの推進にもつながります。  議員お話しのとおり、大連市とは友好協力関係都市に関する協定書を締結してから来年は10年目の節目の年を迎えます。これまで青少年交流や議会、行政を中心に交流を深め、平成27年10月には「スポーツ交流のさらなる促進に関する覚書」も締結しており、確かな信頼関係が構築されてきております。朝陽区、大連市とも協定締結の経緯と持続的な関係性を重視して、引き続き友好関係を維持していく考えであり、両都市とも節目の年であることから、訪問を含め、事業を検討してまいりたいと思います。私からは以上です。 ◎玉川 総務部長 私からは、まず国際都市おおたを支える職員像についてのご質問にお答えいたします。  大田区人材育成基本方針では、求められる職員像を「未来のおおたをめざし、チャレンジを続ける職員」と位置づけており、あわせて、その職員に求められる三つの姿勢の一つとして、「広く世界へ目を向け、国際都市おおたをめざす」を掲げております。具体的には、「未来へ躍動する国際都市おおた」を目指す大田区の職員として、常に世界を意識した広い視野を持って職務に取り組むことを求めております。そのためには、国際感覚や外国人とのコミュニケーションスキルも重要と考えております。  次に、職員の海外派遣研修制度についてのご質問でございます。平成9年度まで海外派遣研修を行っておりましたが、研修か視察かの位置づけが明確でなく、また、短期間の派遣における成果を区政にどのように活かすかなどについて課題があり、休止しているところでございます。一方で、平成20年度から、国際感覚を磨くことを目的に、自治体国際化協会を通して若手職員をシンガポールに駐在させる2年間の派遣研修を行っております。帰国後は観光・国際都市や産業経済の分野において経験を活かしており、この派遣研修は今後も継続してまいりたいと考えてございます。また、議員のお話にもございましたが、職員一人ひとりの多文化共生の意識や英語対応力の向上のために、国際交流員のマチルダさんにもご協力いただきながら、国際都市推進研修等を実施し、育成を進めているところでございます。派遣研修につきましては、現在の実施状況を踏まえながら、引き続き国際感覚豊かな職員の育成に向け様々な方策を検討し、取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎近藤 観光・国際都市部長 私から、国際都市に関します4点についてお答えをさせていただきます。  まず、大田区の国際化の現状と将来をどのように捉えているのかというご質問でございますが、大田区では、現在、約120か国、2万2000人の在住外国人が住民登録をし、その約9割がアジアの方々でございます。また、羽田空港国際線を利用した入国者数は、前年比で約3割増の326万人と伸びており、利用者の約7割がアジアの方々となっております。区へ訪れる外国人も、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に今後ますます増えることが予想されております。また、区の将来人口についても、総人口に占める外国人人口の比率が増えていき、現在約3%の比率が2030年までに7.5%に大きく伸びると予想されています。  議員お話しのとおり、区民の高齢化も進み、地域社会の中では経験したことのない人口構造の変化が生じ、これまで以上の支え合いが必要になると推測しております。福祉や産業など区民生活を支える場面でも、外国人の力、いわゆる多文化パワーに期待しなければならない時期が訪れてくると言われています。このような未来が想定される中であるからこそ、国際都市としての魅力あるまちづくりが必要であると考えています。そのためには、外国人が個性や能力を発揮して多様な交流により地域とつながることが重要でございます。そして、日本人区民も外国人区民も互いに地域を支える主体として認め合い、地域の一員として安心して暮らせるまちづくりの主役となれる仕組みが大切になると考えております。  次に、来訪者を促すための外国人に向けた大田区の魅力、アピールポイントに関してのご質問でございますが、議員ご承知のとおり、大田区は23区の中では唯一、空港を有する区であり、その空港利用者数は国内外から年間8000万人強を誇る世界第5位の空港であること、また、隣接する跡地第1ゾーンは「新産業創造・発信拠点」として整備する予定であり、国内外の人・モノ・情報を呼び込み、地域の活性化とともに日本の成長に資するもので、大田区をはじめ国内各地の地域資源の魅力を集めて発信することによりまして、海外に向けての絶好のアピールになると考えております。観光や文化、スポーツなどの分野でも、アプリコ、総合体育館、ビーチバレーコートなど大田区の誇る施設がありますので、議員お話しのとおり、国内外からの集客を高めることによる区内消費への誘導を活発化させる、いわゆるMICEの推進に向けて民間との連携を行いながら、国内外からの関心を喚起してまいります。大田区が日本のゲートウェイであることを意識し、価値と魅力を発信していくことが大きなポイントであると考えているところでございます。  次に、国際交流協会の設立理由についてのご質問ですが、「国際都市おおた宣言」は、国際都市の定義をもとに、地域の担い手である区民の皆様とともに、地域力を結集して新たな時代を切り拓き、輝かしい未来に向かって進んでいきたいという思いから宣言したものでございます。議員お話しのとおり、この宣言を具現化するため協会を設立いたしますが、グローバル化が進む中で、区民の生活や価値観、ニーズが多様化してきております。これまでの行政が中心となって展開してきた国際交流や多文化共生活動だけでなく、区民が主体となった、より柔軟できめ細かい活動が求められており、地域の力を結集して対応していくための中間的支援組織として協会を設立いたします。主な協会の役割は、地域の力を有機的に結びつけるコーディネートだと考えております。したがいまして、多文化共生、国際交流、国際人材育成、国際協力などについて、地域力を活かして進めるもので、産業振興協会や観光協会とも連携・協働し、国際都市としての魅力あるまちづくりにつなげていきたいと思っております。  最後に、大田区での留学生に対する取り組みや外国人材の活用についてのご質問でございますが、区内には、日本工学院をはじめ、高い語学能力やすぐれた国際感覚などを持つ留学生が多く学んでおられます。区での取り組みでは、大田区の魅力を世界に広くPRしていただくため、今年度、来〜る大田区大使として、区内在住・在勤・在学などのゆかりのある外国籍の方32名を今年度委嘱し、うち7名が留学生の方となっております。また、大田区が抱える課題を具体的に協議する場として設置しております「多文化共生推進会議」においても、委員12名中4名の外国籍の方に参加していただき、外国人の目線から貴重なご意見をいただいております。  また、本区後援のもと、今年10月に開催されました東京青年会議所大田区委員会主催の「国際都市OTAの“輪”」の中では、留学生インターン生ネットワークの構築についての提言がございました。日本の大学の学部・修士課程から就職を希望する留学生がかなりいるとの調査結果がある中、就労支援や学習を継続できる環境を整えていくことが課題であると捉えています。そのような中で、設立予定の協会のネットワークを活かし、留学生をはじめとした外国籍の方が地域の人材として幅広い分野で活躍できるような検討をしてまいります。以上でございます。 ◎川上 産業経済部長 私からは、都市農園の担い手についてのご質問にお答えいたします。  国においては、青年層の新規就農への支援、経営感覚を持った農営者の育成・確保、次世代の担い手への円滑な経営継承等を掲げております。また、JA東京中央においても、平成31年4月に、協同組合の理解を深めて、みずから組合の民主的運営を進めるために、幅広い視野に立った担い手を育成することを目的としました組合員大学の開校を予定しております。区においても、担い手の確保は重要な課題であり、世代間による事業継承や法人組織を活用するなど、様々な担い手が確保できるよう国やJA東京中央と連携してまいります。私のほうから以上でございます。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 私からは、生産緑地指定に関する条例制定についてのご質問にお答えいたします。  議員お話しのとおり、平成28年5月に閣議決定されました「都市農業振興基本計画」により、都市農地の位置づけは、従来の宅地化すべきものから都市にあるべきものへと大きく転換いたしました。さらに、本年4月の都市緑地法改正により、農地は貴重な緑地として明確に位置づけられることとなりました。区は、緑の基本計画「グリーンプランおおた」の中で、「残された都市農地を守り、農風景を後世に伝えていくために、生産緑地地区など既存の法制度を活用する」と定めております。区は、平成4年から生産緑地の指定を行っておりますが、この指定は30年経過すると解除することが可能となるため、今後、農地から宅地への転用が進むことも想定されます。このような状況を踏まえ、区は、都市緑地の減少に歯止めをかけるとともに、小規模でも身近な農地として緑地機能を発揮できるよう、生産緑地地区指定の面積緩和が必要と考えております。平成30年第1回区議会定例会に地区指定の下限面積を緩和するための条例案を上程するため、現在準備を進めております。 ◎齋藤 都市基盤整備部長 私からは、呑川に関するご質問にお答えをいたします。  まず、呑川の貯留施設に関するご質問でございますが、呑川の水質浄化対策は、平成25年度より、東京都建設局・下水道局・環境局並びに流域自治体である世田谷区、目黒区との連携による施策を推進しているところでございます。また、東京都下水道局では、下水道事業の計画を定めた「経営計画2016」におきまして、呑川流域を合流式下水道の改善を推進する流域として位置づけまして、平成32年度までに着手する計画としております。なお、具体的な事業費及び事業期間については、現在、下水道局で検討しているところでございます。お話しのグリーンボンドにつきましては、一手法として東京都に早期に合流式下水道改善を推進していく一つの方法として、これらを活用した要望をしてまいります。  続きまして、貯留施設を設置する計画を早める取り組みといったようなところについてのご質問でございますが、区といたしましては、施工ヤードとしての東調布公園の活用や地元調整など、貯留施設設置を円滑に進めるために下水道局と連携をしてまいります。また、世田谷区、目黒区につきましては、現在も「呑川水質浄化対策研究会」の活動におきましてご協力をいただいておりますが、引き続き、透水性舗装や雨水浸透ますの設置など、流域対策のさらなる推進について、より一層の協力を求めてまいりたいと考えております。私からは以上でございます。 ○大森 議長 次に、34番黒沼良光議員。                  〔34番黒沼良光議員登壇〕(拍手) ◆34番(黒沼良光 議員) 日本共産党大田区議団の黒沼良光です。通告に従って順次質問します。  羽田空港跡地開発が区民の消費基盤と中小零細企業の崩れを食い止めるのに役に立つのか、技術活用できるのか、雇用増で消費基盤の確立を保証できるのかについて、まず伺います。  大田区まち・ひと・しごと創生総合戦略では、基本目標1「様々な産業を支える世界トップレベルの技術力の集積や、人と人とのつながりにより、新たなチャレンジが次々と生まれる創造のまちを目指す」として、その目標を製造品出荷額等が4110億円から5000億円以上、区内従業者数が35万9410人から36万1000人としています。具体的には、空港を含む臨海部で2115社から2300社以上としています。しかし、この目標は砂上の楼閣です。なぜなら、跡地第1ゾーンの特区構想に基づく「大田区企業立地促進計画(第二次)」に従来の大田区の中小企業の役割を否定し、ベンチャー企業に特化する内容が記されているからです。次のように記されています。「日本再興戦略改訂2014」に基づき、産業の新陳代謝でものづくり集積の再構築を図るためには、区内製造業の産業構造そのものを、より高付加価値型の産業構造へとシフトしていく必要がある。シフトの方向は、社会的課題の解決に資する健康関連産業(医療・福祉等)、環境・エネルギー関連産業、危機管理産業(防災・治安等)や、航空機関連産業、ロボット産業を指定集積業種として位置づけ、推進し、その先端技術を支えるためのものづくり基盤技術として区内企業との融合を図るという方向です。これらは明らかにベンチャー企業に特化した方向に新陳代謝を求め、高付加価値型産業構造へのシフトを求めています。これでは、まち・ひと・しごと創生総合戦略の製造品出荷額増も従業者数増も達成できません。これでは空港跡地栄えて区内は廃れることになりかねません。跡地はやはり、区の考えるような開発にではなく、以前区民との約束であった区民の広場にすべきです。  今年7月、地域未来投資促進法が施行されました。聞き慣れない法律ですが、いわゆる企業立地促進法を大きく変えて、地域経済牽引事業者への支援に特化をその内容にしてしまいました。地域経済牽引事業とは、医療・介護のビッグデータの活用、ロボット開発、無人自動車走行車のための規制緩和などで、総じて大企業のもうけ口を提供するものです。しかも、その推進を日本経団連の意向を受けた日本経済再生本部と経産省とまち・ひと・しごと創生本部事務局が提供するシステムです。名実ともに高付加価値の創出が要件で、圧倒的地域中小企業、小規模事業者を蚊帳の外に置き、一握りの稼ぐ力のある中核企業のみしか支援しない内容になっています。  しかも、地域未来投資促進法第15条に、承認を受けた事業者は自治体の長に提案でき、公共データのオープンデータとして提供を受けることができます。提案の中身には何ら制約がなく、行政の資源も使って思いのままにできます。これが特区です。つまり、これまでの産業集積支援を放棄し、成長分野のみに集中投資しようとするとんでもない内容です。大田区の羽田空港跡地第1ゾーン整備の運営事業者の提案概要は、まさにこの具体化です。  整備・運営事業者の鹿島建設と協力会社の一つトヨタ自動車は、日本経団連の未来産業・技術委員会の五つのワーキンググループのほとんどに加わっている企業です。鹿島とトヨタなどは、ICTを活用した新たな都市経営を実現するとしています。具体化の一つに、車のEV化と一緒になった自動操縦とロボットの実用化の普及などです。その上で、超小型電気自動車と、家とまちでエネルギーを電気で共有する社会を実現するために、跡地第1ゾーンを利用しようとするものです。ロボット研究開発企業の集積・交流は、実際に社会に取り組むロボット革命として、中小企業への小型汎用ロボットの導入、介護ロボット、郊外対応ロボット、災害対応ロボットなど、様々な分野のニーズに合わせたロボット導入で、2030年まで2600億円の市場をつくるという、これまた大企業のための空港跡地特区の活用です。  これらのITSモビリティ社会、ロボット研究開発の示すものは、大田区への波及効果どころか、ごくわずかなベンチャー企業だけしか生き残れない内容です。これまでも国を挙げて、強いものを育てよ、市場で勝ったものが生き残れば日本はいい経済になるという構造改革が進められ、大企業の中小企業いじめは一層野放しにされ、整理、淘汰の対象にされてきました。大田区の全数調査による企業数の減少はそのことを証明しており、さらに区内産業を衰退させるものです。  そこでお聞きします。大田区は羽田跡地計画でベンチャー企業に偏り、その集積を図り、新陳代謝、シフトについていかれない企業は必要としないのは切り捨てると同じことです。羽田跡地計画は、文化産業も含めて、まさに特区構想の世界で一番大企業が活動しやすいことを目的にした、大企業に便宜を図る開発になってしまっているのではないでしょうか、お答えください。  区内中小企業には先端技術やベンチャーへの転換だけを迫るのではなく、培ってきた技術と技能を発揮できて、中小企業、零細企業が生き残れて、雇用も増やし、経済波及効果が広がり、少子化克服の道へ進むことのできる大田区へこそ舵を切るべきです。  ここで日本共産党大田区議団の提案をさせていただきます。雇用の7割を占める中小企業が好循環にならない限り、日本経済も大田区経済も健全な成長を望めないという立場から提案します。日本共産党大田区議団は、区内中小企業を三つの角度から貴重な社会的価値があると見ています。第1は、技術水準の高さです。国宝級の技術者がいて、大田区のみならず日本の産業を今でも支えています。第2は、2015年の全数調査にもあるように、大田区の製造業集積の受注先が、区内主体が30%、京浜工業地帯中心に首都圏が約35%、ほか国内14%と依然全国に取引先を持っていて、日本のものづくり全体を支える役割を今でも果たしています。第3に、関東産業経済局のレポートとしてかつて出されましたが、地域社会を支える役割を強調し、大田区の工場集積は地域文化の担い手であり、地域諸活動の主体であり、地域の公共財、社会資本としての役割を担っているとあります。  大田区は、これら三つの特徴を改めて位置づけて、区内の技術を活かした自然再生エネルギー部門への思い切った取り組みを強めることです。その鍵となるのが経営者も含めた中小企業振興協議会の設置です。振興協議会から意見を取り入れてこそ具体的な支援策をつくっていくことができます。こうしてこそ、中小零細企業を守ることでまちも守り、大田区を守り発展させることになるのではないでしょうか、お答えください。  もう一つの大事な政策として、区内中小企業の今なお重要な部品加工の特質を活かしていくには、親会社との取引が公正に行われることです。下請代金法は単価の厳守を、下請振興法は下請に一定の仕事を発注し利益を保証するというものです。この下請二法の厳格な執行を大田区は政府に対して繰り返し要求していくことです。お答えください。  商業政策でも要望します。住宅リフォーム対策は全国市町村の9割で実施するまでに広がりました。今回は、この住宅リフォーム対策を発展させた商店リニューアル制度実施の提案です。商店リニューアル制度は全国に広がりを見せ、東京4区2市はじめ24都道府県78市町で実施されています。特に秋田県では、友好都市の美郷町はじめ64%の行政で実施されています。党区議団はこれまで幾度となく提案してまいりましたが、区内の事業者を条件に費用の50%、限度額100万円まで助成を求めます。助成額の何倍もの金額の仕事が区内の業者に回ってきます。区の繁盛店創出事業は昨年21店舗、1000万円台の実績でしかありません。全数調査での商店からの回収数は1914店舗、その39.5%、756店舗がやや魅力的店舗という調査結果です。これらの店舗がリニューアルにチャレンジし、魅力的な店舗になれば、繁盛店創出事業よりも桁違いの経済効果が期待されます。閉じているシャッター店をあけさせて、商店街を魅力的にすることもできます。区税収が増える展望も出てきます。お答えください。  次に、都市計画道路補助39号線は廃止こそ妥当との立場で質問します。  西糀谷一丁目の気象庁宿舎跡地約3000平米に、区長が以前、この本会議場で「民間の特養ホームの見通しが立ちました」と報告されました。ところが、この敷地には、面積3分の1を占める幅20メートル予定の都市計画道路が縦断しているために、都市計画道路の地上3階までしか建てられないという制限があります。そのため、計画道路を挟んでツインタワー形式の設計で進んでいるようです。補助39号線はまちづくりを妨害する役割を果たしています。  その補助39号線ですが、70年前、戦災復興院は敗戦から2か月後の1945年11月に設置され、戦災復興基本計画として決められたものです。1945年といえば、日本中が焦土と化し、国民は日々の生活が精いっぱいの時代で、国としても財政難で、都市計画決定したものの、補助39号線のような地域における細部の都市計画までは手が及ばなかったことにより、今日まで工事をめぐる動きはないまま来たのです。もはや焼け野原でなくなった今日、計画を実行しようとすれば、東蒲田のキネマ通りから始まる計画は、貴重な西糀谷一丁目の気象庁宿舎跡地を通過し、安楽寺の墓地をつぶし、私立パール幼稚園の敷地を削り、西糀谷の新築が並ぶ住宅、南蒲田、萩中の新築が多い住宅地をじゅうりんして進む計画になり、地域破壊計画となり、逆効果です。それでも大田区の言い分は「防災まちづくり上、必要」と言っています。  しかし、車用の道路を広げるだけが防災ではありません。防災の基本は、住宅を壊れにくく、燃えにくくし、車の道路ではなく、人の生活を中心にした「みち」を整備することです。具体的には、生活道路を少しずつ広げ、ミニ防災公園や公園を整備することなどです。この立場に立てば、補助39号線は必要ありません。それでも強引に進めようということは、道路が通れば道理が引っ込むということです。道理が通らないのに進めるのは、ほかに別の目的があると考えざるを得ません。それは、東京都の昨年の3月に発表された都市計画道路第四次計画にあるように、新たな開発であることがうかがえます。四次計画は、39号線の多摩川土手にぶつかる部分270メートルを計画内容再検討路線と位置づけて生き返らせようとしています。計画内容再検討路線にするには特別理由を必要としますが、その特別理由として、都県境で隣接都市と調整・検討が必要な路線としました。もともと土手で終わるはずの計画を、なぜ川崎と調整する必要が出てきたのでしょうか。新たな開発を考えて、大田区と川崎をつなげようとしているとしか今のところ考えられません。  もっと背景を探れば、東京都長期ビジョンに行き着きます。東京都長期ビジョンというのは、「世界をリードするグローバル都市」がうたい文句です。このビジョンを支えるのが環状メガロポリス構想、スーパー・メガリュージョン、そしてメガインフラの三つのメガなどです。メガインフラには羽田国際空港が組み込まれています。東京都が昨年発表した都市計画道路第四次計画中間のまとめは、激化する国際競争を勝ち抜くために、選択と集中で重点的道路整備を行い、効率的な都市づくりを目的にしており、その実現を目指す計画内容再検討路線の一つに補助39号線が挙げられたのです。  日本共産党のまちづくりの基本は、車中心の道路づくりではなく、人中心の「みち」をつくることです。「みち」とは、人が交わる中で、人々の交流、コミュニケーションの手段です。道路は車を流すための空間です。それは人と人とのつながりを引き裂く危険性を秘めています。人間的なまちづくりには「みちづくり」が最優先されなければなりません。また、防災まちづくりは、燃えにくくし、道を整備し、また防災意識を高め合い、市民コミュニケーションをつくり上げていくことです。具体的には、生活道路を少しずつ広げ、ミニ防災公園や公園を整備することなどです。  前回も申し上げましたが、都市計画法の改定で関係利権者の3分の2の賛同があれば東京都の都市計画審議会に廃止の提案ができるようになりました。実例としても外環道の地上部約300メートルで提案が都に受理されています。  戦災復興院の焼け野原時の計画を、焼け野原が一つもなくなった今の時代に実施しようというのは時代錯誤です。大企業の開発のためにではなく、特養建設のめどが立った今回をチャンスとして、区も公用地の有効活用のため、真のまちづくりのため、補助39号線は廃止の立場に立つべきです。お答えください。  次に、教育無償化について伺います。  国立社会保障・人口問題研究所の2015年調査、出生動向基本調査では、理想の子ども数を持たない理由について、「子育てや教育にお金がかかり過ぎるから」と回答しているのが30歳未満では76.5%、30から34歳は81.1%です。今回の総選挙で安倍総理は教育無償化を打ち出しましたが、教育費を年々減らしてきた安倍内閣でさえ、そう言わざるを得ないほど日本は教育にかかる私費が極めて高く、世界から見ると考えられないほど重くなっています。  日本共産党は、教育は子どもが人間らしく生きていくための重要な権利であり、家庭の経済力にかかわらず、全ての子どもたちに豊かに保障される必要があると考えています。国の制度で無償なのは、法律では授業料と教科書だけで、保護者の負担は、文部科学省調べで、公立小学生で年平均約10万2000円、公立中学生は同約16万7000円です。  全日本教職員組合(全教)の調査では、1742自治体中981の自治体から回答がありましたが、122自治体が給食費補助を行い、112自治体が修学旅行を含む全額肩代わり、97自治体が学用品費、教材費の一部を就学援助・生活保護制度とは別に補助しています。都内では、就学援助費の対策も含みますが、町田市が入学準備金を増額、豊島区も入学準備金を小学校1人当たり2万3890円を4万600円に、中学校は2万6860円を4万7400円に、文京区は返済不要の奨学金を増額しています。これは憲法の要請を自治体が率先して具体化していると言えます。  そこでお聞きします。大田区は就学援助費受給者と生活保護受給者以外、制度はないとのことですが、大田区も憲法の要請を先取りする立場にぜひ立っていただきたいと思います。日本共産党大田区議団は、都内や全国からの助成状況をも検討し、さらなる金銭的支援が喫緊の課題と考えます。一挙にできなくとも、教材無償化を段階的にも始めるべきです。そして、一刻も早く無償化を実現すべきです。お答えください。  最後に、蒲田西特別出張所改築計画について質問します。  この地域は、住民が出張所管内で六郷地域に次いで2番目に多い中心核となっている蒲田西地域です。その蒲田西特別出張所は都税事務所と一緒になり、都区合同庁舎になる案が委員会で報告されました。出張所跡地は長寿命化改修工事を行い、蒲田西地区地域活動拠点として平成30年度にどのように使うか決めたいとの報告がありました。地域の皆さんが心配していた老朽化の蒲田西特別出張所は、1966年に建築され51年目になります。エレベーターがなく、住民には不便でした。「一刻も早く改修を」と地域からも要望の出ていたものです。  また、この計画では、蒲田西特別出張所跡地と都税事務所仮事務所が建てられる予定の区民センター跡地の新蒲田一丁目西側が空き地になります。蒲田西特別出張所跡地は蒲田西地区地域活動拠点として、新蒲田一丁目西側は都税事務所仮使用後に蒲田西地区の総合的まちづくり活用施設となり、平成33年、34年度取り壊し後、検討することになっています。  お聞きします。二つの跡地計画では、保育園、区営住宅や特養ホームなど区民の要望が出ていますし、「集会所施設がなかなかとれない」との声が多く出ています。これから住民の皆さんへの説明が始まりますが、広く住民に知らせるためにも、また多くの声を計画に反映させていくためにも、土日や夜間など住民が参加しやすい説明会を、パブリックコメントのみならず徹底して行うよう求めます。お答えください。  総務省では、「公共施設等の総合的かつ計画的な管理の推進について」(平成26年4月22日付け大臣通達)により公共施設等総合管理計画の策定を要請しています。それに基づいてつくられたのが大田区公共施設等マネジメントです。政府が全国的には「人口減少・少子化等により今後の公共施設等の利用需要が変化していくことが見込まれる」を理由に、財政負担を軽減・平準化するために公共施設の総量規制を行うものです。大田区公共施設等マネジメントの公共施設適正配置方針では、今後45年間で公共施設は床面積で1割程度削減すること、また、未利用地、跡地の有効活用や売却による新たな財源確保が出されていますが、今後の人口予想でも、微増でありますが、増えると予想していますので、それに見合った施設整備計画が求められています。  お聞きします。まだまだ公共施設は足りません。公共施設適正配置方針による削減の計画を改め、区民の声に応えた公共施設の建設を進めるべきです。お答えください。  以上で終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、公共施設の整備に関する二つの質問にお答えをさせていただきます。  まず、蒲田西特別出張所の改築計画に関する住民説明会に関するご質問でございますが、これまでも公共施設の改築に当たりましては、周辺にお住まいの方や施設を利用される方などを対象といたしまして、平日の夜間や土曜日、日曜日などを含め、複数回の説明会を開催させていただいているところでございます。蒲田西特別出張所の改築に当たりましても、引き続き同様に取り組んでまいりたいと考えてございます。  続きまして、公共施設の建設に関するご質問でございますが、将来を見据えて安定的かつ計画的に公共施設を適正に配置し、区民の利便性向上により一層努め、良質なサービスを提供していくことは重要なことであると認識をしてございます。現在、区が保有する公共施設のうち6割以上が整備後30年以上経過した施設となってございまして、今後20年のうちに多くの施設が更新時期を迎えることとなります。公共施設適正配置方針は、こうした状況を踏まえ、今後の施設整備の方向性を示し、地域や行政の課題を解決していくための一つの方策として取りまとめたものでございまして、施設の適正配置の実現や、施設重視から機能重視への転換による施設の集約及び有効活用などを定めたものでございます。区は、この考え方をもとに、地域の実情なども踏まえつつ、公共施設の適正配置を進め、将来を見据えた持続可能な公共施設の整備に取り組んでまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。 ◎川上 産業経済部長 私からは、産業に関する3問に順次お答えいたします。  まず、いわゆる下請二法につきましてのご質問でございます。国においては、これらの法整備とともに、様々な取り組みを行うことで下請取引の適正化を推進しております。例えば、「下請適正取引等推進のためのガイドライン」は、これまでに17業種で策定され、改訂を重ねております。さらに、いわゆる下請Gメンなどは、平成29年1月から下請中小企業への訪問調査を開始しています。このほか、東京都中小企業振興公社においては、下請取引に関する苦情及び紛争についての相談、調停、あっせんを行っております。また、区では、「ビジネスサポート」により下請中小企業からのご相談に対応するとともに、国や都の相談窓口のご紹介をしております。このように、下請二法の適正な執行に向けては多様な取り組みが行われており、区としましては、今後も引き続きこうした取り組みについて注視してまいります。  次に、商店リニューアル制度のご質問でございます。区では、繁盛店創出事業としまして、経営指導や店舗デザインなどの専門家の診断に基づいて行う店舗改修や宣伝広報等に対象経費の2分の1、50万円を限度として助成しております。この事業を通じて店舗を改修した結果、明るい雰囲気になり、お客様が増え、売り上げが倍増したなど評価をいただいており、専門家ならではの視点で繁盛店を創出しております。区では、引き続き魅力あふれる店舗づくりや集客力アップなどを目的とする繁盛店創出事業に取り組んでまいります。ご提案の住宅リフォーム対策を発展させた商店リニューアル制度を創設する考えはございません。  最後に、中小企業振興協議会を設置し中小企業を守ることについてのご質問でございます。大田区のものづくり企業は、日頃培った高い技術力を武器に、幅広い市場への参入に挑戦し続けることで、日本のものづくりを支えるとともに、大田のブランド力を高めてきたと考えております。区は、個々の企業の努力や挑戦を後押しし、取引につながる機会が創出されるような支援に力を入れてまいりました。技術を活かした自然再生エネルギー等の新技術については、新製品・新技術開発支援事業により支援しているところでございます。  また、議員ご提案の中小企業振興協議会の設置についてでございますが、区としましては、区内各地域の工業団体を取りまとめております一般社団法人大田工業連合会がその役割を担っているものと考えております。区は引き続き、大田工業連合会と連携・協力し、大田区産業振興協会の機能も活かしながら、区内ものづくり産業の振興に取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 私からは、都市計画道路に関するご質問にお答えいたします。  区部の都市計画道路は、昭和21年の戦災復興計画を基本とするものでございますが、東京都は昭和25年の初回見直し以来、昭和39年、41年、56年にそれぞれ社会経済情勢を踏まえた見直しを実施してまいりました。さらに、平成16年と平成28年には、東京都と区が協力し、「都市計画道路の整備方針」を策定する中で、その必要性の検証を全面的に行ったところでございます。  議員お話しの都市計画道路補助39号線は、木造住宅が密集するため、特に不燃化を推進すべきとされる不燃化特区のエリアを南北に貫く道路でございます。不燃化特区エリアの不燃領域率は、平成27年の参考値で62%であり、平成32年度の目標値70%に向けて、建て替え助成などの利用促進に努めているところでございます。また、火災の延焼を遮断するには、建物同士の離隔をとることが重要で、このエリアでは、震災時の初期段階の延焼を防止し、避難路を確保するために、地区計画で定める重要な道路に6メートルの空間を確保することとしております。さらに、首都直下地震などによる大規模火災を想定すると、延焼火災の危険性の高いこのような地区においては、火災延焼を防ぐ効果の大きい幅員20メートルの都市計画道路の整備は、延焼遮断帯を形成し、防災性を向上させる役割を果たすため重要と考えております。  なお、都市計画道路補助39号線の南端は多摩川河川区域の手前までであり、多摩川河川上に都市計画は定められておりません。以上でございます。 ◎白鳥 空港まちづくり本部長 私のほうからは、羽田空港跡地第1ゾーンについてのご質問にお答えさせていただきます。この件につきましては、これまで何回もご説明申し上げており、繰り返しになるところも多くなりますが、お答えをさせていただきます。  羽田空港跡地は、高度なものづくり技術を有する中小企業が集積する京浜臨海部に位置し、24時間国際拠点空港である羽田空港に隣接するなどのすぐれた立地特性を活かした、この場所でしかできない取り組みが求められております。国内外から企業、人材、情報を呼び込み、交流させることで、区内中小企業にとってもビジネスチャンスが広がることが期待されるところでございます。このような背景をもとに、区は「羽田空港跡地第1ゾーン整備方針」を定め、「新産業創造・発信拠点の形成」をコンセプトに、その基本方針の第1番目に「中小企業と多様な主体との協創により、新製品・新技術を創出する」旨を盛り込みました。事業予定者の提案内容もこの点を反映し、健康医療、ロボティクス、先端モビリティの三つの先端産業分野を展開し、新産業の創造と発信を図るものとなっております。  また、文化産業の面においても、立地を活かし、インバウンドを意識した事業をはじめ、多様な集客を想定した事業が盛り込まれております。加えて、羽田空港や跡地第2ゾーン、区内市街地との回遊性も念頭に置き、機能連携を図ることで、さらに跡地の魅力向上と区内への波及効果などの相乗効果が見込めるものと考えております。「新産業創造・発信拠点」が区の産業の存在感を高め、その集積の強化に寄与するものとなるよう、引き続き取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎水井 教育総務部長 私からは、教材費の負担軽減についてのご質問にお答えします。  教材費は、生活保護世帯には全額が生活保護制度により支給されており、就学援助事業においても、都区財政調整制度の積算単価をベースとして、所得に見合う額を支給しているところでございます。したがって、現時点では、区として独自財源をもって教材費の負担軽減を拡大する予定はございません。 ○大森 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後3時21分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後3時45分開議 ○大森 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、会議時間を延長しておきます。  質問を続けます。49番北澤潤子議員。                  〔49番北澤潤子議員登壇〕(拍手) ◆49番(北澤潤子 議員) 大田・生活者ネットワーク、北澤潤子です。  虐待をなくし、予期せぬ妊娠による不安や絶望を救うために、特別養子縁組制度の推進に向けて質問させていただきます。  大田区は児童相談所設置の準備に取りかかっていますが、私たちは、言うまでもなく児童虐待を何とかなくしたい、予防したいと考えます。厚生労働省の出した子ども虐待による死亡事例等の検証結果の第13次報告によると、平成27年の虐待死は84人、このうち心中以外の虐待死は0歳が57.7%と最も多く、さらに月齢4か月未満児が約60%を占めています。加害者は実の母親であることが最も多く、また、そのほとんどが母子手帳未交付、妊婦健診未受診です。母親の抱える問題として、望まない妊娠、予期しない妊娠が高い割合を占めています。妊娠の悩み相談・支援活動をしている妊娠SOS相談の報告によると、その背景には貧困、家庭内の複雑な事情、性暴力の被害、近年では出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する性被害が増えているそうです。また、性産業従事、精神疾患、社会からの孤立などの問題が絡み合っているといいます。  大田区では、産科に緊急搬送された未受診妊婦の連絡を受けると、入院中から保健師と子ども家庭支援センターがかかわり、母子手帳を交付し、特定妊婦と位置づけ、その後のことを一緒に考えていく体制をつくっています。大田区が把握した未受診妊婦は、平成25年度が1人、26年度は2人、27年度は5人、28年度は6人で、15歳、16歳の女性も含まれています。28年度の例で言うと、母子家庭において高校生が風呂で出産、妊娠には母親は気がついていなかった例、出産費用がかかるからと自宅で3人目を産んだ例があります。産科とのかかわりを持たずに、どこかで産んでしまっている場合は把握ができていません。どこにも相談することができず、追い込まれ、絶望的になる女性の存在やその背景について想像する必要があります。妊産婦の自殺率は同世代の一般女性の約3分の2、妊娠2か月での自殺が突出して高いことが総合母子保健センター愛育病院の報告にはあります。早い時期からの支援体制が必要です。  特別養子縁組制度は、1988年、子どもの利益のために民法に追加された制度です。家庭裁判所の審判により、法律上、実の親子同様の関係をつくることができ、戸籍上の表記も実子と同じように「子」「長男」「長女」と示され、産みの親の親権は停止、親権は養う親、養親に移ります。一方、普通養子縁組や里親制度では、親権は産みの親に残ります。  愛知県の児童相談所は、30年余りの間、育てることのできない人に代わって、親になりたいという意思のある人が、性別も問わない、病気や障害の可能性があっても親になる気持ちは変わらないという厳しい条件のもと、赤ちゃんの親になる特別養子縁組、いわゆる赤ちゃん縁組を取り持ってきています。例えば、こういう事例をお聞きしました。たった1回の暴力で予期しない妊娠に至った高校生。両親にも打ち明けられずに一人苦しみ続け、自殺を図るつもりで遺書まで書いていたそうです。母親がいつもの様子と違う娘に気がつき、自殺は阻止できましたが、発見が遅く、もう妊娠7か月過ぎ。母親は愛知県の児童相談所のことを新聞で知り、連絡をとり、「生まれてくる赤ちゃんを幸せに育ててくれる方を紹介してほしい。被害者である高校生の娘は、とても子どもを育てることはできない」と相談したそうです。  児童相談所の職員は、長年不妊治療をしても子どもに恵まれず、ぜひ子どもを授かりたいという方と連絡をとり、双方の橋渡しをしました。このときの児童福祉司は、高校生に「予期せぬ妊娠は大変だったけれど、赤ちゃんを授かりたいと願っている夫婦のためにコウノトリの役をしてあげるのだと考えよう」と声をかけたそうです。高校生は家から遠く離れた産院で無事出産、養親との交流の後、赤ちゃんを託しました。高校生は無事学生生活に戻ることができ、自分がコウノトリになれたこと、赤ちゃんにはとてもいいお父さんとお母さんができたことを喜び、将来は福祉の道にという希望も抱いたそうです。  特別養子縁組制度は、赤ちゃんの命を救うばかりか、実親も養親も皆幸せになれる、三者ともによしの制度と言えます。子どもが成長するために最も大事なのは、生後すぐから一貫して子どもを愛し育む保護者であり、親と子が愛着の絆を結ぶことです。欧米では、社会的養護はパーマネンシーケア(恒久的な家庭での養育)が最優先とされ、国の児童福祉施策の主軸と言われています。しかし、日本においては、ほとんどの児童相談所では、育てられない子どもは産院から直接乳児院への措置が多い実態があります。愛情渇望や愛着障害、また、望まない出産ゆえに虐待を受けてしまってから乳児院に送られた場合などは、人格形成や発育に悪影響を及ぼす可能性が高く、後に養育里親に託しても、その心の問題が赤ちゃん返りや激しい試し行動となり、里親はその任に耐えられず、不調に至ることも少なくないのです。子どものための福祉行政は、愛着障害についての視点に目を向け、新生児期からの特別養子縁組制度の活用により、子どもにとっての最善の養育環境を考えるべきです。そのためには、民間団体との連携、里親開拓とフォローアップ体制を充実する必要があります。  お聞きします。東京都の児童相談所では、育てられない子どもは、ほとんどの場合、乳児院に措置され、3歳になったら児童養護施設に移されるという道筋を進みます。養育里親に委託するとしても早くて四、五か月の後が普通だとのこと、重要な新生児期の養育環境として問題を感じざるを得ません。相談窓口を設置して妊娠中からの支援、特別養子縁組制度の情報提供とあっせんなど、サポート体制を構築するべきだと考えます。今はまだ児童相談所がないので、子ども家庭支援センターがその役割を果たしながら、児相設置に向けての研究と準備をすることはできないでしょうか。  赤ちゃんを匿名で預け入れる国内唯一の施設「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)には、運用開始から10年、2015年までの9年間に全国から125人の命が託されました。市の検証によると、そのうち約半数が自宅で産んでおり、医療施設以外での出産理由を「経済的理由で病院を受診しなかった」とあるそうです。母親の年齢では、20代が36%と最も多かったそうです。中絶費用がない、また、未成年者の場合は保護者の同意がないと中絶手術が受けられないので、複雑な家庭環境や虐待のある家庭などで保護者に相談ができず、産まざるを得なくなるということもあるでしょう。
     社会全体の格差と貧困の拡大は、この二、三十年の間、確実に進んでいますが、パートや派遣で働く非正規労働者が全労働者の4割で、低賃金、無貯金、不安定雇用は生活を圧迫しています。例えば東京の場合、最低賃金でフルタイムで働いた場合、月収は15万円、手取り12万円です。平成27年度の可処分所得の中央値が245万円、母子家庭の平均年間就労収入は180万円です。しかも、妊娠期あるいは出産後に一時的に働けなくなる期間は、その間のパート収入が減り、家計に大きな影響を及ぼすという問題もあります。  お聞きします。実母の抱える問題として、妊婦健診未受診があります。非課税世帯や生活保護受給者ではなくても、生活が困窮している場合、妊娠判定のための産婦人科初回受診料の自費8000円から9000円の負担はかなり厳しいのです。大田区の場合は、医療機関で受診をして妊娠証明をもらわないと母子手帳の交付が受けられず、母子手帳と同時に配られる妊婦健診検査補助券14回分がもらえないので、その後の妊婦健診に行けなくなることが容易に考えられます。未受診妊婦をなくすためには初回受診料の無料化が必要だと考えますが、いかがですか。  また、これは全ての母親に対してですが、手助けしてくれる人のいない中での1人での乳幼児の子育ては困難で、虐待に結びつくこともあるのです。出産時に赤ちゃんグッズをもらえる「かるがも」という制度がありますが、赤ちゃんグッズ限定ではなく、家事援助サービス券も選べるようにはできないでしょうか。  出産費用は50万円から80万円かかる中で、健康保険に加入していれば出産一時金42万円の補助がありますが、やはり自己負担分もかなりなものです。経済的な厳しさはストレスの増大にもなります。最も精神の不安定な時期です。命の誕生に際しての母親を支える行政支援が必要だと考えます。日本では報告されているだけで年間約18万件の中絶があり、年間の出生数98万人に比較しても大きな数字と言えます。大田区の二十歳未満の人工中絶の件数は、平成26年35件、27年54件、28年は59件と増えています。この中には経済的な理由で、本当は産みたかった、でも産めなかったということもあるのではないでしょうか。  危機的状況の人への支援の情報提供のあり方についてお聞きします。  望まない妊娠で苦しむ女性が、助けを求める場所をすぐに思い浮かべることができるでしょうか。どんな案件であっても相談に乗り、継続して寄り添い、産めないのであれば医療機関につなぎ、産む場合は母子ともに安全に出産し、その後の生活を一緒に考え、その人にとって最善の社会資源に結びつけることができるように支援の手を差し伸べてくれる機関との出会いが必要です。年中無休で夜間も対応する「にんしんSOS東京」、また、大田区保健所や子ども家庭支援センターなど、連絡先がわかるようなカードを、手にとりやすい場所、例えばコンビニ、ファストフード店、ネットカフェ、ゲームセンターなどに協力をしていただき、置いてもらうことはできないでしょうか。また、性被害の直後であれば、警察か性暴力被害支援センターなどワンストップの窓口に相談し、救急医療を受けるという情報を得ておくことが必要です。  先に例を出した愛知県児童相談センターでは、この30年間に173組の親子を結びつけてきたそうです。仕組みも充実させてきています。出産前からの養親への引き継ぎを丁寧にサポートするほか、里親さんが外出などで子どもの養育ができないときや、養育に疲れ休息が必要なときなど、子どもを施設やほかの里親さんに一時的に預かってもらうレスパイトケア、また、各児童相談センターには、里親さんご自身の体調不良時など、子育てや家事の助っ人をお願いできる里親ヘルパーが登録されています。毎月、児童相談センターごとに里親サロンが開催され、里親さん同士の交流、研修会、職員や周囲の福祉関係者をつなぐ場にもなっているそうです。  虐待の厳しい現実に直面している児童相談所の職員が、またその職域でできる最大限の力を出して、幸せな家庭をつくり出すお手伝いをしているということに敬意を感じるものです。虐待の問題は社会の問題を映し出していると言えます。抜本的な貧困対策を目指しながら、虐待の連鎖を一つずつとめていくためにも、母子支援を強化し、子どもの最善の利益を追求する大田区の福祉行政でありたいと思います。  以上で質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎渡邉 保健所長 私からは、妊娠、出産に関するご質問に順次お答えいたします。  妊婦健診の初回受診料の無料化についてのご質問ですが、妊婦健診受診票は、妊娠届出をされた妊婦の方へ母子健康手帳と一緒に交付しております。妊娠の有無の確認診断となる初回の受診は、妊娠届を提出する前の時点での受診となるため、その受診に要する費用の無料化は困難と考えます。  次に、出産育児支援事業「かるがも」で妊婦面接を受けた方に配付している「妊婦さん子育て応援グッズ」に関してのご質問ですが、現在、玩具や食器などの赤ちゃんグッズのほか、赤ちゃんグッズなどをしっかり収納できるマザーズバッグや抱っこひもなど、妊産婦向けの品ぞろえも充実した商品カタログの中から妊産婦の方が希望する商品を選んでいただいております。妊婦面接時にカタログを手にした妊婦から喜びの声を窓口で直接頂戴することも少なくありません。この子育て応援グッズの提供事業は、現在、全額東京都の補助金を活用し実施しているところですが、都の補助が平成31年度末で縮小する見込みであることから、今後、そのあり方について検討する予定です。その際、妊産婦のニーズを把握し、適切に対応してまいります。  次に、妊娠に関する相談先についてのご質問ですが、妊娠に関しての悩みがある方ができるだけ早期に相談できるよう、相談窓口を周知することは非常に重要でございます。東京都は、妊娠や出産に関する様々な悩みについて、電話やメールで相談に応ずる窓口「妊娠相談ほっとライン」を運営し、電話相談を月曜日から土曜日の午前10時から午後10時まで受け付けております。区では、都がその窓口の周知を図るために作成した手に持ちやすい名刺サイズのカードを保健所その他関連窓口で配布しております。今後、区内施設をはじめ、相談ニーズのある方の目に触れやすい場所等への配布も含め、「妊娠相談ほっとライン」の周知の拡充に向けて東京都と連携し、適切に対応してまいります。私からのお答えは以上です。 ◎後藤 こども家庭部長 私からは、特別養子縁組制度についてのご質問にお答えいたします。  特別養子縁組では、お子さんと養い親との間で実の親子としての法的な関係が成立し、特に、精神的、経済的にも養育が困難な未成年者の思いがけない妊娠に対して有効な手段の一つであると考えております。一方で、特別養子縁組では、養い親の年齢要件や原則実父母の同意が必要となるほか、議員お話しのような子どもの赤ちゃん返りや試し行動などへの対応の難しさから、マッチングがなかなか進まないケースが多く、平成28年度における成立件数は全国で495件と少ない状況にあります。このような中、区では、先週の土曜日に、品川児童相談所と共催し、養子縁組を目的としない養育家庭制度、いわゆる里親の体験発表会を開催し、民生委員・児童委員をはじめ、多くの区民の方にご参加いただきました。これら特別養子縁組や里親については、昨年の児童福祉法の改正を受けまとめられた「新しい社会的養育ビジョン」の中で、家庭的養育の重要性がうたわれております。今後、区が児童相談所を設置し、主体的に取り組む立場になることを踏まえ、これまで以上に児童相談所との連携を図り、本制度に対する理解促進や、担い手の開拓に向けた情報提供などの普及・啓発に力を入れてまいります。私からは以上です。 ○大森 議長 次に、38番山崎勝広議員。                  〔38番山崎勝広議員登壇〕(拍手) ◆38番(山崎勝広 議員) 大田区議会民進党の山崎でございます。  今年もあと一月、振り返れば民進党混乱の1年でありましたが、会派同僚議員2名とともに、私ども、民進党に所属をしながら、引き続き区民のために頑張ってまいりたいと思っておりますので、改めましてよろしくお願い申し上げます。  本日は、まず初めに保育園の建て替えについて伺ってまいります。  一昨年まとめられた「大田区公共施設白書」、昨年策定された「大田区公共施設適正配置方針」、そして「大田区公共施設等マネジメント 今後の取り組み」、この3冊が完成したことで、大田区の喫緊の課題である公共施設の更新問題への対応が大きく動き出しています。中でも、適正配置方針で複合化の目標等が示されました特別出張所や学校施設につきましては、長寿命化も含めて、改築への計画的な検討、整備が進んでいるように思います。  一方、保育園については、待機児童解消を目指し、新規開設を中心に急ピッチで整備が進んでおります。また、公共施設白書等で特に老朽化が進んでいるとされた施設、耐震対策が必要と判断されていた施設につきましては、順次改築も進められております。ただ、区立として建てられた保育園は、それ以外の施設でも昭和40年から50年代に整備されたものが多く、建物や設備の老朽化、破損、また、それに伴う危険箇所などが目立ち始め、関係者から子どもたちの生活や安全が脅かされる事態も生じているとの話も聞いております。  このような中、本日質問させていただきたいのは、区立保育園の民営化により社会福祉法人等に区から土地、建物の貸与が行われている民立民営の保育園についてであります。これらの園と区との間では、建物、設備は区の所有財産なので、修繕や建て替え計画は区が計画的に行うことが確認されております。園にとってメリットが大きな仕組みだと考えておりましたが、園側が早急な修繕や建て替えが必要だと考えましても、区有財産である施設を園みずからが自由に工事を行うこができないため、逆に困っているとの声も聞きます。  区内初の民立民営園が誕生してから10年が過ぎましたが、現在まで修繕や建て替えについての具体的な計画は示されておりません。現在、民営化されている保育園26園のうち、民立民営園は15園、今後民営化される予定園の8割も民立民営園であります。今後、個別の計画は示されるのか伺います。  もう1点、自治体によりましては、公立保育園の民営化に際し、老朽化した公立園舎、設備を大田区のような貸与ではなく、無償または低廉な有償譲渡としているケースも珍しくないようであります。その場合の園側のメリットとしては、国の保育所等整備補助金が利用できることなどが挙げられます。自治体側としましても、PFI等により民間の能力を活用しながら、公立保育園の民営化と待機児解消を同時的に進めることなど、メリットも少なくないようであります。公立保育園の民間への譲渡について区はどのようにお考えか、お聞かせください。  次に、AEDの設置について伺います。  日本において、医療従事者でなくともAEDを使用することができるようになったのが2004年7月のことですが、その後のAEDの普及のスピードには驚かされます。大田区内においては、区立施設はもちろん、駅、金融機関、商業施設、医療機関、企業、町会会館、マンションなど、民間の様々な施設にAEDが設置をされております。順調にAEDの設置数が増える中、一般市民によるAEDを含めた救命処置実施率も、劇的とまでは言えないにしても着実に向上しています。  9月から11月にかけまして、私の住む六郷地域でも各町会ごとに防災訓練が実施されましたが、今や訓練メニューの定番が、各消防署、消防団の指導のもとに行われるAEDを使用した応急救護訓練であります。消防署、消防団は、普通救命講習、上級救命講習等の普及にも積極的に取り組んでいます。救命処置実施率の向上は、AEDの設置数の増加とあわせて、こうした取り組みが後押しをしているのだと思っております。  AEDによる蘇生処置を搬送前に一般市民から受けた場合、救命され社会復帰できる割合が2倍以上にもなることが解析されています。今後も引き続きAEDの普及が望まれるところでありますが、そのために解決すべきことがあります。その一つは、設置されている場所がわかりづらいという問題、二つ目は、開設時間の関係から公共施設や事業所等に設置されているAEDが夜間や施設休館日に使用できないという問題です。この二つの問題を解決するために、他の自治体で実施されているのがコンビニエンスストアヘのAED設置の取り組みであります。他会派の多くの皆様や私自身も数年前からこの問題を取り上げていますが、コンビニにATMがあるのが当たり前のように、AEDがあることが当たり前になれば、区内の救命処置実施率の向上に必ずつながると考えられます。  伺います。24時間AED設置補助事業により、町会・自治会館を中心に、24時間使用可能なAEDの設置が区内で進んでおります。ただ、残念ながら、誰もがわかりやすいコンビニエンスストアヘの設置にはこの事業がなかなかつながっていません。区内のコンビニエンスストアの数は既に400店舗を超えているようでありますが、コンビニへの設置には、他の自治体で行われているようなコンビニエンスストア各社と区が協定を結ぶことが必要だと考えます。コンビニエンスストアへのAED設置について区のお考えをお聞かせください。  もう1点伺います。公共施設に設置されているAEDについて、24時間AED設置補助を受けた施設でも活用されているAEDの屋外型収納ボックスを使い、できるだけ屋外へ移設することはできないものなのか、お聞かせください。  次の質問に移ります。多くの人が訪れたい、住みたい、住み続けたいと思うまちづくりを進める視点から、田中議員も先ほど触れられましたが、シティプロモーションについて伺います。  ブームとも言うべき、全国でシティプロモーションに取り組む自治体が相次いでおります。少子化、高齢化が進み、人口が減少していく中で、各都市はにぎわいや活気を維持するために、居住地として、観光地として、ビジネスの場として、選択される都市を目指す必要に迫られており、他の都市との競争を余儀なくされております。このような中、交流人口のみならず、定住人口の増加にもつながる手法として、地域ブランドの創出、シティプロモーション、シティセールスといった方法が注目をされ、一気に全国に取り組みが広がっております。  大田区においても、この春から広聴広報課内にシティプロモーション担当係長が設置をされ、大田ブランディング・シティプロモーション戦略の策定に向けての取り組みが始まりました。大田区を含め、現在自治体で行われているシティプロモーションの多くは、観光スポットや特産品といったまちのセールスポイントを外部へ発信し、名前を知ってもらうことや、訪れてもらうことを目指して進められております。そのために、ご当地グルメやキャラクターをつくり、売り出していくといったこともよくある手法であります。このように、外部を対象とした外向きの取り組みもよいのですが、私は、大田区のシティプロモーションの目的は、むしろ住民の地域愛を高めることによる地域活性化に力点を置くべきだと考えております。  子育て、教育など住環境のブランド化を進め、人口増につながった自治体の成功例などが注目をされております。伺いますが、既に地域で生活している多くの住民に対する取り組みをより重視し、地域活性化を進めることで、外部からの視線を集めることを優先的に考えるべきであると考えます。区の所見をお聞かせください。  地域ブランドの調査ランキングの常連となっている函館、京都、札幌、横浜など、これらの観光都市を大田区が目指す必要はもちろんありません。ただ、これら外からの都市イメージがよいまちの住民は、やはり自分が住む都市に関心と愛着が深いようであります。大田という名前の駅も、まちもない大田区が、大田区という都市ブランドをつくり上げる。簡単ではなさそうでありますが、選ばれるまちになることは、そのまちに暮らす誇りにつながり、まちのよさを誰かに勧めたいといった強い思いに行き着きます。大田ブランディング・シティプロモーション戦略策定に向け、今後、コンサルティング業者が決定をし、外部有識者を交えた審議会も始まるそうでありますが、大田区がこれまで以上に選ばれるまちになるために、住民の共感が得られ、また外部からも称賛されて住民が誇りに思える、そんな地域資源の掘り起こしが行われることに期待をしております。  なお、具体的な提案につきましては、この後、黒川議員からも質問いたしますので、あわせてよろしくお願い申し上げます。  以上で質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、シティプロモーションに関するご質問にお答えをさせていただきます。  シティプロモーションで重視する取り組みということでございますが、議員お話しのとおり、他の自治体の事例では、観光や施設面などのハードの分野に限らず、子育て、教育などソフト面の施策を魅力として捉え、プロモーションを行っている自治体もございます。区におきましても、他自治体にはない独自の施策を実施しているものもございまして、それらを区の魅力として発信し、自分の住んでいる自治体の魅力を感じていただくこともシビックプライドの醸成に結びつくものと考えているところでございます。地域で生活する区民一人ひとりが大田区に抱く誇りや愛着を高めることを含め、今後もシティプロモーションの取り組みを進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎杉坂 健康政策部長 私からは、AEDの設置に関する2点のご質問に順次お答えをさせていただきます。  まず、コンビニエンスストアなど24時間使えるわかりやすい場所へのAEDの設置促進についてでございますが、区は、28年度から、民間団体等が24時間誰でも使える状態でAEDを設置する際の購入費用を補助するなど、積極的に取り組んでいるところでございます。現在、補助制度の内容につきまして区報等により広く周知をするとともに、自治会・町会やコンビニエンスストアなど地域の様々な団体へ個別に説明を行っているところでございますが、引き続き補助制度を活用した設置促進に取り組んでまいります。あわせて、設置場所や利用可能時間を区のホームページに掲示し、いざというときに使えるAEDを検索しやすくしたところでございます。今後、来訪者の目にとまる共通ステッカーの貼付を検討するなど、設置場所の周知にも努めてまいります。  次に、区施設に設置しているAEDの屋外への移設についてでございますが、夜間など閉庁時にも使えるよう、現在のAEDのリース契約の更新時期に合わせまして、地域庁舎や特別出張所等から順次進める方向で検討してまいりたいと考えているところでございます。なお、屋外への移設に当たりましては、主に屋内での利用が想定される施設等に配慮をするとともに、現在調査をしております民間施設等のAEDを含めて、24時間使用可能なAEDが区内にバランスよく配置されるよう検討をしてまいります。私からは以上でございます。 ◎後藤 こども家庭部長 私からは、民営化園に関する二つのご質問にお答えいたします。  初めに、民営化園の建て替え計画についてですが、議員お話しのとおり、複合化施設や耐震指数の悪い保育園の建て替えにつきましては、大田区公共施設整備計画(後期)におきまして、現在建設・計画中の羽田、仲六郷、新蒲田保育園のほか、大森西保育園と南馬込保育園が、今後、計画的な更新が必要な施設として示されております。現時点では、それ以外の施設については、民営化園も含め個別の建て替え計画はございません。区の保育園は、そのほとんどが昭和40年代から50年代に竣工されており、今後、耐用年数や個別の施設の状況を踏まえ、民営化園も含めた建て替え計画の策定について関係部局と調整してまいります。  次に、区立保育園建物の民間への譲渡についてでございます。議員お話しのとおり、横浜市では、公立保育園の民営化に当たって、土地については無償貸し付け、建物については不動産鑑定評価額に応じて有償譲渡した事例がございます。民間への建物譲渡については、建て替えに伴う建設コストや継続運営のための維持管理コストなどの観点で、区としても財政上のメリットがあると考えております。一方で、保育園舎を民間法人へ譲渡することで、保育以外の行政需要の変化に伴う区有地の柔軟な活用の支障にならないよう、適切な貸し付け条件や中長期的な視点での保育ニーズ、その他の行政需要を見極める必要がございます。今後、他自治体の取り組み事例などから、課題や効果につきまして関係部局と連携し研究してまいります。私からは以上でございます。 ○大森 議長 次に、50番馬橋靖世議員。                  〔50番馬橋靖世議員登壇〕(拍手) ◆50番(馬橋靖世 議員) 大田無所属の会の馬橋靖世でございます。山崎議員と黒川議員の民進党リレー質問の間になぜか挟んでいただいて、大変恐縮ではありますが、質問通告に則って、きょうは6問、質問をさせていただきたいというふうに思っています。間に、先日、特別委員会でスポーツ王国秋田に視察に行かせていただきまして、そのときの勉強してきた内容ですとか、あとは文部科学省だったりスポーツ庁が出している資料から少し引用しながら、ちょっと取りとめのないお話も挟ませていただきながら、質問と提案をさせていただきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。  文部科学省では、2011年施行のスポーツ基本法に基づいて、2012年からスポーツ基本計画をスタートさせてきています。計画は5か年で進められており、ちょうど本年3月、29年の3月から第2期がスタートをしています。この間、東京五輪招致の決定やスポーツ庁の創設、あと障がい者スポーツが厚生労働省からスポーツ庁、文部科学省のほうに移管をされたりとか、いろいろ環境が変わってきているということもあります。スポーツ基本計画のポイントとして文部科学省のほうで挙げているのは、やはり一つ、この間の大きな成果として、スポーツの価値を具現化して、それを発信してきたということを挙げています。そもそも日本人が従来スポーツと言われて連想するのは、やっぱり運動、あとは学校の体育、こういったところとどうしても結びついて考えられているわけでありますが、なかなかその概念の枠を超えられずに今もいるのではないかなというふうに思っています。  そうした中で、スポーツの価値を具現化することの一つとして、例えば経済的な指標を示しています。関連するスポーツツーリズム産業に関して言えば、2204億円から2025年には3800億円、また、スポーツ市場規模そのものに関しては、現在5.5兆円だそうなんですが、2025年には15兆円産業に膨れ上がるというような指標を示しています。こうした数字に基づいて、民間企業などが続々と新規参入をして、もしくはまた新しいサービスを展開したりする中で、スポーツを通した地域の活性化を目指していけるのではないかなというふうに私は思っています。  さて、そういった中で、大田区でもスポーツ健康都市宣言を行い、この間スポーツ振興に取り組んできました。おおた未来プラン10年(後期)でも、目標として「スポーツ健康都市宣言にふさわしい、スポーツを通じて健康で豊かに暮らせるまちをつくります」としています。その中で個別の目標の主な事業としていくつか挙げていますが、今回は総合型地域スポーツクラブの設立・運営支援についてとスポーツ施設の整備充実について、この二つに主眼を置いて質問させていただきます。  まず初めに、これまで大田区内では、スポーツができる施設についても、運営手法の一つとして指定管理による委託を行ってきています。例えば、こらぼ大森や大田区総合体育館などの指定管理者制度を活用した公共施設管理について、これまで大田区としての実績などを踏まえた評価をお知らせいただきたいと思います。  もう一つ、ここで改めて現在の国内のスポーツに関する環境についていくつか状況を確認しておきたいと思っています。先ほど申し上げたスポーツ庁、文部科学省のほうで、総合型地域スポーツクラブの在り方に関する検討会議というのが行われまして、そこで審議の内容が提言として出ています。その中で、総合型地域スポーツクラブを取り巻く状況としては、一つはやっぱり少子高齢化の問題があります。この30年間、昭和59年(1984年)の出生率で言うと1.81だったんですが、そこから30年間で1.26にまで下がってしまっています。一つは少子高齢化の問題と、もう一つはやっぱり人口減少の問題があります。総人口は平成20年(2008年)を境に減少局面に入ってきているわけなんですけれども、2020年代初めは毎年60万人程度減少していくそうであります。これが2040年代に入ると毎年100万人程度の減少スピードに加速をして、このままいくと100年後には日本の人口は5000万人を切るという中で、スポーツ、スポーツと言っても、その選手人口がどんどん減っているという背景も、これは無視できない現状であります。  そこで、直近で重要な役割を持ってくるのが、先ほど来申し上げているとおり、総合型地域スポーツクラブであると私は思っています。これは、スポーツ基本法制定の前身であるスポーツ振興基本計画というのがあったんですが、その中ででき上がってきたという歴史を持つ仕組みであります。これについては、課題と同時に大きな可能性をはらんでいるというふうに私は思っています。先日、これは先ほども申し上げましたが、特別委員会で秋田県に視察に行かせていただいて、秋田県ではスポーツ王国秋田を標榜して、現在73個の総合型地域スポーツクラブが活躍をしています。ちょっと秋田県のご紹介をしたいんですが、秋田県スポーツ推進計画という計画を出していまして、五つの連携・協働ということでサイクルをしています。一つが全国や世界のひのき舞台で活躍できる選手の育成と強化ということで、簡単に言うと、ジュニア期、子どもの頃からオリンピックでメダルがとれるような、そんな選手を一貫して育てていこうというような取り組みを県としてやっています。最新科学を駆使した、もしくは医療的、科学的なサポートをしながらスポーツの選手としてのクオリティーを上げていくというのが一つ目。  二つ目が学校と地域における子どものスポーツ機会の充実ということで、これは一般のというか、県民の方たちが、どんな世代もいろんな種目に簡単に触れ合えるような、そういったスポーツ環境をつくっていきましょうというのが二つ目です。ここに総合型地域スポーツクラブという言葉がたくさん出てくるんです。  三つ目がライフステージに応じたスポーツ活動の推進ということで、ここでは今度は子どもの教育期から青年もしくは壮年期、もしくは高齢期も、スポーツを通じて健康づくりをしたりとか、スポーツを通じて自分の人生を豊かにしたりとかというところ、ここについても総合型地域スポーツクラブがたくさん取り上げられています。  四つ目がスポーツを活用した地域の活性化ということで、今度はスポーツという一つのツールを使って、地域の方たちとの様々なコミュニケーションツールにしていこうというような使い方もしていて、これにも総合型地域スポーツクラブはたくさん登場します。  最後、五つ目は住民が主体的に参画できる地域のスポーツ環境の整備ということで、コミュニティの中心となるような総合型の地域スポーツクラブをつくっていこうという考えになっています。一番最初のアスリートを育てるというところから、結局、ぐるっと回って、指導者だったりとか、クラブマネジャーだったりとか、そういった方々に秋田県に戻ってきてほしいという思いがあって、この施策をつくったというふうに話を聞いてきました。  一番おもしろい取り組みだなと思ったのは、各町村単位で73個のスポーツクラブが活躍をしているんですが、活躍をするフィールドがしっかりと確保されているというところが大きな要因だと思います。例えば、廃校した後の学校だったりとか、公民館とか、そういった公共施設を基盤として、各クラブが単一で様々な自主事業を展開することで、若者からお年寄りまで多くの県民が気軽にスポーツに触れ合える環境が整備されています。  こうした先進事例について大田区としての研究を進めているのかどうか、もし把握をしていなければぜひ研究してみていただきたいと思いますが、ご所見をお伺いしたいと思います。  そもそも、未来プラン10年では、総合型地域スポーツクラブの設立・運営支援について重点課題として挙がっていますが、なかなか大田区としては実績が出てきていないのが実情であります。先ほどご紹介したのは平成28年の総合型地域スポーツクラブの有識者会議というものなんですが、平成21年にも文部科学省が同じように総合型地域スポーツクラブに関する有識者会議の審議結果として提言を出しています。その後、形を変えて先ほどご紹介をした在り方検討会議というものに変わっているんですが、これはいずれも総合型地域スポーツクラブの一番の課題としては活動場所の確保の困難さを挙げています。  これだけ何年も時間がたっている中でも、同じようにスポーツ環境づくりの難しさというのが浮き彫りになってきているわけですが、まずは大田区として、今まで以上にスポーツができる環境づくり、これはたくさん言われると思うんですが、求められている中での大田区としての今後の計画を教えていただきたいと思います。  サッカーや野球、ソフトボールなど広い用地が必要になる種目などは、特に新しい施設整備をすることが難しいというふうに思います。そこで、既存の学校開放施設が鍵になるというふうに思いますが、学校開放施設を利用したことがある方はわかると思うんですが、既に活動するスポーツ少年団などとの調整や対話が非常に難しいのが現状でありまして、また、今度はちょっと逆なんですけれども、先ほどご紹介した平成21年の総合型地域スポーツクラブに関する有識者会議では、単一種目の例えば何とかサッカークラブとか、何とかベースボールクラブとか、そういったスポーツ少年団なども、今後は総合型地域スポーツクラブの一つのシーズとして捉えていかなければいけないというふうに提言があったんですが、28年度の在り方検討会議の答申の中では、少子化のあおりの中で、各クラブが選手の人口を確保できなくて、存続の危機にさらされているクラブがたくさんあるというふうに報告をしています。実際に私の地域のベースボールクラブも単一でチームを組むことができなくて、お隣のチームとくっついて一緒に野球をやっているという例もたくさん出てきてしまっています。  そういった中で、新しいスキームを考えて活用していくことが大切だというふうに思っているんですが、特に個別の例を挙げさせていただくと、今度多摩川の駅前に複合施設ができることになっています。そこにはスポーツ施設も入る予定なんですが、例えばこういった新しくできてくる施設に関しては、先ほどの秋田の例を一つ研究していただいて、例えば総合型地域スポーツクラブに運営・運用・指定管理を含めたやり方をいろいろと検討しながら任せて、自主的な事業を通して、その地域の多くの世代の方たちが様々なスポーツに気軽に触れ合えるような、そういった環境整備を各地域ごとに起こしていくことが必要ではないかなというふうに考えますが、いかがでしょうか。  また、そうした現状に対応するために、今ある学校開放施設などについてもさらなる有効活用が必要だというふうに考えています。これも文部科学省が出している資料ですけれども、そのポイントの中で、学校施設やオープンスペースの有効活用ということで、これはスポーツ庁が出しているんですが、ポイントに挙げています。こういったところをうまくやっていかなければいけないんですが、現在の状況だと、副校長先生がほとんどだと思うんですが、紙の台帳で全部管理をしていて、空き教室だったりとか、空いている時間のグラウンドだったりとかというものを必ずしも有効に活用しきれていないのではないかなというふうに感じています。当然、学校は教育施設ですから、スポーツのためにあるものではないんですが、これからスポーツを推進していきたいという大田区の思いを体現するためには、今の大田区の環境ではこれも必要なことではないかなというふうに思っています。こうした中で、新たな体制づくりも必要と考えていますが、いかがでしょうか。  余計なことをしゃべり過ぎて時間がなくなってきてしまっているんですが、これまでの課題を整理すると、従来の方法では、スポーツ基本法に基づくスポーツ基本計画、もしくは大田区のスポーツ健康都市宣言も、いいことをたくさん言っても絵に描いた餅になってしまうというような状況があると思います。そうした中で、しっかりと考えていただきたいと思っています。  最後に、総合型地域スポーツクラブの環境確保が困難な状況から、学校開放施設が鍵になるというのは先ほど来申し上げているとおりでありますが、その中で、やっぱりどうしても今の状況ではキャパシティーに限界がある状況であります。区内の公園などもますます球技ができない、そういった窮屈な状況になってきている中で、やはり校庭のナイター施設などの設置促進や、また体育館の建て替え時などには施設の拡充をしたりとか、複合化をしたりして機能の積み増しを行っていただきたいというふうに思っていますが、これについてのご所見をお伺いしたいと思っています。  最後になりますが、本来であればスポーツ施設と学校教育施設というのは全く別で、それぞれが十分に確保できることが一番ベストであるとは思いますが、それが今、現状として大田区内でできていない中で、教育委員会とスポーツ関係部署とのますますの連携、連動が必要になってくるというふうに思っています。ぜひ大田区内のスポーツ振興にさらに力を入れていただきたいと要望させていただいて、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、指定管理者制度を活用した公共施設管理についてのご質問にお答えをいたします。  公共施設の管理に当たりましては、指定管理者制度も含め、最適な施設運営手法を選択し、区民サービスの向上に取り組んでいくことが重要であると認識をしてございます。区では、平成29年4月1日現在、143の施設に指定管理者制度を導入してございます。これらの施設につきましては、モニタリングを実施し、指定管理者が提供するサービス水準の維持向上を図るとともに、適切な管理状況を確保しているところでございます。区といたしましては、指定管理者制度の導入により、民間が保有するノウハウの活用を通じ、区民サービスの向上と効率的な施設運営が図られているものと認識をしてございます。私からは以上でございます。 ◎町田 スポーツ・文化担当部長 私からは、総合型地域スポーツクラブ等に関する三つの質問についてお答えをいたします。  まず、総合型地域スポーツクラブによる環境整備など、先進事例について研究しているかとのご質問ですが、スポーツ庁のホームページなどで紹介されている全国の先進事例を参考としているほか、今年度は長野県の上田市にある地域スポーツクラブを視察し、早朝に市の体育館や公民館を有効利用したヨガ教室を開催するなど、自主事業を展開している先進事例を学んでまいりました。こうした先進事例を大田区の総合型地域スポーツクラブと共有し、新たな視点での取り組みを奨励することで、区民のスポーツ実施率の向上が図れるものと考えます。引き続き、各地の先進事例を研究し、区民がスポーツに触れ合える環境整備に努めてまいります。  続きまして、今まで以上にスポーツができる環境づくりに関するご質問ですが、地域スポーツの活性化や区民のスポーツ実施率を向上させるためには、身近な場所で手軽にスポーツに親しめる環境のさらなる整備が必要であると考えております。大田区においても、総合型地域スポーツクラブの設立を目指す団体が、スポーツに親しめる場所として、廃校となった学校施設を転用した区民活動支援施設で区民向けのスポーツ事業を実施している事例がございます。このように、区民がスポーツに親しむ場のさらなる創出に向けては、今年度、新たなスポーツ推進計画を策定する中で、学校や公園、民間のスポーツ施設など身近な施設の活用について検討を進めております。引き続き、部局を超えた連携のもと、これまで以上にスポーツに取り組むことができる環境整備に努めてまいります。  最後に、総合型地域スポーツクラブに施設管理の一部を任せてはどうかとの質問でございますけれども、施設運営に求められることは、適切な施設管理に加え、自主事業などを通じて、より多くの区民の皆様がスポーツに取り組む機会を創出することと考えております。現在、既に五つの総合型地域スポーツクラブが、身近な地域でスポーツに取り組む区民の受け皿として役割を担っていただいております。区では、総合型地域スポーツクラブの運営支援のため、経営手法や地域において果たすべき役割などの研修を実施しており、その組織や機能のさらなる強化を図っております。区民のスポーツを支える上で重要な主体である総合型地域スポーツクラブが自主・自律していく中で、施設運営の担い手に育っていくことも期待しております。以上でございます。 ◎水井 教育総務部長 私からは、学校施設の地域開放についてのご質問にお答えいたします。  まず、学校施設の地域開放における新たな体制づくりについてのご質問ですが、現在、利用希望が非常に多くなっており、主に副校長が担当となって利用希望団体を集めて会議を開催し、調整を行っている現状がございます。一方、区内の総合型地域スポーツクラブの中には、民間企業が地域貢献活動の一環として整備した体育館の管理運営業務を受託し、区民向けのスポーツプログラムの提供についても実施している例がございます。学校の教育活動を確保し、現在利用している団体の活動を尊重しながら、こうした事例を参考に地域開放の充実をさらに推進することができないか、その可能性について検討してまいりたいと存じます。  次に、学校の体育施設のスポーツ開放に向けた機能の拡充についてのご質問ですが、スポーツ健康都市の名にふさわしいスポーツ環境を整備していくことは、区民の健康増進や青少年の健全育成に大変重要なことでございます。学校改築時に羽田中学校、嶺町小学校において更衣室やシャワー室を設置したほか、現在、設計中の学校についてもこれらの設備を計画して、施設開放のための機能拡充を図っているところでございます。今後も、改築等の機会を捉えて、より多くの区民の皆様にご利用いただけるよう施設の充実を図ってまいりたいと考えておりますが、例えばナイター設備については、夜間の騒音や光源のまぶしさ等がございます。近隣の生活環境への影響も少なからず生じるため、学校ごとに異なる条件の中で、近隣への影響を考えながら設置の可否を判断していく必要がございます。教育委員会といたしましては、今後も関連部局と連携して、学校ごとに異なる条件を踏まえながら、区民のスポーツの機会の充実に向け努力してまいります。 ○大森 議長 次に、39番黒川 仁議員。                  〔39番黒川 仁議員登壇〕(拍手) ◆39番(黒川仁 議員) 大田区議会民進党の黒川 仁です。  先日、テレビで明石家さんまさんがロングインタビューを受けられていました。その中で、「人にすごく腹が立つことがあるか」との問いに対し、「ないないない。人に対して嫉妬心がないから。自分を過信してないし。人に腹を立たすやつってあほ。人を怒らすやつってあほ」と言われ、「そう思えば腹が立たないか」との問いに対しまして、「腹を立てられる器でもない。そんなに偉くない。腹を立てて怒りたい人は自分のことを偉いと思っている」とおっしゃっていました。議員のアンガーマネジメントや議場でのとまらないやじが注目される中、非常にすばらしいお考えだと思い、つかみでお話をいたしました。  それでは、通告どおり、オリパラ、シティプロモ、子どもの貧困について質問いたします。  東京オリパラまで1000日を切りました。区内でも様々なイベントが開催をされています。先月19日には、スポーツ健康都市宣言記念事業と東京2020公認プログラムとして、第9回OTAウォーキングが開かれました。大田区役所をスタートして、ふる浜や平和の森公園などの新スポーツ健康ゾーンを経由して、大田文化の森にゴールする約7.5キロのコースでありました。  400名以上の参加者の中、最後にゴールされた方は、目が不自由な年配の男性でありました。参加者の中には車椅子の方や乳母車を引いて参加される方もおられました。大田文化の森では、野菜と花の品評会と収穫祭が同時に開催されていて、そこにも賑わいが生まれておりました。OTAウォーキングのように、玉川議員もおっしゃっていましたけれども、誰もが参加できるユニバーサルスポーツが区内でより多く開催されること、そして、部局の壁を超えて様々なイベントがコラボレーションされることをお願いして本題に入ります。  ある自治体では、大田区と比べて、第70回都民体育大会でも大した成績を残しておりませんが、臆面もなくスポーツと人情が熱いまちを標榜されております。大田区では、都民体育大会男女ともに2年連続で総合1位、女子はホームページで見る限り8年連続で総合1位を維持しております。スポーツ先進区の大田区として、東京オリパラやその前年に開催されるラグビーワールドカップ、そして来年の平昌冬季オリパラと、さらに気運醸成をしていく必要があります。  しかし、オリパラに関しては、毎回同じように様々な問題が指摘されております。2017年5月現在で経費の総額は約1兆8500億円ですが、今後まだまだ上昇していく可能性があります。ほかにも、オリンピック村再開発や招致をめぐる買収の問題など、疑惑は後を絶ちません。情報公開に重きを置く小池都知事がこれらの課題を全てオープンにされることを期待しております。  そこで3点質問いたします。区は東京都のオリパラ準備局に職員を派遣しておりますが、その仕事の内容はどのようなものか、そして大田区にどう還元していくのかを1点目に伺います。  東京都の今年度予算を見ると、羽田空港の機能拡張を前提にした様々な施策が盛り込まれております。実際に飛行機が都心上空を飛ぶことになる場合、バードストライクの危険性の観点からも、東京都立東京港野鳥公園の中防への移転や、中防と空港跡地を含めた一体的な空港関連施設の整備、そして羽田の再々拡張など、実現可能性は低くても検討の議論の俎上にのせていく必要があります。そして、何度も申し上げますが、大田区京浜島は4年前にスポーツ祭東京2013の正式競技、カヌーの聖地であり、カヌー競技の全国規模の大会開催実績がある都内の自治体は、スポーツ先進区、大田区だけでしょう。  そして2点目、伺います。カヌーやボート、乗馬に関してもイベントの開催などを通じて広く周知に努めるべきと考えますが、いかがでしょうか、質問いたします。  海の森水上競技場は、オリパラ後に年間30大会、利用者35万人を見込んでいる一方で、年間1.6兆円の赤字になるとされています。施設の維持管理はノウハウのある大田区との連携が好ましいと考えますし、空港機能強化やスポーツ先進区の大田区として、未来志向の提案も東京都にしていただくことを強く要望しておきます。  先月行われた「アスリート大集合!スポーツフェスinおおた」に関して、最後に3点目、伺います。オリパラに向けて様々なスポーツを盛り込んだすばらしいイベントだと感じる一方で、民間企業だけではなく、もっと区内のスポーツ関係団体を巻き込んでいく必要性を感じましたが、区の見解を伺います。  オリパラ担当課だけで走っても生まれるものは少ないですが、先ほどのOTAウォーキングのように様々な部局を巻き込んだイベントを今後していただくことを改めて要望しておきます。  次に、シティプロモーション戦略の策定、(仮称)Catching Ota Promotionについて質問いたします。  「おおたの魅力」を総合化し、さらに発信力を強化するイメージ戦略を策定することで、定住化の促進、区の認知度・イメージの明確化、区内回遊性の向上を図り、地域経済の活性化につなげることを事業の目的・狙いとしております。要するに、おおたの魅力を一本化して、ヒト・カネ・モノ・情報を区内に集めることが急務になっていると私は解釈しております。7月から庁内検討会を立ち上げ、専門事業者の募集、決定、審議会の開催と進んでいく予定となっております。庁内検討会や審議会というと、役所や地元のお偉いさんが集まって話し合いをするイメージがあります。それはそれで大変すばらしいことだと思いますけれども、今回の戦略策定は大田の未来を左右する非常に重要なことであると認識しております。ぜひとも、大田区の若い力を集めて、斬新なアイデアを集めるような庁内検討会や審議会にしていただきたいと思います。  その大前提として、トップの柔軟な発想と責任感が必要であります。今年、総務財政委員会で行政視察に行った広島県尾道市では、市の若い職員10名ほどが部局横断的に集まって、高齢者政策に関する様々なアイデアを出し合って実際の政策に結びつける話を聞いてまいりました。そこにも最後は責任をとることになる副区長のトップダウンによって部局の壁がなくなる姿がありました。  ぜひとも、若い力を集めて戦略の策定に当たっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
     今後、大田区の魅力を総合化するなど話し合いの場も必要ですが、もっとまちに出て具体的なイベントを仕掛けていくことも必要であります。羽田空港や池上本門寺、田園調布、町工場など、大田区の売りは星の数ほどありますが、私は毎回三つに絞って提案しております。それは、寂れたスナック・小料理屋、そしてギョーザ、ゴジラであります。  スナックには今も輝き続ける光があります。急勾配の路地に密集する飲み屋街、「『地獄谷』で乾杯!」と題して週刊現代の12月2日号でも特集をされております。冒頭のカラー10ページをかけて紹介されています。池上にもしょんべん横丁という有名な横丁があります。スナックを回遊できるようなシステムをつくっていく。例えば、お酒に「酔う会」と「妖怪」をかけて、ママの写真入り「酔う会カード」をつくってみる。あるいは宇都宮や浜松を超えるギョーザの消費量1位を目指す。ゴジラの足跡やゴジラのフィギュアを大田区各地点に置くなど、そして被災地支援で交流が深まる東松島市と連携をした大田ホヤホヤカキ祭など、検討の余地があると思いますが、いかがでしょうか。ぜひ具体的に一歩動いていただくことを強く要望いたします。  最後に、子どもの貧困について質問いたします。  今年3月に策定した「おおた子どもの生活応援プラン」を区民の皆様に広く理解していただくために意識啓発事業をされています。役所では、職員研修をはじめ、生活福祉課や公立・私立の保育園長会など各課職場研修を実施されております。また、地域においては、希望する地域活動団体への出前講座を開いて都内でも注目を集めております。地域と行政が手を携えて子どもの貧困問題に取り組むには、区が目指す姿、対応方針を区民の皆様にしっかりと示し、正しい理解を得る必要があり、出前講座は非常に意義深いものと考えております。一方で、子どもとその家庭を支える方々と対話することで見えてきた課題もあると思います。  そこで伺います。この意識啓発事業の出前講座について、その内容と区民との直接的な対話から見えてきた課題についてお聞かせください。  法政大学の湯浅 誠教授は、「『つくる』と『求める』はセットであって、つくりながら求めることで迫力のある動きにつながっていく」とおっしゃっています。子ども食堂や学習支援、スクールソーシャルワーカーの拡充も無論大切ですが、先ほど申し上げたスナックは、子どもの貧困を考える上でもキーステーションとなる場であると身をもって感じます。ぜひ、区長と副区長の力強いリーダーシップのもとに、失敗を恐れず、今ある資源を活用したスポーツとスナックが熱いまちなど、大胆な一歩を期待して質問を終わります。以上です。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、シティプロモーションに関するご質問にお答えをさせていただきます。  まず、シティプロモーション戦略の策定に当たっては、若い力を集めて検討すべきとのご質問でございますが、外部の有識者や産業団体などで構成する審議会については、若手人材の参画も視野に入れ、現在、委員構成の検討を行っているところでございます。また、庁内組織の検討におきましても、関係部局からの推薦により、今後の検討会では若手職員の意見を求める予定としているところでございます。シティプロモーションの検討に当たりましては、柔軟な発想をできるだけ取り入れ、若い力の活用を積極的に検討してまいりたいと考えてございます。  続きまして、シティプロモーションに関する具体的なご提案をいただきました。議員のお話にもありましたように、皆さんが知っているおおたの魅力や知らなかったおおたの魅力、知ってほしいおおたの魅力を整理、発掘、構築し、新しい魅力を生み出していくことは、シティプロモーション戦略を検討する上で重要であると考えてございます。今後も柔軟な発想のもと、大田区ならではのシティプロモーションを検討してまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。 ◎町田 スポーツ・文化担当部長 私からは、オリンピック・パラリンピックに関する三つの質問にお答えをいたします。  まず、都への区職員派遣に関するご質問ですが、区では、平成26年度より副参事1名を東京都オリンピック・パラリンピック準備局に派遣しております。主に大会組織委員会とオリンピック・パラリンピック準備局との連絡調整業務を担う課長として、都や組織委員会が発信する情報をより詳細に大田区に提供してまいりました。また、リオオリンピック大会期間中に現地に派遣された経験を活かし、昨年の部課長会では、視察した競技会場周辺や繁華街での賑わい創出の取り組みや課題についての報告を行いました。以前に派遣されていた副参事は、区の東京オリンピック・パラリンピック推進担当課長に戻り、派遣時に得た知識や経験、都や組織委員会との人脈を活かし、都の最新情報や他自治体の動向をいち早く確認するなど、区の事業実施に活かしております。  次に、海の森で実施される競技に関するご質問でございますが、区では、本年の区報7月1日号で、海の森会場で実施される馬術、ボート、カヌーの三つの競技内容を紹介しました。また、11月の0TAふれあいフェスタでは、パラリンピックのボート競技の体験会も実施いたしました。今までも海の森で行われる競技の魅力を伝えてまいりましたが、さらに周知を図っていく必要があると思っております。今後は、競技団体に協力を求め、区民に競技を知り魅力を感じてもらえるような体験会を行ってまいります。また、区内で体験が難しい馬術などは、競技についての映像や大会の写真などを紹介するほか、トップアスリートによる講演会を行うなど、様々な方法で魅力を伝えてまいります。中央防波堤埋立地の海の森にある競技会場は、ホッケー会場の次に大田区に近接した会場であることから、区民にとってより身近な競技として認識していただけるよう、プレ大会などの機会に多くの区民が会場で観戦することでスピード感、臨場感を味わっていただけるよう、これら3競技についても引き続き気運醸成に取り組んでまいります。  三つ目でございます。大会1000日前イベントについてのご質問でございますが、今回の1000日前イベントでは、民間企業と共同で実施することで民間企業の持つノウハウが活用できたことや規模を拡大して実施できたことなど、一定の成果があったと認識しております。一方、文部科学省の定める第2期スポーツ基本計画では、スポーツの主役は国民であり、その国民にスポーツの機会を提供する主体として、スポーツ団体、民間事業者、地方自治体、国等が一体となって施策を推進することが一億総スポーツ社会の実現のために必要だとしております。これを受けて、区においてもスポーツ推進計画の改定を進めており、オリンピック・パラリンピックの気運醸成の取り組みにおいても、多様な主体が連携し、議員お話しのような相乗効果が得られると考えております。今後、予定している大会2年前イベント、500日前イベント、体験会等の事業に当たりましては、区内のスポーツ団体等との連携をさらに強化してまいります。以上でございます。 ◎西山 福祉支援担当部長 私からは、意識啓発事業「出前講座」に関するご質問にお答えいたします。  本事業は、おおた子どもの生活応援プランについて、区民の皆様に説明するとともに、社会的包摂の考え方を共有することによって、支援の輪の広がりを推進することを目的として実施しております。講座では、相対的貧困に対する考え方、生活実態調査結果、プランに掲げる施策を説明し、区民と行政が支援にどう取り組むか意見交換を行いました。意見交換を通して、地域の中でいかに子どもたちを育んでいくかという意見が出されております。生活困難層に該当する子どもたちは、ありのままの自分を受け止め、声をかけてくれる身近な人の存在や、自分が大切にされていると実感できることが必要であると言われております。区は、学習支援などに取り組む団体を把握するため、社会資源調査を行い、現在集計中です。今後は調査結果などを活かし、活動団体が子ども一人ひとりの実態に応じた支援が行えるよう、ネットワークづくりに取り組んでまいります。 ○大森 議長 福祉支援担当部長、答弁の途中ですが、所定の時間が参りましたので終了願います。  次に、48番湯本良太郎議員。                  〔48番湯本良太郎議員登壇〕(拍手) ◆48番(湯本良太郎 議員) 闘う改革の会の湯本でございます。質問通告に従い、闘う一般質問を行います。ぜひ期待感の持てる答弁をお願いいたします。  まず初めに、大森西三丁目、大森町共栄会の区道陥没事故についてお伺いをいたします。  事故直前から復旧までの様子を事故現場付近にてご商売をされている方々に聞くと、大きな音がして、直下型地震が来たかのような感覚に陥ったが、揺れがない。何が起きたかのみ込めない状況だったが、異変に気づき店の外に出ると、左後輪が沈み、右後輪が浮いている状況のミキサー車が目の前にあったそうです。「左に傾いた車両が店舗側に倒れてくるのではないかと心配になるくらいの傾き方だった。道が大きく陥没しており、陥没の範囲が広がり、店舗や住宅まで広がるのではないかと懸念をした」と回想をされている方々もおりました。「事故発生後、警察や大田区の関係者が駆けつけ、区道は人、車両ともに通行止めとなり、陥没したミキサー車を引き上げるための手配を大田区の方がしていた」と語っておりました。  ミキサー車の車種を調べると8トン車であることが判明をし、この8トン車のミキサー車を吊るクレーン車が到着をするまでに2時間半から3時間くらいかかったそうで、8トン車がこの生活道路を頻繁に出入りすることへの懸念を抱いたという率直な思いを近隣住民の皆様は口々に語っております。この陥没箇所の補修が行われ、事故発生が15時前後、仮復旧が大体22時ぐらいであったということであります。  近隣住民の皆さんが懸念されているのは今後の対応であると考えます。今回の陥没は何が原因であったのか、事故発生現場の前は現在マンション建設中であり、脱輪をしてしまった8トン車のような建設関係の大型車両が頻繁に通り、事故現場に20センチほどのくぼみが確認され、その様子を心配していたら陥没事故が発生したという近隣住民の声もあり、マンション建設に起因して事故が発生したという可能性と、現況の区道整備がなされてから約30年ほど経過をしておりますので、経年劣化により陥没したという可能性、またはその他の事由や複合的に様々な要因が重なり、今回の事故につながったということも考えられます。仮に経年劣化がこのような事故を引き起こす要因となったのであれば、次にこの区道で同じような事故が発生しないかという懸念があるということになります。  区民の安心・安全な生活環境をつくり出すことは区政の重要な役割であります。大田区は区道の現状を確認していると伺っておりますが、書面等で近隣住民に今回の事故の原因や今後の安全確保についてのお知らせを配布することや、建設関係車両が過積載とならないような対応を求めることなどを要望している区民の声があります。区としてどのような対応を考えているのか、お伺いをいたします。  改めて大森町共栄会を事故後に歩いてみましたが、路面はブロックの浮き沈みがあり、通行人がつまずく様子も確認できました。経年劣化が進んでいるようでしたら区道の再整備も検討すべきと考えますが、大田区の考えをお伺いいたします。  次に、キャリア教育についてお伺いをいたします。  なぜキャリア教育が必要なのか、文部科学省によると、学校での生活や学び、進路選択に対する目的意識の希薄さを解消することを理由としています。では、学校での生活や学び、進路選択に対する目的意識の希薄さを解消すると、子どもたちにどんな変化が期待できるのかについて少し触れさせていただきます。  普通科に通う高校生に対し、入学した動機を尋ねると、約6割の生徒が「自分の学力に合っているから」と回答し、「自分のやりたい勉強ができる、自分の個性が伸ばせる」と回答した子どもは15%に満たなかったそうであります。また、大学生に大学への進学理由を尋ねると、「すぐに社会に出るのが不安、自由な時間を得たい、周囲の人が皆行くので」と考える傾向にあるそうです。  人の行動意欲には動機が大きくかかわってきます。目的がはっきりしない中で進学をし、勉強をして、この学びが一体何の役に立つのだろうかという疑問を感じる学生が少なくはないと考えます。事実、私自身もそのようなことを感じながら中学・高校生活を送っておりましたし、全くもって学習意欲がわかず、日々もやもやしていたことを今でも覚えております。何となくわかっていたことは、偏差値の高い大学へ進学しないとよい企業に就職できない、だから嫌々でもこの嫌な勉強をしなければならないということぐらいです。今になって考えれば、よい企業とは何か、仕事とは何か、そもそも社会の仕組みもわからない高校生がそれらを考えるにはあまりにも情報が不足をしていたように思えます。  大田区立中学校では、キャリア教育として2年生時に3日から5日間の職場体験を実施しております。キャリア教育を教育現場だけで完結させることは困難でありますから、この3日から5日間の体験を通じて仕事や社会の仕組みに触れるアプローチの仕方を学び、子どもたちが体験をした職種以外の仕事にも積極的に触れる機会を保護者や社会がつくっていくことが重要だと考えます。  それとともに感じるのは、キャリア教育のあり方に地域性という視点は必要ないのだろうかと考えることがあります。日本全国にはそれぞれの地場産業というものがあるように、大田区にも他の市区町村と異なり、特化した地域性があります。一つの例を挙げると、大田区の代表的な特徴として、ものづくりが挙げられます。ものづくりの現場は、子どもが一般的に触れる機会はあまりないと思いますが、触れてみると楽しさや、そこまでやるかというくらいにこだわった仕事をしている企業が多く、その仕事の繊細さと技術の高さに驚かされることがよくあります。さらに、そこででき上がったものがどのようなことに使われるのかという説明を聞くと、世界中とのつながりや、生活の中で活かされている製品を支えている技術を実感でき、仕事とは何かを学ぶきっかけとしてとても貴重な機会となります。  昨今、ものづくりに対し脚光が集まりつつあります。政府の成長戦略の中におけるイノベーションに対する重要性の位置づけや、また、庶民的な視点で言えば、テレビドラマでも池井戸 潤氏原作の「下町ロケット」、「陸王」の視聴率の高さなど、様々な視点からものづくりに対する可能性の高さと重要性を感じている世の中の空気感のようなものがうかがえます。世間のものづくりに対する関心の高さは、大田のものづくりの技術力の高さや仕事のすばらしさを伝える上でフォローの風が吹いている状態だと言えます。だからこそ、区内に3000社をも超えるものづくりの産業を抱える大田区だからこそできることが何かを今考える必要があります。  ものづくりは一つの例でありますが、私は、大田区ならではのキャリア教育のあり方を模索・確立していき、今後の大田区を支える人材の育成へとつなげることも視野に入れ、これからの大田区のキャリア教育の展開を考えていくべきだと考えます。  そこでお伺いをいたします。キャリア教育を実施し10年が経過をしましたが、これまでの成果と今後の展開について大田区の考えをお伺いをいたします。  学校での生活や学び、進路選択に対する目的意識の希薄さを解消すると、自分で考え、創造し、意欲的に行動し、自分の成長に楽しみを覚え、生きることのすばらしさを実感できる、そんな変化を生み出してもらうことを願い、次の質問に移らせていただきます。  区立中高一貫校の可能性について質問をいたします。  都内の中高一貫校は都立と区立があり、その違いは何かを調べに、先日、千代田区立九段中等教育学校について千代田区教育委員会に視察に行ってまいりました。そもそも中高一貫校と一貫校ではない学校の違いは、6年間というスパンでカリキュラムが組めるので、どのタイミングで何を学ばせるかの自由度が高いことや、高校受験がないために受験勉強ではない学びに時間が割けること、また、高校入試がないのでカリキュラムが中断されずに生徒指導に当たれるために、やる気があり優秀な教員が集まりやすいということが一般的に言われております。そして、区立と都立の違いは、選択講座の開設の自由度や、区立のほうが地域の人材とかかわりやすいということが特徴と言えるとのことでありました。  また、千代田区立九段中等教育学校を設立した背景には、地域柄として伝統的に教育に注力してきた千代田区として、公教育の復権を掲げ、都立九段高校を前身とし設立に至ったそうであります。中高一貫教育は決して進学のためにある教育システムではありませんが、千代田区は地域として進学に重きを置いた校風があるようです。  大田区にある都立高校の中で特色のある高校に六郷工科高校がございます。六郷工科高校にはデュアルシステム科があり、学校で理論を学び、企業で技術を習得し、単位修得とすることができる学科であります。デュアルシステムとは、高校の実習として企業でのインターンシップより長い数か月の長期就業訓練を行う職業教育で、企業が必要とする実践的な技能・技術を身につけ、企業と生徒の合意によっては卒業後に就職も可能な教育システムのことであります。先ほども触れましたが、キャリア教育とも大きくかかわるところでございますが、学びと手に職を持つことが直結していることや、企業側が求める人材育成の要素も取り込んだ側面があり、ものづくりにかかわる仕事をしたいと希望する者にとっては、普通科に通うよりも高校の3年間がより実践的な時間となります。  このデュアルシステムを成立させるためには、ものづくり企業の協力が不可欠であります。生徒を受け入れてくれる企業がなければデュアルシステムが成立しないからであります。現在、六郷工科高校の考えに賛同してくれている企業は約250社、企業側としても実践的な3年間を送った学生は魅力的な人材であると考えているようであります。  千代田区の今日までの沿革からは、より高度な教育に着目をしたようですが、我がまちの沿革や産業的な特徴として、製造業に突出したものがあることは衆目一致するところであります。工業集積があり、地元企業も協力的、こんな地域はどこにでもあるわけではありません。そして、区内には、都立高校の地元企業と連携をし、未来の製造業を支える人材を輩出している特色ある工業高校があります。先ほども触れましたが、区立中高一貫校の強みは地域とのつながりが活かせることにあります。そして、松原区政が最も強く押し出しているのは地域力であります。これらのキーワードを重ね合わせていくと、区立中高一貫工業中等教育学校の設立をした際の、この大田区の可能性の広がりに期待を寄せてしまうのは私だけではないと考えます。  例えば、中高一貫教育でものづくりの基礎と国際感覚や多言語の語学力を身につけた人材を社会に輩出し、その人材が区内企業を中心に世界というフィールドで経済活動を行う。そういう人材を増やし、日本のものづくりが海外で認知と評価を獲得し、日本のものづくりの技術が世界中から求められる。これからのものづくりを支える人材を育てる、これは大田区でなければ描けない教育モデルだと考えます。  そこでお伺いをいたします。大田区立中高一貫校を設立した際に、地域と学校でどのような相乗効果を生めるかなど、その可能性の広がりを地域や学校と模索してみてはどうかと考えますが、大田区の考えをお伺いいたします。  先日、30代から40代の製造業の経営者や工業高校の関係者とともにベトナムに視察に行ってまいりました。ベトナムでは、私が先ほど述べたように、ものづくりの基礎と多言語を学ばせ、一定の習得をした人材は日本をはじめ海外に送り出されております。ベトナムの教育現場と製造業の現場を視察しましたが、技術・教育水準ともに、まだまだはるかに日本のほうがまさっているという感想が多かったようであります。しかしながら、人件費や市場規模、日本の少子化を考えると、企業経営者としては、海外の人材の活用や海外進出の可能性を模索することは外せない視点であるようです。  海外の人材を日本国内で雇用することは、採用や教育にリスクとコストがかかり過ぎる。その上に、ようやく戦力となるような人材に成長してきたところで、ビザなどの関係で母国に帰国をしてしまう状況があります。このような様々な要因があり、なかなか容易に海外の人材を国内で活躍させるということは困難であります。むしろ逆転の発想で、日本の人材を海外に送り込み、そこで活躍し、海外と日本のものづくりをつなげる、これぐらいの意識を持って新たな大田区の公教育のあり方を模索していただきたいということを強く要望しておきます。  最後に、シティプロモーションについて簡潔に質問をいたします。  先ほどスナックのお話がありましたが、スナックが全てとは言いませんが、でも、すばらしい視点だと思っております。何が大切かというと、何となく総花的に、みんながわかるようなことを伝えても多分響くものはあまりないような気がいたしております。私も、個人であったり、個店であったり、地域のお祭りであったり、公平性は欠けるかもしれないけれども、エッジの立ったものをきちんと情報発信していく、そういうことにスポットを当てたブランディングがこれからのシティプロモーションに必要だと考えますが、この点について大田区のお考えをお伺いし、私の質問を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、シティプロモーションに関するご質問にお答えをさせていただきます。  個にスポットを当てたブランディング戦略についてのご質問でございますが、現在、区では、大田区ならではのもの、大田区らしいもの、大田区が誇れるものなど、おおたの魅力を戦略的にプロモーションしていくための手法の検討を進めているところでございます。区の誇れる歴史、文化、自然、産業、または食といった魅力を総合的にブランディングする予定でございますが、脚光を浴びた個別の地域資源への支援や取り組みにつきましては、推進計画策定の中で議論されるものと考えてございますが、大田区の強みとして、さらに磨き上げ、発信していく仕組みを各部局と連携し検討してまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。 ◎齋藤 都市基盤整備部長 私からは、道路陥没に関する二つのご質問について、時間の関係でまとめてお答えをいたします。  原因究明に向けての調査工事や陥没原因の復旧工事などにつきましては、近隣住民の方々や関係者に対して、工事のチラシなどを活用しお知らせをしてまいります。それから、今回事故に遭われた建設業者に協力を求め、伝票などの確認をしたところ、陥没当日の工事車両に過積載は認められませんでした。ただし、引き続き所轄警察とも連携しながら、過積載とならないような指導を行ってまいります。  続きまして、区道の再整備についてのご質問でございますが、区では、平成28年度からの5か年計画で、区道全域を対象に非破壊による路面下空洞調査を順次行っているところでございますので、これを継続してまいります。さらに、区道の再整備については、地域の要望を踏まえて、路面や振動、排水施設など、施設全般の状況を勘案して実施するかどうかの判断をしてまいります。引き続き、路面下の見えない空洞を非破壊で調査していくとともに、日常のパトロール等でのケアを万全にしていきたいというふうに考えてございます。以上でございます。 ◎水井 教育総務部長 私からは、まず本区におけるキャリア教育の成果と今後の展開についてのご質問にお答えします。  現在のキャリア教育の主な取り組みとしては、中学生の職場体験と、小・中学生を対象とした「ものづくり教育・学習フォーラム」の開催がございます。製造業で職場体験を行った生徒の中には、その後、六郷工科高校に進学し、製造業に就職した者もいるなど、職場体験がそのまま職業選択につながった例も見られます。「ものづくり教育・学習フォーラム」では、開催時に行ったアンケートからは、子どもたちがものづくりの楽しさに気づき、創造力、チャレンジ精神とともに、望ましい職業観、勤労観を育んでいる姿がうかがわれるようになってきております。キャリア教育の今後の展開につきましては、子どもたちが国際感覚を身につけた地域産業の貴重な人材となるよう、区内事業者とのこれまでの取り組みのさらなる充実を図るとともに、職業教育にも取り組む地域の高等学校との連携を推進してまいります。  続きまして、中高一貫校の設立についてのご質問ですが、中高一貫校には、高校入試の影響を受けず、ゆとりのある学校生活が送れること、6年間の計画的、効果的な一貫した教育が可能となること等のメリットがあります。これにものづくりに関する特色あるキャリア教育を加えることができれば、議員のお話のとおり、区内企業を中心に世界を相手に経済活動を行う人材が育成され、本区のものづくり企業の一層の発展に貢献することが期待されます。区内の高等学校との本格的な交流、連携は始まったばかりであり、まずはこの連携を充実させることに力を注ぎ、将来に向けたあり方を模索する第一歩としたいと考えております。 ○大森 議長 以上で質問を終結いたします。  会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後5時19分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後5時40分開議 ○大森 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  本日の日程に入ります。  日程第1を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第1  第92号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例 ほか5件(委員会審査報告)                ――――――――――――――――――――                   総務財政委員会審査報告書  本委員会に付託された議案は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。     平成29年11月30日   大田区議会議長 大 森 昭 彦  様                                総務財政委員長  田 中 一 吉                         記  ┌───────────────────────────────────────┬────────┐  │議  案  名                                │結 果     │  ├───────────────────────────────────────┼────────┤  │第92号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例        │原案可決    │  │第93号議案 大田区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正 │        │  │      する条例                             │        │  │第94号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例      │        │  │第95号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例            │        │  │第96号議案 大田区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例  │        │  │第97号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部 │        │  │      を改正する条例                          │        │  └───────────────────────────────────────┴────────┘                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 総務財政委員長の報告を求めます。                  〔1番田中一吉議員登壇〕(拍手) ◎1番(田中一吉 議員) ただいま上程されました第92号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例ほか5件につきまして、所管総務財政委員会における審査経過並びに結果のご報告を申し上げます。  初めに、主な質疑について申し上げます。  職員給与改定については、4級(係長職)以上の級において引き上げを強め、6級(課長級)以上の級においてはさらに強めたとの説明であったが、その引き上げを強めたことについて具体的に伺いたいとの質疑に対し、主に主任主事が係長試験を受けられる頃に当たる部分の上げ幅を特に高くし、昇任意欲を高めることを狙いとしているとの答弁がなされました。  また、大田区特別職報酬等審議会の委員にはどのような人がなっているのか伺いたいとの質疑に対し、条例で大田区の区域内の公共的団体等の代表者などから区長が任命するとあり、現在は公認会計士協会大田会の会長、自治会連合会の会長、社会福祉協議会の会長、商店街連合会の会長、大田区工業連合会の会長、東京商工会議所大田支部会長及び大森法人会の会長などが担っているとの答弁がなされました。  また、今回の改定によって、教育長が5万1000円増額となるが、そのことについて大田区特別職報酬等審議会の中で出た意見を伺いたいとの質疑に対し、教育長の加算については、職責が重くなることから、現在の教育委員長と教育委員との差額を加算するのが妥当であるという意見や、大田区立の小中学校の学級数や生徒数は23区で非常に上位であることに比べて、教育長の給料月額が現行では23区で17位であることも踏まえ、職責が重くなることとあわせて改定の判断が必要ではないかとの意見があったとの答弁がなされました。  また、職員給与改定の施行予定日は平成29年4月1日ということであるが、これは4月にさかのぼって12月分の給料にプラスして支給するということでよいのか伺いたいとの質疑に対し、民間企業との比較をした時期が今年の4月時点であるため、4月にさかのぼって約5000円程度が差額分として支給される想定であるとの答弁がなされました。  以上の後、討論を行いましたところ、第92号議案、第93号議案、第94号議案、第96号議案及び第97号議案の5件の議案につきまして、反対、賛成の態度がそれぞれ表明されました。  その際、反対の立場から、この間の格差と貧困が広がる中、区民の暮らしがよくなっていない。このような状況から、特別職等の報酬引き上げには区民の目線から見て理解が得られないと考え、反対する。これまでの教育行政の方針は、首長から独立した合議体の教育委員会が決めていたものが、首長が主催する総合教育会議で教育委員会と協議して首長が策定することとなり、教育委員長のポストをなくして、首長が直接任命する教育長が教育委員会を代表する仕組みに変わり、制度上問題があるということと、また、教育長の勤務も規定が変わる内容もあり、反対する。大田区長、選挙管理委員会、教育委員会、監査委員、大田区議会議員の議員報酬については、自分たちでこの報酬を上げることについて議決できる立場、もしくはその数字を出すことができる区長の立場から、今出すべきではないと考え、反対する。今回の教育公務員特例法の改正により、教育委員長がなくなり、教育長が教育委員長の職務を兼ねるということでの値上げであるが、そもそも教育委員会は要らないという立場であるため、反対するとの意見が述べられました。  一方、賛成の立場から、内閣府による12月の月例経済報告では、「景気は緩やかな回復基調が続いている」とされ、本区においても、先の決算特別委員会で確認されたとおり、堅実な財政運営が行われ、税収も順調に推移しているため、今年は大田区特別職報酬等審議会の答申を尊重した議案に賛成する。今後は、公共施設の更新や社会保障関連経費の増加など、区の財政負担がさらに大きくなると想定されるため、その都度、十分な検討や考慮をするべきである。そのためにも、時間的制約が多い中での審議となるため、必要な資料、答申の内容など情報の提供を要望する。報酬審議会は非公開ということであるが、できる限りオープンにすることを求める。今後は、教育長と教育委員長が一本化されるが、学力、いじめの問題を含め、引き続き弱い立場の人々に寄り添った体制にするよう要望するとの意見・要望が述べられました。  次に、第95号議案につきましては、全員賛成の態度表明がなされました。
     その際、職員の給与改定については、係長級以上の引き上げを強めるというもので、係長のなり手不足にしっかりと報酬として対策をするというものであり、評価する。公務員給与引き上げは、人事院勧告で民間との格差を解消するもので、全体の引き上げになると考え、賛成する。今後、再任用を除く非常勤の引き上げも求める。地方公務員として労働組合を組織できない公務員の給与処遇の代弁者となっている制度からも、人事委員会勧告を適正に給与に反映したこの条例については、反対する理由がないため、賛成するとの意見・要望が述べられました。  以上の後、採決を行いましたところ、第92号議案、第93号議案、第94号議案、第96号議案及び第97号議案の5件の議案につきましては、賛成者多数で原案どおり決定いたしました。  また、第95号議案につきましては、全員異議なく原案どおり決定いたしました。  以上、所管総務財政委員会における審査経過並びに結果のご報告とさせていただきます。(拍手) ○大森 議長 討論に入ります。  本案については、菅谷郁恵議員、奈須利江議員から通告がありますので、順次これを許します。  まず、33番菅谷郁恵議員。                  〔33番菅谷郁恵議員登壇〕(拍手) ◆33番(菅谷郁恵 議員) 日本共産党大田区議団は、第95号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例に賛成し、第92号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例、第93号議案 大田区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例、第94号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例、第96号議案 大田区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例、第97号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例の5件に反対します。  まず、第95号議案は、職員の給与を特別区人事委員会勧告に伴って公民較差を解消するとして、月額0.13%、526円引き上げ、期末手当、勤勉手当を現行4.4月から4.5月に0.1月引き上げるものです。  職員給与は5年間連続して下がった後に、この4年間連続値上げになりましたが、まだ値下げ分を全て取り戻していない状況です。アベノミクスが貧困と格差を拡大し、大企業の内部留保は400兆円を突破しています。一方、大田区の景況は、回復どころか製造業、小売業ともに最低のGランクが続いています。納税者の2016年度比較で営業所得は前年比8万8000円増、給与所得、前年より2万1000円増と言っても、消費税引き上げに追いつきません。ましてや、年金だけで暮らしていけないと将来不安が強くなっています。このような状況のもとで、国民の所得を増やし、消費を拡大し、税収も上げるという好循環をつくり出すことが日本経済を健全な発展に導く鍵となります。賃金引き上げは官民ともに進めていかなければなりません。今回、公務員給与引き上げは、民間との給与の格差を少しは解消し、民間が上がれば公務員も上がり、全体の引き上げになりますので賛成します。さらに、再任用を除く非常勤職員、委託労働者などの引き上げを求めます。  第92号議案からの区長、副区長、行政委員、監査委員、教育委員会、区議会議員の5件の議案は、給与と報酬の値上げについて、報酬審議会の答申によるものです。  この間の格差と貧困が広がる中で、区民の暮らしがよくなっていかない、このような区民の暮らしから見ても、特別職等の報酬引き上げには区民の目線から見て理解を得られないと考え、反対しました。  また、教育長の報酬が5万1000円上がります。現在、23区中17位という位置を上昇させたいなどの意見があるとのことです。しかし、教育委員会改革法案、地方教育行政法の一部改正によって、これまで教育行政の方針は首長から独立した合議体の教育委員会が決めていたものが、首長が主催する総合教育会議で教育委員会と協議して首長が策定することになりました。また、教育委員長のポストをなくして、首長が直接任命する教育長が教育委員会を代表していく仕組みに変わるなど、問題があります。教育長の勤務も規定が変わる内容もあり、反対します。  また、報酬審議会に、区民の代表としての公募委員や区民に開かれた審議会になることも求めます。  以上で討論を終わります。(拍手) ○大森 議長 次に、47番奈須利江議員。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第92号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例、第93号議案 大田区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例、第94号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例、第96号議案 大田区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例、第97号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例につきまして反対、第95号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例につきまして賛成の立場から討論いたします。  区長、監査委員、職員、教育委員会教育長、区議会議員等の給与、報酬は、今回で4年連続の引き上げになります。これらの議案につきまして、私は昨年も区民の理解を得られないことを理由に反対いたしました。なぜ理解を得られないのかと言えば、報酬の引き上げの根拠となる調査対象事業所が企業規模50人以上かつ事業所規模50人規模という規模が比較的大きい企業の正社員の給与になっているからです。ものづくりのまちと言われる大田区ですが、平成27年大田区のものづくり統計調査によれば、製造業の従業員が50人以上の事業所は2.6%に過ぎません。全国の統計調査でも、従業者50人以上の事業所に働く人は4割くらいです。大企業と中小企業の給与格差は歴然としています。大田区民の実態とはほど遠いところで、区長、区議会議員など特別職や職員の報酬などが議論されていることになり、区民の理解を得ることは難しいと考えます。  しかも、人事委員会の勧告は正規雇用の給与水準と均衡させるものです。労働者に占めるパート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託など非正規雇用の割合が高くなってきていて、直近の非正規雇用の割合は37.4%、約4割が非正規で、正規雇用は6割強です。非正規雇用の平均賃金は、正規雇用の労働者に比べ3割から4割程度低くなっています。規模の小さな事業所の労働者や非正規雇用の労働者が引き上げと聞けば、公務員や区長や議員は優遇されているという気持ちになるのではないでしょうか。  しかも、区長はじめ、私たち議員など特別職は、政策立案にかかわり、意思決定権を持つ立場にあります。質疑でも指摘させていただきましたとおり、今、私たちは、貧困や格差の拡大という非常に大きな問題に直面しています。それでは私たちは、この困難の解決のためにみずからの職責を果たせているでしょうか。大田区では、正規職員とほぼ同様の仕事をしていながら非正規で働く方たちが大勢います。社会保障サービスはじめ、あらゆる現場を民営化や民間委託して正規雇用を不安定雇用、低賃金労働に変えてきました。新たな事業も委託で行うことが増えていて、委託先の従業員も低賃金であることが多いと聞きます。しかも、大田区は、給付している基準人件費とはほど遠い賃金しか支払われていない現場従業員がいることを知りながら、公契約条例や政策入札などで現場労働者を守ることもしていません。  人事委員会の勧告に従っているという意味では、今回の引き上げは妥当だということになるのでしょう。しかし、責任ある政策立案の立場にいる意思決定権者として、そもそも格差拡大への改善の努力もせず、一方で、非正規公務員、ワーキングプアなどの問題を招くことをみずから行っていながら、一部の比較的恵まれた従業員と比較して、お手盛りで給与や報酬を引き上げることが許されるでしょうか。  税制調査会の資料を見ると、1990年代後半以降の世帯単位で見た当初所得格差がものすごい勢いで拡大し続けていることがわかります。これを2000年代以降、現金給付や現物給付と言われる社会保障給付による所得の再分配で改善させているというのが今の現状です。しかし、本当に格差は解消されているのでしょうか。2000年の地方分権一括法施行以降、社会保障の責任主体は基礎自治体になり、社会保障分野に株式会社の参入が許されるようになりました。社会保障を公務員が提供しても、民営化で株式会社が提供しても、例えば同じ1億円を使えば、1億円分ジニ係数が改善したことになるそうです。株式会社が社会保障を担えば、そこには土地や建物などの財産所得や株主配当や内部留保などの費用も含まれますから、直営ほどに格差は解消されないことになりますが、厚生労働省からその違いをジニ係数では評価できないと聞きました。委託や指定管理者に支払われる株主配当を含む一般管理費は約15%と言われますが、実際には20%を超えていると指摘する専門家もいます。子育てや介護の委託先、民営化先では、従業員の低賃金が問題になっていますから、営利企業が格差を解消するために社会保障を担うと、さらに格差の原因をつくるという皮肉な状況もあり得ます。  議案上程の際に、格差や貧困とこれら給与や報酬引き上げの乖離についてどのように捉えているか質疑しましたが、特別区人事委員会の勧告に従うという答弁に終始し、大田区として何をすべきかといった問題意識は全くありませんでした。大田区の報酬審議会では、区議会議員の政策形成など、その責任や役割が大きく、大切になっていると昨日の委員会で報告がありましたが、私たちはその役割を果たせているでしょうか。区長はじめ特別職は、特区の規制緩和や中央防波堤の帰属ばかりでなく、こうした格差の解消のために大田区みずからが何ができるか考え、行動すべきです。  一方で格差の拡大の要因をつくり、それを放置しながら、区長で年収17万6954円、副区長で14万1946円、議員で8万5416円など、年収で報酬引き上げが行われます。この報酬引き上げ議案に賛成することは、意思決定権の現場にいる者として到底できず、反対です。  第95号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例には、公務員以外の全ての労働者の処遇を改善させる推進力とすべきで、賛成いたします。(拍手) ○大森 議長 以上をもって討論を終結いたします。                    〔42番岡 高志議員棄権〕 ○大森 議長 採決に入ります。  まず、本案中、第92号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例、第93号議案 大田区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例、第94号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例、第96号議案 大田区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例及び第97号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例の5件を一括して起立により採決いたします。  本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○大森 議長 起立多数であります。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。                    〔42番岡 高志議員入場〕               〔43番荻野 稔議員、44番三沢清太郎議員棄権〕 ○大森 議長 次に、第95号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例を採決いたします。  本案に対する委員長の報告は原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認めます。よって本案は委員長報告のとおり決定いたしました。               〔43番荻野 稔議員、44番三沢清太郎議員入場〕               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第2を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第2  第74号議案 平成29年度大田区一般会計補正予算(第4次) ほか8件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第74号議案は、平成29年度大田区一般会計補正予算(第4次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ1億4705万3000円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ2655億9887万4000円となります。歳入で増額する内容は、繰入金でございます。歳出で増額する内容は、衛生費、都市整備費でございます。減額する内容は、総務費でございます。このほか、債務負担行為の補正として追加1件をお願いしております。  第75号議案は、職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例で、地方公務員の育児休業等に関する法律の改正に伴い、非常勤職員の育児休業について、その養育する子が2歳に達する日まで取得できる制度に拡充するほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第76号議案は、大田区特別区税条例の一部を改正する条例で、地方税法の改正に伴い、配偶者控除等の見直しにかかわる規定の整理を行うとともに、軽自動車税における税率の特例の燃費基準要件の見直し及び適用期限の延長を行うほか、規定を整備するため改正するものでございます。  次に、第88号議案は、仮称大田区立勝海舟記念館(旧清明文庫)増築及び改修工事請負契約についてで、契約の相手方は株式会社藤木工務店東京支店、契約金額は4億8384万円でございます。  第89号議案は、特別養護老人ホームたまがわ空調設備改修その他工事請負契約についてで、契約の相手方は株式会社太陽設備、契約金額は7億9920万円でございます。  報告第26号は、民事訴訟の提起に係る専決処分の報告についてで、建物明け渡し等を求める訴えの提起について報告するものでございます。  報告第27号は、区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告についてで、野球ボールの飛球による建物損傷事故2件について報告するものでございます。  報告第28号は、大田区立東六郷小学校校舎取りこわし工事及び体育館改築工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の8億9478万円から8億6220万7200円に変更いたしました。  報告第29号は、大田区立仲六郷保育園改築工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の6億1560万円から6億2212万3200円に、工期を当初の平成30年7月31日から平成30年10月31日に変更いたしました。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 第74号議案 平成29年度大田区一般会計補正予算(第4次)について質疑いたします。  今回の補正予算で担当部署を変えるのは、予算を議会が可決してから、関係者間で調整に時間がかかり、担当部署が違っていたということだそうです。最近こうした予算可決後の変更が増えていますが、意思決定のどこに問題があるのでしょうか。これまでと何か意思決定において新たな関係者が入るなど変わったことはありませんか。所管課をあえて補正予算計上してまで変えなければならないということですが、広聴広報課と企画課で、できること、できないことなど、どこに違いがありますか。  第75号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例について質疑いたします。  この議案は、非常勤職員の育児休業期間を1歳6か月から2歳に達する日まで取得できる制度にするための条例改正です。この対象者は再任用短時間勤務職員だけだそうですが、条例改正による影響をどのように見込んでいますか。一般職でない非常勤職員はどうなりますか。また、将来非常勤職員の仕組みが変わることに伴い、この制度が大田区職員にどのような影響を及ぼすと見込んでいますか。  第76号議案 大田区特別区税条例の一部を改正する条例について質疑いたします。  この条例改正による大田区民及び大田区への影響について伺います。大田区財政への影響はどのように見込んでいるか明らかにできますか。また、今後、配偶者の働き方や暮らしへの影響をどのように見込んでいますか。  報告第26号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について質疑いたします。  区営住宅の滞納者について、民事訴訟による明け渡しを求めています。区営住宅家賃を滞納した住民に対して、区は適切、丁寧な生活相談などを行っているということです。滞納により弁護士が介入する事例において、弁護士の介入する前、弁護士が介入して以降ともに、行政の生活相談などの福祉の支援は十分に区民に提供されていますか。一方で、区営住宅に入居していない、あるいはできない同程度の所得層の区民への住宅施策について、大田区はどのような問題意識のもと、どのように対応していますか。以上です。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 順次お答え申し上げます。  まず、第74号議案について、通告がありました3点のご質疑にお答えいたします。  1点目並びに2点目の意思決定に関するご質疑につきましては、これまでと同様に、予算編成過程における意思決定を行っているものでございまして、問題はないと考えております。  3点目の補正予算計上の必要性につきましては、情報の収集、発信がシティプロモーション事業を展開する上で重要な要素になることから、区の情報収集、発信の総合的な窓口である広聴広報課が主軸となり、予算執行を含め、事業全体を進行管理することが最も妥当であると判断し、このたびの補正予算計上に至ったものでございます。  次に、第75号議案について、通告がありました3点のご質疑にお答えいたします。  1点目の再任用短時間勤務職員への影響につきましては、これまでの利用実績がないことを踏まえますと、影響は少ないものと想定しております。  2点目の一般職でない非常勤への対応及び3点目の非常勤職員の仕組みが変わることに伴う影響につきましては、この後付託される常任委員会でご審議賜ればと存じます。  次に、第76号議案について、通告がありました2点の質疑にお答え申し上げます。  1点目の大田区財政への影響につきましては、国が公開しております見込み額で試算いたしますと、約2億円の減収となります。  2点目の配偶者の働き方や暮らしへの影響の見込みにつきましては、本議案は、地方税法の改正により、配偶者控除等の見直しに伴い、大田区特別区税条例を一部改正するものでございます。ご質問の内容につきましては、この後付託される常任委員会でご審議賜ればと存じます。  次に、報告第26号について、通告がありました2点の質疑にお答えいたします。  1点目の弁護士が介入する事例につきましては、弁護士に委任する前後にかかわらず、入居者の滞納に至った事情を把握しながら、個別に相談に応じ、それぞれの入居者の状況に応じた対応を行っております。  2点目の区営住宅入居者と同程度の所得層への住宅施策につきましては、所得の少ない方には生活相談などの支援を行っております。また、高齢者等の住宅確保要配慮者に対しましては、住宅探し及び入居への支援を行っております。以上でございます。 ○大森 議長 奈須議員、再質疑ですか。奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) まず、第74号議案の答弁についてですが、情報の収集、発信をするために、窓口である広聴広報課ということですが、これは予算計上のときにはわからなかったんだけれども、後から気がついたということなんでしょうか。問題にしているのは、当初予算ではなく補正予算でどうして変えたのかという質疑をしておりますので、ここの部分についてお答えいただきたいと思います。  また、第75号議案と、それから第76号議案について、委員会の審議でということですが、これは、私は委員会に所属しておりませんが、委員の質問がなくてもご説明をいただけるということでよろしいのでしょうか。  以上、お答えいただければと思います。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、第74号議案についてのご質疑にお答えをさせていただきます。  発言通告された内容についての基本的な考え方につきましては、先ほど川野副区長が申し上げたとおりでございます。私からは以上でございます。 ◎玉川 総務部長 私からは、第75号議案及び第76号議案に関する質疑についてお答えいたします。  発言通告のありました内容につきましては、先ほど川野副区長が答弁させていただいたとおりでございます。以上でございます。 ○大森 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、報告第26号から報告第29号に至る4件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託します。  なお、本案中、第75号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、あらかじめ特別区人事委員会の意見を聴いておきました。皆様のお手元に配付してあります写しのとおりですので、ご報告いたします。                ――――――――――――――――――――                                        29特人委給第284号
                                           平成29年11月28日   大田区議会議長 大 森 昭 彦  様                          特別区人事委員会委員長  中 山 弘 子         地方公務員法第5条第2項に基づく人事委員会の意見聴取について(回答)  平成29年11月27日付29大議発第10744号で意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。                         記  第75号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第3を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第3  第77号議案 大田スタジアム条例を廃止する条例 ほか1件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第77号議案は、大田スタジアム条例を廃止する条例で、大田スタジアムの大規模な改修により、当分の間、施設の使用ができないため廃止するものでございます。  第90号議案は、大田区立平和の森会館の指定管理者の指定についてで、大田区立平和の森会館について、平成30年4月1日から平成35年3月31日まで、平和の森会館運営グループを指定管理者に指定するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 第77号議案 大田スタジアム条例を廃止する条例について質疑いたします。  今回、大田スタジアムは、施設はそのまま存続し改修するにもかかわらず、施設設置条例を廃止します。施設設置条例が廃止されるため、区民からは大田スタジアムが実質上なくなってしまいます。  そこで伺います。今回、大田スタジアムは改修にもかかわらず、施設設置条例を廃止するのはなぜですか。改修や改築において、施設設置条例を廃止する場合、休館などで対応し廃止しない場合の条例の明確な取り扱い基準、例えば改修などによる利用不可能な期間などを持っていますか。持っているならそれをお示しください。施設設置条例を廃止すると、改修後に大田区は新たな施設設置条例をつくることになります。大田スタジアムをどのように改修するのかの改修基本計画や、大田スタジアム改修後の施設の管理運営方法や区民の使用・利用の方法や料金などについて、どのように将来設置する条例に盛り込むのか示していますか。  第90号議案 大田区立平和の森会館の指定管理者の指定について質疑いたします。  地方自治法第244条の2第3項は、普通地方公共団体は、「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、指定管理者に公の施設の管理を行わせることができる。」と規定し、その4において、前項の条例には、「指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲その他必要な事項を定めるものとする。」と定められています。これらの事項について、平和の森会館は条例ではなく規則で規定されている事項がありますが、条例事項ではありませんか。以上です。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 順次お答え申し上げます。  まず、第77号議案について、通告がありました3点のご質疑にお答えいたします。  1点目の条例廃止の理由及び2点目の改修・改築において条例を廃止する基準につきましては、「地方財務事務提要」によれば、「改修期間が相当期間にわたり、社会通念からして一時的な利用不能と考えるのが困難な場合は、条例措置をせざるを得ない」とあり、条例の廃止について示されております。本案件は、施設の改修期間が1年以上となり、長期にわたり区民利用に供することができないことなどから、条例を廃止することが適切であると判断したものでございます。  3点目の新たな条例の内容につきましては、今後検討をしてまいります。  次に、第90号議案について、通告がありましたご質疑にお答えいたします。  地方自治法第244条の2第4項に列挙されている事項のうち、大田区立平和の森会館管理規則で規定している事項につきましては、平成15年7月17日付け地方自治法の一部を改正する法律の公布についての総務省通知に基づき、指定管理者制度の適正な運用について十分配慮してまいります。以上でございます。 ○大森 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、いずれも所管地域産業委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第4を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第4  第78号議案 大田区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例 ほか3件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第78号議案は、大田区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例で、所得税法の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。  第79号議案は、大田区住宅宿泊事業法施行条例で、住宅宿泊事業法の施行に伴い、住宅宿泊事業の実施を制限する区域及び期間その他必要な事項を定めるため制定するものでございます。  第80号議案は、大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例の一部を改正する条例で、国家戦略特別区域法施行令の改正に伴い、施設を使用させる期間の下限に係る認定要件を見直すため改正するものでございます。  第91号議案は、大田区立大森東福祉園の指定管理者の指定についてで、大田区立大森東福祉園について、平成30年4月1日から平成35年3月31日まで、社会福祉法人大田幸陽会を指定管理者に指定するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 第79号議案 大田区住宅宿泊事業法施行条例について質疑いたします。  大田区は、住宅宿泊事業法の施行に伴い、区域や期間その他の必要な事項を規定するための条例改正です。大田区は、特区民泊が大田区の条例により安全や安心が担保されていると言います。今回、この住宅宿泊事業法について、大田区が施行条例を設置して規制をかけることでの実効力をどの程度と考え、提案していますか。国でつくった法律について、大田区で規制することへの限界についてどう捉えていますか。  第80号議案 大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例の一部を改正する条例について質疑します。  区長は、大田区住宅宿泊事業法に比べ、特区民泊は大田区の条例で規制し、安心・安全を守れるよい制度であると位置づけています。ところが、今回、大田区が条例で定めた宿泊数について、国の施行令改正に伴い、6泊7日から2泊3日に条例改正することになりました。こうして国が改正すれば大田区もあわせて改正しなければならない部分があるということです。大田区が意味する特区民泊の規制で守れる安全・安心は、今後も大田区の規制で守ることができますか。特区民泊はまだお試しの期間であり、全国一律の制度になっていません。この間、特区民泊の弊害や課題について、大田区は国のどこの部署にどのような指摘をしてきましたか、また、今後する予定ですか。以上です。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 順次お答え申し上げます。  まず、第79号議案について、通告がありました2点の質疑にお答えいたします。  1点目の施行条例で定める規制の実効力につきましては、施行条例に定める規制項目及びその規制を行う手法は特区民泊と同様のものとなってございます。特区民泊ではこれまで大きなトラブルは発生していないことから、同程度の効果は期待できるものと考えております。  2点目の国でつくった法律について、大田区で規制することへの限界についてどう捉えているかにつきましては、住宅宿泊事業法では、第18条において、「生活環境の悪化を防止するため、条例で区域を定めて、事業実施期間を制限することができる。」と規定しております。したがいまして、この条文に基づくとともに、自治立法権の範囲内で施行条例案を提出させていただきました。  次に、第80号議案について、通告がありました2点の質疑にお答えいたします。  1点目の特区民泊の規制で守れる安全・安心は今後も大田区の規制で守ることができるかにつきましては、区は特区民泊に取り組むに当たり、独自のガイドラインを策定し、事業者に対して苦情窓口の設置、ごみの処理、騒音等への対応に関する指導を徹底し、問題の未然防止に取り組んでおり、今後も区民の安心・安全は守られるものと考えております。  2点目の特区民泊の弊害や課題について、大田区は国のどの部署にどのような指摘をしてきましたか、また、今後する予定ですかにつきましては、この後付託される常任委員会でご審議賜ればと存じます。以上でございます。 ○大森 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、いずれも所管健康福祉委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第5を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第5  第81号議案 大田区営住宅条例の一部を改正する条例 ほか1件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第81号議案は、大田区営住宅条例の一部を改正する条例で、公営住宅法施行令等の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。  第82号議案は、大田区民住宅条例の一部を改正する条例で、借上型区民住宅のプラムハイツ東雪谷を廃止するほか、規定を整理するため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管都市整備委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第6を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第6  第83号議案 大田区児童育成手当条例の一部を改正する条例 ほか4件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第83号議案は、大田区児童育成手当条例の一部を改正する条例で、所得税法の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。  第84号議案は、大田区ひとり親家庭の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例で、所得税法の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。  第85号議案は、大田区立児童館条例の一部を改正する条例で、新蒲田児童館を廃止するため改正するものでございます。  第86号議案は、大田区子ども家庭支援センター条例の一部を改正する条例で、子ども家庭支援センターの会議室の一部を廃止するため改正するものでございます。  第87号議案は、大田区立保育園条例の一部を改正する条例で、大森南保育園及び相生保育園の廃止並びに新蒲田保育園の一時移転のため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管こども文教委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第7を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第7  議員提出第8号議案 大田区乳幼児及び義務教育就学児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 提出者の説明を求めます。                  〔37番荒尾大介議員登壇〕(拍手)
    ◎37番(荒尾大介 議員) ただいま上程されました議員提出第8号議案 大田区乳幼児及び義務教育就学児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例について、提出者を代表して提案理由の説明を行います。  現在、大田区では、中学校を卒業した生徒の約99%が高等学校等に進学しています。国でも授業料の無償化を推進しているところでありますが、医療費については、中学まで無料となっているのが、高校等進学と同時に医療負担が発生し、暮らしを圧迫することになります。医療費助成の対象者の年齢を拡充することにより、保護者の経済的負担の軽減と子どもの健全な育成を図るために条例を改正する必要があるために本議案を提出するものです。よろしくご審議の上、ご決定くださいますようお願いいたします。  以上で提案理由の説明を終わります。(拍手) ○大森 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管こども文教委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第8を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第8  宮城県東松島市議会親善訪問に伴う議員の派遣について                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 質疑に入ります。  本件については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 宮城県東松島市議会親善訪問に伴う議員の派遣について質疑いたします。  国内外を問わず、親善訪問等に伴う議員派遣が近年増えております。大田区議会として議員派遣するのはどのような場合でしょうか。基準はあるでしょうか。頻度、予算、必要性、見込まれる効果、派遣の提案に至るこれらの合意形成の方法など、お示しいただければと思います。 ○大森 議長 本件について、答弁を求めます。                    〔11番鈴木隆之議員登壇〕 ◎11番(鈴木隆之 議員) 奈須議員から、宮城県東松島市議会親善訪問に伴う議員の派遣について、発言通告書により事前に通告されております質疑につきまして丁寧にお答えをさせていただきます。  まず、議員派遣するのはどのような場合か、基準はあるかとの質疑でございますが、地方自治法第100条第13項では、議会において必要があると認めるときは、会議規則の定めるところにより議員を派遣できると規定されており、これを受けた大田区議会会議規則第132条で、議員を派遣しようとするときは、議会の議決でこれを決定すると、また第2項において、派遣の決定に当たっては、目的、場所、期間その他必要な事項を明らかにしなければならないと規定されております。これにより、議員派遣の基準については、必要があると認めたときということになります。また、頻度、予算、必要性、見込まれる効果、派遣の提案に至る合意形成の方法についての質疑ですが、必要性などについてはその都度判断がなされるものとなります。  大田区と東松島市との関係につきましては、東日本大震災の際に東松島市でのボランティア活動を行ったことから始まり、平成23年7月に災害時相互応援協定を締結、また、OTAふれあいフェスタへの参加など交流を深め、平成28年11月に友好都市提携協定を締結したことは皆様もご存じのことと思います。議会における交流という点では、今年のOTAふれあいフェスタでのランチ交流会を行っており、また、先月、東松島市の議員団がいらっしゃった際には改めて意見交換を行っているところでございます。ただ、大田区議会として東松島市議会への親善訪問は今まで行っておりません。今回の派遣につきましては、初めての親善訪問でありますので、今後、お互いの議員間の相互交流をしやすい環境を整えるというところから、議員大勢での親善訪問ではなく、代表として議案に記載の構成となったところであります。相互交流の環境が整い、顔の見える関係をつくることは、例えば大震災が起こった際の対応など、災害時相互応援協定に伴う支援体制の議論を議員間でも深めることができ、区民が抱える不安の解消に応えられるといったことも考えられます。  なお、合意形成の方法につきましては、議長が必要性を認め、構成などを決定した後、議案を議会運営委員会に提出、上程が決定されたところでございます。最終的な議会の合意というものに関しましては、まさにこのようにご質疑をいただきまして、それに対して私がご理解を求めるためにご答弁を申し上げ、そしてこの後、討論していただき、皆様方にご議決をいただく、これがまさに議会での合意形成の方法と、そのように考えております。以上でございます。 ○大森 議長 奈須議員、再質疑ですか。奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 経緯については、ご説明をいただきましてありがとうございました。しかし、私が質疑をいたしましたのは、こうした提案に至るまでの合意形成は、この議場ではなく、別の場において、大勢の議員とともに合意形成を図るという必要があるのではないかと思いまして、その方法はとられたのか、あるいはどういうふうにとるべきかということについてお伺いをしたのでした。議案が上程され、それを議会で審議するのは当然のことと思いますが、そこの提案に至るまでの合意形成ということについてがお示しいただけていないようなのですが、そこの部分についてお伺いできればと思います。 ○大森 議長 本件について、答弁を求めます。                    〔11番鈴木隆之議員登壇〕 ◎11番(鈴木隆之 議員) 本日上程されました合意形成に関しましては、説明をしたとおりとは思っておりますが、ここに至るまでも、幹事長会や議会運営委員会等で、公の場で皆様方にご議論いただいて、それを経て本日に至っておりますので、合意形成の手順は踏んでいると、このように考えております。(拍手) ○大森 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  お諮りいたします。本件については、会議規則第38条第3項の規定に基づき、委員会への付託を省略したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  討論に入ります。  本件については、福井亮二議員、奈須利江議員から通告がありますので、順次これを許します。  まず、36番福井亮二議員。                  〔36番福井亮二議員登壇〕(拍手) ◆36番(福井亮二 議員) 日本共産党の福井亮二です。  ただいま上程されました宮城県東松島市議会親善訪問に伴う議員の派遣について、反対の討論を行います。  宮城県東松島市には東日本大震災後、職員の派遣をはじめ多く区民がボランティアに参加し、復興に最大限の支援を続け、深い信頼関係が築かれています。昨年、都市整備委員会が行政視察で訪問し、復興状況を視察しています。日本共産党区議団も震災直後の5月に訪問し、市長との懇談を行い、想像をはるかに超えた大震災に見舞われながら、行政職員と市民が力を合わせて苦難に立ち向かっている。とりわけ市職員の定員削減の反省など、貴重なご意見を聞いてきました。  日本共産党区議団は、東松島市との親善友好には大賛成であり、進めるべきとの立場です。しかし、今回の議員派遣は、日程含め突然の提案での東松島市議会訪問であり、視察内容も不明確です。議員派遣も、例えば議長のみでいいのではないかという意見や、全議員を対象にするべきではないかなどの意見もあります。このような議論もないままに突然出されることは、場当たり的な感じが否めません。今年度中に、ましてやこの年末に急ぎ行う必要はないと考えます。  現在、大田区と東松島市は、友好都市連携、災害時における相互応援に関する協定を締結しています。友好・親善は大切だからこそ、議会としては訪問する準備と予算を組んでから議員派遣をすべきと考えます。議員の親善訪問は公金を使って行うものであり、十分な配慮が必要と考えます。以上です。(拍手) ○大森 議長 次に、47番奈須利江議員。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 宮城県東松島市議会親善訪問に伴う議員の派遣について、反対の立場から討論いたします。  国内外を問わず、親善訪問に伴う議員派遣が近年増えております。友好・親善は大切ですが、議会として行うべきものと会派や議員個人として行うものとは分けるべきです。予算には限りがあり、大切だから、必要だからと言って全てに予算投入することはできないからです。特に、地方分権により社会保障の責任主体は大田区になりました。大田区が基礎自治体として、所得の格差を社会保障による再分配で埋め合わせなければ、広がる当初所得格差は拡大するばかりです。親善訪問という視察より、優先すべき子育て、介護、障害、教育といった区民の暮らしに直結する課題に予算を投入すべきです。仮に、どうしても必要とするのであれば、提案に至るまでの合意形成は議会全員で行うべきです。フェアな民主主義のような一人会派は、どのような経緯で今回の親善訪問調査に至ったのか知ることができませんでした。今回、議員報酬引き上げ議案が可決されましたが、政策立案への役割を重く見た結果と思います。私たちは報酬に見合った政策立案や区政のチェックにこそ、最優先で時間と労力と必要であれば予算を使うべきではないでしょうか。あまりにも合意形成の曖昧な提案で、必要性を認められず、反対といたします。 ○大森 議長 以上をもって討論を終結いたします。  採決に入ります。  本件は先に配付しましたとおり議員を派遣することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○大森 議長 起立多数であります。よって本件は議員を派遣することに決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第9を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第9  29第55号 平和島駅周辺の「自転車等放置禁止区域」の範囲拡大に関する陳情                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 お諮りいたします。本件については、交通臨海部活性化特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。  今回受理しました請願・陳情は、ただいま特別委員会に付託しました1件を除き、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会に付託します。                ――――――――――――――――――――                平成29年第4回定例会 請願・陳情付託表                                        平成29年11月30日付託 地域産業委員会  29第51号 馬込文士村記念館(仮称)開設に関する陳情 健康福祉委員会  29第52号 受動喫煙防止について慎重に対策を検討するよう大田区から都へ意見書提出を求める陳情  29第53号 事業者の声を踏まえて受動喫煙防止の検討がされるよう東京都へ意見書提出を求める陳情  29第54号 大田区議会から東京都へ受動喫煙防止対策に関する意見書提出を求める陳情  29第56号 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交替制労働の改善を求める請願 こども文教委員会  29第57号 すべての子どもがすこやかにそだつ大田区をめざす為の請願               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。  お諮りいたします。明12月1日から12月7日までは委員会審査のため休会とし、来る12月8日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。  本日はこれをもって散会いたします。                     午後6時48分散会...